エクリプス・カリキュラム
私立
僕がいた学年では、デイライト・カリキュラムは12クラスあった。それぞれ
エクリプス一般入試にて合格した僕は、沢クラスに入った。幸いなことに、頼れる高橋さんも沢クラスだったので、特に不安を感じるようなことはなかった。
僕は記憶アーカイブの再生を再開した。
オリエンテーション1日目、ホームルーム。
入学式が終わって、僕たち沢クラスの生徒は教室に入った。
「私は今日から沢クラスの担任を務める
その空気を、僕は決して嫌ったりしなかった。
僕は冗談が苦手だった。人を
沈黙は教室を支配した。そんな中、一人の生徒によって状況は
「
呉先生は、挙手していた生徒の名前を呼んだ。ちなみに、生徒の性別にかかわらず、呉先生はいつも生徒の
「校則の概要を教えていただけますでしょうか。学修手引には、卒業に必要な条件、授業と単位、履修とかが書いてあります。校則という項目はありませんが」
「綾小路くんが述べたように、卒業に必要な条件、授業と単位、履修とありますが、他には52ページ目の『試験に関する注意事項』と、76ページ目の『成績の評定基準』も要注意です。学校が生徒の行動にどんな制限を課しているのかが書かれています。よろしいですか」
「ありがとうございます」
淡々と述べた呉先生もそうだったが、綾小路さんからも素っ気ない態度を感じた。それでも、重たい雰囲気が少し明るくなったのは確かだった。
「
次々と挙手する生徒。
「なぜ、Gの後はSなんですか?」
「これは
「なぜ、エクリプスの学級名は
「これも私個人の理解ですが、あくまでも数字の1から8を使いたくないから、適当に八卦を使ったのではないかと思います」
「なぜ、デイライトとエクリプスなんでしょうか?」
「デイライトは、『昼の光』を意味する英語です。デイライト・カリキュラムの生徒に、陽だまりの中で健やかに成長してほしいと、今朝校長先生が言いました。エクリプスは、『
そもそも、デイライトかエクリプスかを選ぶのは僕たち生徒だった。
他の高校と同じように、
まだ高校受験生だった頃、僕は学級委員だった
未来への展望。初めてそれを真面目に考えようと決めた時の記憶を僕は思い出す。
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