第23話 そして、港。
約30分少々かけて小さな島を1周し、取材対象も何とか取材できました。
あとは、港で船を待つのみ。
港に着くと、先ほどの若い人たちの代わりに、おじさん4名ほどが船待ちをしておられました。
服装と持ち物を見るに、どうやら、釣り人としてこられていた模様。
「こんにちは」
どちらともなく御挨拶。
ここでようやく、この島で、人と話したよ。
いやマジで。
船の時間まで、あと十数分。とりあえず、待合室の窓を開け、風を入れます。9月半ばとはいえ、まだまだ暑い。
前回来たときは、10月の第三日曜でした。
三つ揃いの合冬のスーツを着て、ネクタイもしていました。
それでも、そんなに暑かったという記憶はないのですけどね。
とにかく、早めに目的地に言って取材して、それから戻って船を待っていたってことだけは、確かに覚えています。
現に、パソコン上の移動で壊れることなく残っている写真データの中には、今観なおしてみて、明らかにこの小佐木港で撮影した写真があります。この日はあいにくその手の資料を持っていなかったので、少しずれた位置からの写真になってしまいましたけど、おおむね同じ場所からの写真も撮影できた。それだけでなく、今回はスマホとタブレット、電源が切れかけているというきらいは置くとしても、写真撮影機材が2つもあるだけに、かれこれ撮影可能ときておりますわな。
なんせ前は、カメラのフイルムの残りを気にしながらの撮影でしたからね。
大学生がおいそれとフィルムを何本も買って現像なんかに出せっこない時代でしたから、そりゃあ、しゃあないわな。
今回の高速艇は確か、トイレもなかったはず。
これではいけないので、まずは、待合室横のトイレで用を足しておくことに。
このトイレですが、三原市がきちんと整備してくれているおかげもあり、きれいな状態に保たれていました。入るのも嫌になるような、そんなところじゃない。
前回来た時の記憶、トイレともなると、まったく、残っていません。
待合室のほうはというと、あの頃には確実になかったものも設置されていましたね。AEDの装置。当時こんなのは、なかったはずよ。
さて、当然こんな場所ですから、エアコンなんか聞いていません。
窓を開けて、外からの風で涼をとるのみ。
外にはもう座る場所がないし、待合室内は誰もいないから座れるがその分暑いというわけで、痛しかゆしの十数分間。でも、窓からの風は、いささか心地よい。
やがて、瀬戸田方面からの高速艇がやって参りました。
約1時間前に来た船着き場に停泊したのを見計らい、乗込みました。
リクライニングシートの他に、長手腰掛と言いますか、ちょっとしたソファのような座席もあるので、そこに。
その下にあるコンセントで、しばし、スマホ充電。
小佐木港を出た高速艇は、勢いよく三原港に向けて進み始めました。
今度は切符を買うのではなく、船内で船員さんが集金。
行きと同じ430円を払い、十数分間の海の移動。
無事、三原港に帰って来れました。
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