第29話 やっと、灯台が見えた!

 さて、かなり古い高速艇に乗って小佐木島を目指しますが、この行きがけ、私はふと、あることに気付きました。


 小佐木島には、明治時代に建設された灯台があります。

 これとは別に港の西側に地元用の灯台もあるのですが、それは置いておきます。

 無論、地元用の灯台は嫌でも目につきますが、この明治時代の灯台って、一応ネット上のサイトではあちこちで紹介されているにもかかわらず、私自身はと申しますと、32年前に訪問した時も、また、前回9月に訪問した時も、まったく気づかぬままだったのです。

 目に入ったはずなのだけど、見えていなかった。


 ところが、この日の行きがけの高速艇では、確かに、灯台があることを確認できました。


 なぜまた、これまで見えていなかったのか。

 マジ、不思議で、しょうがないのね。

 事件現場はしっかりと見ていたにもかかわらず。

 前回は、行きがけにも帰りがけににも、見えていなかったというか、物理的には見えていたのかもしれないけど、全然、気付いていなかった。その存在に。


 でも、確かに、白い建物が、見えたのです。

 この日は、ね。

 なんか、不思議だなぁ・・・。


 灯台の存在を確認できて数分。

 再び、小佐木島にやって参りました。

 前回は観光客がかなりいましたが、今回下船するのは、私だけ。

 なお、この島から瀬戸田方面への島への乗船は、原則不可です。


 もう場所はわかっていますので、あとはひたすら、32年前に来た時と同じ道を同じ向きで歩いて参ります。

 神社のあたりには古新聞が落ちていて、国の少子化対策が一面に出ていました。

 こんなところで見かける記事と思うと、なんだか、ね。

 よく見ると、この島にもレモン畑がある模様。まだ、青い。


                    (つづく)

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