ダンジョンにリトライ
ダンジョンの前に着くと、数十人程度が並ぶ行列が出来ていた。
そういえば、昨日行った時はこんな行列とかなく、普通に門番に入場料として二人で銀貨2枚を払っていけたのに、今日何かあったけ?と思いつつ、列に並ぶ。
列に並んでいる間は少し暇だったので、本の神器をこのダンジョンについて書かれている本に変化させてイトと一緒に読む。
読んでいたら、何ともビックリな文が目に入った。
「ご主人様、ここのダンジョンの最高到達階層、78階層って、私達が昨日行った階層って何階層でしたっけ?」
「確か255階層だった筈だ。思いの外攻略は進んでないようだな」
「そうですね。それならこのダンジョンの最高到達者はここに書いてある、Sランクパーティー・テンペストタイフーンじゃなくて、ご主人様になりますね」
「そうなるな。といっても間抜けにもトラップに引っかかって最下層まで行ってしまったって感じだからな。これを攻略と言っていいのかは疑問だけど」
「でも、ご主人様の実力なら255階層まで攻略は出来そうですよ」
「あら?そう、でもそこまで攻略するつもりはないよ。だってあそこにいくとイトが辛そうだからさ。イトが大丈夫な範囲まで攻略しようか」
「ご主人様、そんなそこまで私を気遣わなくても・・・」
「何を言ってるんだよ。こんなダンジョン攻略なんかよりも俺にとってはイトの方は何百倍も大切だからね」
「あ、ありがとうございます。ご主人様」
照れてるイトも可愛いな。
「まあ、イトと一緒に行けるところまで攻略しようか、後はこの紋章で作ったチート指輪の実験もしたいからね」
「じゃあ、私はご主人様の足を引っ張らないように頑張ります」
「いや、別に足を引っ張てもいいよ。イトは俺の大切な人なんだからさ。それよりも下手に無理をしてイトが傷つく方が俺は嫌かな」
「ご主人様・・・ありがとうございます。本当にイトはご主人様が主で良かったです」
イトが俺の言葉に感銘を受けたのか、少し目に涙が溜まっている。
この絶妙な泣き顔が何とも俺の心をくすぐった。一言で言えば、エロい&ナデナデしたくなる。
イトの頭を撫でる。
フワフワの獣耳が非常に触り心地が良い。
「ゴホン、そこのお二人さん。イチャイチャしてないで、とっと身分証明書の提示と入場料を支払ってください」
気が付いたら列は進んでおり、おそらくギルドの関係者であろうと、ダンジョンに入口に立っている騎士が
咳払いをする。
ヤベエ、イトとイチャイチャしてて全然気が付いてなかった。軽く反省をしつつ、慌てて向かう。
「ああ。ごめんなさい。これ身分証です」
俺はギルドカードを見せる。
「A、Aランク冒険者様でございましたか。先ほどは失礼な発言をしてしまいました。誠に申し訳ございません」
綺麗に腰の曲がった謝罪をされた。
「あ。いや、さっきのがイチャイチャしてた俺が悪いんで、頭を上げてください。別に気にしてないですから」
「寛大なお心遣いありがとうございます」
「別にいいから、後、はいこれ入場料の銀貨2枚ね」
「ありがとうございます。では、ダンジョン攻略頑張ってください」
俺とイトは2度目のダンジョン攻略に入るのだった。
といっても昨日のはダンジョン攻略って言っていいのか微妙なレベルだから実質初めてのダンジョン攻略だな。
―――――――――――――――――
補足説明
Aランク冒険者って凄いの?
普通に凄いです。
Aランク冒険者になるためには正攻法の場合はとある4つの条件をクリアする必要があります。
1つ目は冒険者ギルドのランクがBであること。
2つ目は冒険者として何かしらの偉業を成し遂げること。(具体的には魔物暴走を止めるや一人で何百人といる盗賊団を潰す等々)
3つ目はAランク冒険者、10名もしくはSランク冒険者1名から推薦状を貰うこと。
4つ目は冒険者ギルド本部にて、Sランク冒険者ないし、冒険者ギルドの認めたAランク冒険者と模擬戦闘を行い、その実力を示すこと。
以上の4つです。
中々に難しい条件であり、Aランク冒険者は冒険者ギルド内においても上位0.2%、500人に一人の存在です。
そんな実力者ですから、多少正確に難があったり、癖が強くても、様々な人からは尊敬されています。
因みにダンジョンの前に人が並んでた理由としては冒険者ギルドでは早朝に依頼を更新するので、その流れのまま、冒険者達が良い依頼がないか我先にと探してその足でダンジョン攻略に向かっているからです。
――――――――――――――――
今日2回目の投稿です。
私のモチベーションが続く限り、投稿し続けてやるって、あ、もうそろバイトやん。終わった。
という訳でバイトから帰って来て夜中の12時過ぎ、作者のモチベーションが続いて書いてたら、会いましょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます