罪死と呪死
「というわけで、死ね。クソ共が、呪魔法・死霊魔法・複合・詠唱・死者よ死者・死霊よ死霊・呪い呪われ呪いまくれ。彼の者が犯した罪を償わせろ。嗚呼、それは何とも恐ろしく醜く怖く憎悪と悪意に溢れているのだろうか。そして、それはどれ程の苦痛を彼らに与えるのだろうか、それは全て死者と死霊の知るところなり・複合魔法・罪死と呪死」
俺は、ありったけの憎悪と怒りと復讐心に魔力を込めてとある魔法を放った。
この魔法はとある呪術師が復讐に狂って作り出したレベル3に指定される禁忌魔法だ。
死者を呼び死霊を呼び、対象者が犯した罪に応じて死者の世界へと引きずり込み、そこで犯した罪によってそれ相応の責め苦にあい、最後は呪われ苦痛の中で意識が掻き消えるという非常に恐ろしい魔法だ。
死者の世界との扉を開くので、魔力をかなり消費するが、その価値に見合う程のかなり強力な魔法だ。
まあ。もちろんこんな非効率的な魔法を使わなくても殺すことは簡単にできるが。これは復讐だからな。
せめて苦しめて地獄のような中で死ぬというのが当然の報いというものだ。
「さてと、一応、記憶の中にある命令を出していた偉そうな奴1人と何か適当に記憶の中にはいなかったクソを2人生かしておいたけど、うん、どうしよっかな?てなわけで、どうされたい?」
俺の優しい笑顔による、問いかけに対して恐怖に顔を歪ませてまともに口を動かそうとしないクソ共。
「なるほどね、沈黙ですか。じゃあ、両手両足を切断してから騎士団来るまで放置でいっかな?もしくはお前もあの地獄へ行くか」
「ま、待ってくれ、何でもする、何でも話す。だからあの地獄はやめてくる」
俺の言葉を聞いて慌てて偉そうな奴が喋りかけてきた。それはそうだよな。いや、しかしながら両手両足切断の時はさして反応を示さなかったのに、あの地獄の方が嫌なのか。
まあそれもそうか。あんなもの見たらそうなるわな。
「何だ、喋れるじゃないか。じゃあ、質問だけど。あんたらのこれまで行った悪事の証拠はどこにある?嘘ついたら殺すからね」
「ああ、言う、話す、話します。私共が行った犯罪の証拠は私のこの指輪に仕込んである空間魔法の中にあります」
「なるほどね、じゃあ、それ出して」
「はい、分かりました」
ドサドサドサドサドサドサ
大量の書類が目の前に現れる。
「なるほど、結構な量だね。取り敢えず、空間魔法・異空間」
俺は異空間の中にその書類を全て入れる。
「さて、じゃあ、次はその指輪を寄越しな」
「はい、分かりました」
そう震えるような声で言い、俺に指輪を渡してくる。それも異空間の中に仕舞う。
「じゃあ、次の質問、何故獣人を襲い奴隷にした?」
「別に好きでやっていたわけではありません。そう、貴族様に脅されてしまい、仕方がなく」
クズがそう喋っていると、メガネ越しに彼の言葉は嘘であるという表示が出てきた。
流石俺のメガネの神器ですな、非常に万能ですわ。
というか、嘘ってことは、まあ、脅されてとかではなく、自分の欲の為、金の為やってって感じのクズなんだろうな。これは罰が必要かな。
「風魔法・風刃」
俺はクズ改め嘘つきの右腕を飛ばした。
「ギャア~~~、腕が、腕が」
「あんた嘘をついたね。てなわけで殺すのは生温いし、あんたには聞きたいことがまだまだあるので、四肢を切り落して、出血死しないように傷口を焼きます」
「は、いや、待ってくれ、待ってください、それは、余りにも残酷d」
「風魔法・風刃・火魔法・火炎」
俺は嘘つきの話をガン無視して四肢を切り落して焼いた。
「ギャア~~~~~~~~~~~~~~~~~~、あああああああああああ、痛いよ~~~、苦しいよ~~~」
