付与魔法と金貨の天秤は速攻で付与魔法に傾いた
「空間魔法・空間転移」
俺は取り合えずイトのいるところに転移した。
イトはスヤスヤと気持ちよさそうに眠っていた。そんなイトの笑顔を見ると何だか俺も幸せな気持ちになってくる。俺も頑張ろうって思いが湧いて来た。
という訳で念の為に張ってある結界を更に強固にした後、宿を出て集合場所である冒険者ギルドに向かった。
テクテクテクテクテ
数分歩いて冒険者ギルドに到着する。
そして中に入る前に気が付く、というか分かった。想像以上に冒険者と騎士団が優秀だったということに。うんマジかよ。凄いな。
何故ならば俺の目の前には保護された元奴隷達に犯罪を犯していた、クズ共に奴隷を買おうとしていたクソな金持ち共が捕まり連行されていたからだ、まあ、もちろん冒険者ギルドの中でも保護された元奴隷達はいるんだろうが、まあ、あの数だそりゃ外にあふれるわな。
ハハハ、凄いな。俺が犯罪者どもをあらかた皆殺しにしていたとはいえあの短時間で全員救い出しているのか。
これは本当に依頼を出して良かったわ。
「あ、大魔導士様。どうもです。言われた通りにしました」
冒険者の一人が俺に近づいてきてそう嬉しそうに報告してきた。
「おう。よくやってくれた。それにしても随分と仕事が早いな」
一応俺は大魔導士ということで話が進んでいるので少々傲慢かつ上から目線で接してみる。
というかいつの間にか大魔導士になった?最初魔導士様やなかったけ?まあいいか。別にさして問題がある訳でもないし。
「いえいえ。これは全て大魔導士様が渡してくださった、あの地図のおかげです。あれがあったおかげでとてもスムーズかつ簡単に忍び込むことが出来ました。それに大魔導士様が強敵となりうる犯罪者どもを一人で引き受けてくださいましたので、ほとんど誰にも邪魔されることなく救出活動と捕獲活動が出来ました」
目をキラキラに輝かされながらそう言われた。
ふと、周りを見渡すと、周りも似たような感じでうなずいている。俺への信頼度爆上がりしてますな。
「そうか。それならば良かった。さて、では報酬がまだだったな。取り合えず今回の作戦に協力してくれた人は一列に並んでくれ。もし、参加していないのに並んだら、それ相応の報いを受けさせるから辞めておけよな。まあそれはいいとして、並んだ人は俺に直接付与魔法科・金貨1枚どちらが良い言ってくれ」
俺が少し魔力を出して威嚇しながらそう言ったら、さっき俺と話をしていた冒険者を始め一気に皆が並びだす。もちろん綺麗な一列でだ。
軽く爽快な景色である。
「大魔導士様。私のこの愛剣に付与魔法をお願いします。出来れば攻撃力アップ系統で」
さっき話してた冒険者が俺に剣を捧げるように出しながらそう言ってくる。
なるほどね。攻撃力アップ系統か。そういうのは結構いろいろあるし、まあよさげな感じでやってあげますか。
「付与魔法・攻撃力アップ・付与魔法・剣頑丈化・付与魔法・切れ味強化・付与魔法・切れ味持続」
俺は適当によさげな感じで付与魔法をしてあげる。
まあ、やろうと思えば詠唱して結構強めの付与も出来なくはないが、そこまですると時間がかかるから少々簡易的なものではあるが。まあ、4つもかけて上げたんだ納得してくれるだろう。
「うお~~~~~~~、凄いです。流石です。流石過ぎます。まさか4つも付与魔法をかけてくださるなんて。普通の魔術は1つ、2つが限界だというのに、しかもこれは本当に凄いです。素晴らしすぎます。見ただけで分かります。明らかに強くなっていますよ。なんて素晴らしい付与魔法でしょうが。大魔導士様本当にありがとうございます」
そう大声で心の底から嬉しそうに叫んだ。否、叫びやがった。
まあ、どうやらもクソも4つの付与魔法をかけるのは中々に凄いらしく、滅茶苦茶に褒められた&それを広められた。まあ、もちろんそんなことすればどうなるかなんて超絶簡単だ。皆付与魔法を俺に頼む。
ぶっちゃけそれなりの人数は金貨選ぶと思ったけど。違った。全員付与魔法を選んだ。一応俺の付与魔法が凄いというのももちろんあるが。俺の依頼を受けてくれた冒険者さん達は騎士は皆かなり強い人たちだったのだ。
ようはある程度はお金に余裕のある人達だったってことだ。というわけで、それなりのもしくはかなり凄い武器に防具を持ってる人達だったわけである。
まあ考えてみれば当たり前だ。あの魔物の大群と戦うってのにわざわざ新人を弱い人を連れてくるなんて馬鹿なことしないわな。俺の仕事に対してここまで早く完璧にこなすなんて、そりゃ腕の立つ人だわな。うん。うん。
はい。というわけで俺は何十人もの人の武器や防具に付与魔法をかけました。
なんだかんだで一人1分ほどはかかってしまったので、数十分程かかってしまった。
うん、あれだな。まさかの依頼解決時間よりもその後の報酬を渡しの方が時間かかるというね。はい。
まあでも、そうやって俺が皆に報酬を渡すもとい付与魔法をかけている間に犯罪者どもの処理やら、元奴隷達の現状やら住んでいた場所、どこで攫われたか。売られたか、怪我とかは大丈夫か?等々の結構様々なことが調べられてほぼほぼ事件としては終わっていた。
俺もまあ。報酬を渡し終えたし、イトの家族でも探すかと向かおうとしたら筋骨隆々な凄く強そうなオッサンに呼び止められた。
「おい。話がある着いてこい」
と鬼のような顔で言われてさ。うん。凄く怖かったです。しかもなんかこうこの人オーラがマジで漫画とかみたいに体を湯気みたいなのが覆っていた。めちゃくちゃに脳筋お化けですって感じがした。
一瞬逃げようかとも考えたが。周りの冒険者や騎士がペコペコ頭を下げていたから、悪党ではなさそうだしついていくとにした。
後、これを無視したら何となく後が怖そうだったから。何だかんだで小心者なんですよ俺は。
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