ダンジョンにある転移結晶とかってご都合主義の塊だよな?
少々予定外のことがあったものの10階層のボスを倒した俺とイトは11階層へと向かう為に次の階層へと降りた。
11階層へと降りた先には大きさ2メートルほどのかなり巨大な水晶が置いてあった。
「あ、ご主人様、これが転移結晶ですね?」
「そうだな。転移結晶だな。いやはや初めて見たが中々に凄いな。何というか迫力があるな」
「そうですね」
転移結晶とは、その名前の通り転移を行う結晶である。
といっても結晶が転移するのではない、結晶の場所に使用者が転移するのだ。
使い方は凄く簡単。
転移結晶に一度でもいいから手で触れるだけ。
たったこれだけで、ダンジョン内何処にいても、いつでも一度手で触れたことのある転移結晶の場所まで転移出来るようになるのだ。
といっても、転移を行うには非戦闘状態かつ、10秒程の時間を要する為に安全地帯でしか使用することが出来ないので、実際にはダンジョン内の何処でも転移出来るという訳ではない。
それでも一瞬で階層を移動できるのは非常に便利であるため、様々な冒険者達から非常に重宝されている。
「取り敢えず、触っておくか」
「はい、ご主人様」
転移結晶に触れると、体に魔力が侵入してきた。
そして健康指輪の神器の効果によって侵入してきた魔力が状態異常と判断されて無効化された。
・・・・・・・・・
「え?」
「どうしたのですか、ご主人様?」
「いや、転移結晶が状態異常判定で無効化されたんだけど、イトは大丈夫だった?」
「イトは普通に登録できましたけど」
「マジか。あれでも俺イトの神器・短剣に状態異常系統無効化つけたような気がするけど・・・なんでだ?」
「あ、ちゃんとご主人様から貰ったこの短剣は身に着けてますよ」
「いや。それは分かっている。大丈夫だよ。ただ、何でだろうかなって・・・取り敢えず鑑定してみるか」
俺はメガネの神器で転移結晶を鑑定する。
人工合金・水晶型ゴーレムVer25
世界最高の錬金術師であり、ダンジョンコアの生みの親でもある、神谿 弘天狼の手によって生み出されたゴーレム。
このゴーレムに触れた対象は状態異常無効貫通型の呪魔法【魔力吸収】に永続的にかけられる。
ただし、魔力吸収によって吸収している魔力は対象者の魔力自然回復量によって溢れた魔力のみであり、生活するうえで一切の支障はない。
そうして吸収した魔力を元として、各階層にて同機させている、人工合金・水晶型ゴーレムVer25の元まで呪いをかけられている対象者を自動で転移させる。
「うわ。マジかよ。なるほどね、状態異常無効貫通型の呪魔法の効果があったからイトは呪いにかかって、俺は健康指輪の神器の効果で呪いが治ったのか。理解したわ」
「ご主人様が納得出来たならイトも嬉しいです」
相変わらずイトは可愛いことを言ってくれるな。取り敢えず撫でとくか。
「ナデナデ気持ちいいです」
嬉しそうに目を細めるイト、可愛すぎるって。
「しっかしあれだな、イトにかかった呪いは害はないけど、俺の愛するイトに呪いがかかってるという事実は駄目だろ。普通に嫌だ。よし、解呪するわ。光魔法・解呪」
普通に解呪するよりも1000倍ほど魔力を消費したが呪いを解くことに成功する。
「ありがとうございます。ご主人様」
「まあ、転移結晶なんてなくても、俺の魔法で普通に転移すればいいだけだから特に支障はないな」
「確かにそうですね」
「ただ、俺としてはそれよりもこの転移結晶がゴーレムでしかも、人工的に作られたって事実に驚いたな」
「人工的に作られたですか?」
「ああ、そうだ。どうやらダンジョンコアを作った世界最高の錬金術師、神谿 弘天狼って人が作ったらしい」
「神谿 弘天狼ですか?知らない名前ですね」
「俺も知らない。初めて聞いたわ。少し、いやかなり気になるし、ダンジョン攻略が終わったら適当に本の神器で探して調べてみるか」
「そうですね。イトも一緒に調べます」
「ありがとう、イト。さてとダンジョン攻略を再開するか」
「はい」
――――――――――――――――
補足説明
イトの一人称を私からイトに変更しました。
イトが主人公ことケンジの名前を呼ぶ際に、ケンジ様ではなくご主人様に変更しました。
理由としては、今後キャラが増えた時に一人称が私と同じキャラが出てくると、わけわからんくなるのと、ケンジ様呼びさせるキャラが出た際に、またわけわからんくなるのを考慮したからです。
後は、私よりも自分でイトって名乗る方が何となく可愛い気がしたからです。
とどのつまりどういうことかというと、作者の趣味です。
以上終わり。
異論は大いに受け付けます。
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