俺はクズの悲鳴を無視して、一応生かしている二人の元に行き笑顔で言った。
「さてと、そう言えば君ら二人はこのクズの仲間かい?嘘ついたらコイツと同じ目を味わうことになるけど?」
「私は無実です。こんな犯罪者共の仲間ではありません」
一人が縋るようにしてそう言った、メガネには嘘とはっきり表示されている。
黒ですな。真っ黒です。
「風魔法・風刃・火魔法・火炎」
俺はあいつと同じ目に合わせてやった。
後悲鳴がうるさかったので喉を潰しておいた。
「さて、あんたは?」
「俺は王国軍・特殊部隊の者だ。今回は獣人を奴隷にして貴族や金持ちの商人に売りさばいている犯罪組織の捜査の為にここに潜入をしていた。まあ、信じるかどうかはあんた次第だがな」
眼鏡には何の反応も無かった。
うん、マジかよ、王国軍・特殊部隊ってそんなのあるのかよ、カッコイイ。
「いや~~~、それは。何か申し訳ないことしたね、せっかくの潜入捜査を思いっ切りぶち壊してしまって」
「何、気にすることはない、この世界では強者が絶対だ。お前のような強者は基本何をしても許される」
「おお、中々歪んだ考えですな。弱肉強食ここに極まれりってか、まあいいや、じゃあ、取り敢えず、俺は今から雇った騎士団と合流するけど、あんたも来るかい?」
「この状況だ。ありがたく行かせていただこう」
「そっか、じゃあ、行きますか」
「そうだな」
そして、俺は王国軍・特殊部隊の人と一緒に騎士団がいるであろう、獣人達が囚われている部屋に行くのであった。
てくてくてくてく
うん、気まずいな。話す内容が無い。何が悲しくておっさんと一緒に行動をしなければならないんだ。
まあ、我慢するしかないけどさ。いや、マジで失敗した。俺一人なら転移で簡単に行けたのに、もちろんやろうと思えばこのオッサンも一緒に転移できるけど、何が悲しくてオッサンと手を繋いで大量の魔力を消費させて転移しなければならないのだ。それに、俺の能力についてあまり知られたくないしね。
さて、歩くか。
てくてくてくてくてく
歩き始めてから10分後
ようやく獣人が捉えられている牢屋についた。
そこを開けたら、そこには誰も、そう、誰もいなかった。
「一体、どういうことだ。空間魔法・空間把握」
俺は慌てて獣人達の居場所を把握しようとこの地下をくまなく調べた。
「いない・・・だと、何故だ、何故いない、最初調べた時も、突入前に調べた時も確実にいたはずだ、なのにいない、どういうことだ」
「本当ですね。私が潜入捜査の過程でどこに誰がいて、どこに獣人が囚えられているかは把握していた。確かにここの牢屋に獣人は囚われていたはずだ」
「ああ、そうだよな。じゃあ、どこに逃げた。少なくとも、俺の空間魔法・空間把握ではここら一帯にはいなかった?なあ、ここの潜入捜査をしていたあんたは何か心当たりはあるか?」
「すみませんが、私も全く分かりません」
そう言ったオッサンの言葉は眼鏡によって嘘と表示された。
「なるほどね、あんた嘘ついてるね。思い当りはあるんだな、正直に答えろ」
俺は魔力を放出して威圧しながら言った。
「ハハハ、ばれてましたか、では、さようなら」
ドン
オッサンがそう言って煙球を撒いた。
「クソ、前が見えない、というか魔力がうまく練れない。魔封じの粉入りか」
その後、1分程で煙は消えたが、その場には俺以外誰もいなかった。
「クソ、逃げられたか。うわ、マジかよ。確か王国軍特殊部隊だったよな。絶対何か裏があるな。まあ、いいや、取り敢えず一旦地上に出て騎士団もしくは冒険者たちと合流するか」
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