女の子の体を紐で測るって、それ何て名前のプレイですか?

 宿の一室にて一人の少年と少女が座っていた。

 そんな中、少年が楽しそうに立ち上がって喋りだした。


「という訳で皆大好き防具作成行うよ~~~。まず用意するのは魔物の大群の素材ではなく、レッドドラゴンの皮です。私の氷嵐のせいでかなりボロボロにはなってしまいましたがありがたいことに原型を留めている部分はありました。という訳でそれを使って行きましょう」

 少年は非常にノリノリであったが、少女は自分の敬愛する主の気が狂ってしまったのではないかと心配して善意で声をかける。

 

「あのう、ご主人様大丈夫ですか?」


 と。

 

 その瞬間に世界が止まった。


 ・・・・・・・・・


 異世界での初めての防具作成ということで何となくテンションが上がってたケンジ君だったが。急に現実に引き戻されてしまったような気分となり、軽く死にたくなるくらい恥ずかしくなったのだ。


「いや、大丈夫だよ。いやただ、そう。なんとなくその場のノリでやってみたくなっただけだから」


「そうですか。それなら良かったです」

 本当に心の底から主であるケンジを心配するイトにケンジ君の心は更に痛む。


「ああ。そうだな。さて普通に作るわ」

 素に戻ったケンジ君は今度は静かにレッドドラゴンの皮を空間魔法から取り出す。

 多少傷が目立つので、回復魔法を使って死に立てほやほやの素材のみに仕える細胞活性化再生方法を使って新品同然に再生させる。

 そうしてイトの体にぴったりのサイズに裁断して加工していこうと思った時にふと気が付く。

 そういえば俺イトの体のサイズを知らないということに。


「という訳で、皮鎧を作るからイト体のサイズ測ってもいい?」


「体のサイズですか?いいですよ」


「じゃあ、遠慮なく測らせて貰うよ」


「はい。どうぞ」


 俺は紐を取り出して、イトの胸に当てる。


「んっ」

 何とも言えない艶めかしい声をイトがあげる。

 少女の胸に紐を当てる。なるほど。非常にいやらしい行為をしている気分になるな。いやまあ、文字だけでみれば本当にただのいやらしい行為なのだが。実際問題でいえば、皮鎧を作る為に体のサイズを測っているいるだけだ。問題はない筈だ。


「あのう。ご主人様。少しくすぐったいです」

 イトが顔を赤らめてくる。これは何というか、そういうプレイですか?

 いや。違う。何を考えているんだ俺は。クソ駄目だこの思考はよろしくない。ああ本当によろしくない。


「ああ。ごめんねイト。えっと続けて大丈夫?」


「あ。はい。大丈夫です」

 紐をイトの胸に回す。

 しっかりと頂点で計測をする。

 イトの恥ずかしさとくすぐったさを耐えるような、何とも言えない艶めかしい声に俺は精神を必死に保ちながら一応胸の下の方もしっかりと測る。


 それが終わったらお腹を測ってお尻を測る。


 何だかんだで結局、イトの体のサイズを測るのに20分もかかってしまった。

 正直なことを言えばイトの声が凄く良かったです。

 はい。本当に凄く良かったです。私は変態です。許してください。


「あのう。ご主人様、顔が赤いですけど、大丈夫ですか?」

 俺を心配してくれるイトだったが、イトの顔も普段よりも赤かった。

 うん、事後かな?いや違うけど。いやまあある意味で違わないけど。


「ああ。大丈夫だよ。ごめんね。すぐに皮鎧を仕上げるから」


「はい。ありがとうございます」


 俺は先程と打って変わって黙々と皮鎧を作ってく。

 レッドドラゴンの皮を頑張って測ったイトの体のサイズに合うようにカットして調整をする。

 一瞬、イトが成長することを考えて少し大きめに作ろうかと思ったが、その時になったらその時でまたイトに皮鎧を作ってあげた方がいいなという結論に至り、それはやめることにした。

 やっぱりその時、その時で体のサイズにぴったりの一番着心地の良い物をイトには着せてあげたいしね。


 レッドドラゴンの皮をカットするという作業はものの数分で終わり、それを本の神器で出した、皮鎧の作り方を見ながら、作業していく。

 普通ならば素人が一度本を読んだ程度では皮鎧を作るなんてのは余程の超天才とかでもない限りは不可能である。

 そして俺はその余程の超天才ではない。

 でも、俺は作ることが出来る。


 何故なら本の神器にはこの本の神器を通して読んだ内容に対する上達度が上がるのだから。

 

 かくして皮鎧を作るなんてのは初めての俺だったが、時短の為に魔法を駆使しつつ皮鎧の作り方という本に載っている通りに作っていったら、僅か10分で皮鎧を作り上げれてしまった。


「よし。出来た。イト一旦これを着てみてくれ」


 俺の作った皮鎧は普通の皮鎧とは違う。

 皮鎧の作り方に載っていた、探索用皮鎧というのだ。

 この探索用皮鎧というのはその名前の通り探索を目的として作られている皮鎧。

 胸からお腹にお尻にかけてを覆うような形の皮鎧であり、動きやすいように腕の付け根の部分には一切保護がなされていない。

 お尻の方は最後は敢えて薄皮の部分を使ってミニスカートのような形となっている。

 胸の方は弱点である心臓の部分を重点的に守っている形となっている。

 お腹の方は動きやすさを重視して脇腹の部分が露出、正確に言えばレッドドラゴンの薄皮のみが貼られてる感じとなっている。

 ただそれでもレッドドラゴンの薄皮、後で俺が付与魔法をかけるので耐久性はかなり高いとは思う。

 因みに元々の普通の皮鎧はもっとしっかりと腕の付け根の部分から、足の方も守っていたが、イトが動きやすさを重視しているので、関節部分までない探索用皮鎧を選んだって感じだ。

 

「どうですか。ご主人様、似合ってますか」

 ただ、少し欲を言えば、もう少し露出があってもいいかもなと思ってしまった邪な自分がいたのは秘密だ。 


「ああ。似合ってるよ。因みにイトは動きにくくはないか?」

 俺の言葉にイトがその場を飛び跳ねたり、少し体を動かしたりして動作確認をしてくれる。


「少し重たいですかね」

 

「オッケー、やっぱり少し重かったか。付与魔法・質量軽減。これで軽くなったと思うよ」

 何故、最初から付与魔法をかけてないのかという話に対しては、今の様に実際にイトに着てもらってからイトの様子を見て付与魔法を使って調整していく為だ。

 一度かけた付与魔法を解くことは出来なくはないけど、少し時間がかかるからね。


「凄く軽くなりました。とても良い感じです。ありがとうございます。ご主人様」


「そうか、良い感じなら良かった。じゃあ更に付与魔法をかけてくね。付与魔法・身体能力強化・回避率上昇・強度上昇・着心地上昇・自動修復機能・所有者固定・状態異常耐性・魔法攻撃吸収・物理攻撃吸収・ダメージ反射・治癒力上昇。そして最後に時空魔法・付与魔法・混合・収納装着」

 取り敢えずこの皮鎧にかけれる限り付与魔法をかけていく。

 自分でもかなり付与魔法をかけたと思うわ。これだけの付与魔法がかかっているという点とレッドドラゴンの皮で出来ている皮鎧って考えれば普通に買えば、大金貨で5枚以上、オークションとかで上手くいけば10枚も行くレベルの出来だ。

 我ながら良い仕事をした。


「凄く力が湧いてきました。ありがとうございます。ご主人様」


「何、良いってことよ。イトの為だからな、当たり前のことをしただけだ。あ、それとイト、収納って言ってみな」


「え?はい。分かりました。収納」

 その瞬間、皮鎧が俺の用意した異空間に収納される。

 つまりイトの体からきれいさっぱりなくなるというわけだ。


「え?あれ?イトの皮鎧は?」

 いきなり自分の身を包んでいた皮鎧がなくなって慌てふためくイト。可愛い。


「まあまあ、イト、落ち着いて、次は装着って言ってみな」


「あ、もしかして、装着」

 その瞬間に皮鎧がさっきイトが着てた状態と全く同じ状態でイトに装着される。

 うん。俺の魔法はどうやらしっかりと機能しているようだな。良かった良かった。


「凄いです。ご主人様。もうとにかく凄いです。凄すぎます」


「イトが喜んでくれて俺としても良かったよ。これで面倒な持ち運びとか一切なしでいつでもどこでも好きな時にこの皮鎧は収納することも装着することも出来るからね」


「はい。分かりました。ありがとうございます」


「よし。じゃあ次はイトが買った短剣の神器に付与魔法をかけてきますか」


「はい。お願いします」


――――――――――――――――


 バイトが忙し過ぎて死ぬ。物理的に死ぬ。

 大学があるというのに平日毎日5時間は馬鹿や。土日とか普通に9時間バイトしてるけど、マジでただの馬鹿やと思う。今日から6連勤や。

 今の所、別に欲しい物があるってわけではないというのに。何でこんなに入れてしまった、というか入れられたのやらやら。という訳でバイトのシフト減らして小説を書く時間確保します。

 えっと、更新が遅れたのは9割バイトのせいです。

 つまり私が悪いです。ごめんなさい。

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