吐き気を催す邪悪とレッドドラゴン
朝食を食べ終わり、俺は早速レッドドラゴンを倒しに行くなんて無謀な真似はせずに、本の神器を使って情報を集めた。
俺は自分で言うのもアレだが慎重な人間なんでな。
それに情報というのは凄く大事だ。俺の実力ならばレッドドラゴン程度楽勝ではあると思うが、もしものこともあるし情報を知っておくに越したことはない。備えあれば患いなしって奴だ。
という訳で30分程、本を読み更ける。
一通りレッドドラゴンについての本を読んでみた感じ、かなりレッドドラゴンについて分かった。
まず、レッドドラゴンの弱点は3つ。
一つ目は眼や口や鼻や股間などの分かりやすい急所。
二つ目はあるあるだが、身体の何処かに逆鱗と呼ばれる鱗、そこを攻撃されるとその部分から大量に血が溢れてかなり簡単に倒せるらしい。
三つめは、水や氷属性といった火と反対の属性での攻撃。
基本的にはこの三つだ。
ほんで次に生息域と行動についてだが。
レッドドラゴンは洞窟を好んでねぐらにするらしい。基本的にはそのねぐらでずっと寝ているらしい、起きるのは1月に一回獲物を喰らって腹を満たすときだけらしい。何とも怠惰を極めきっているな。
まあ、確かにレッドドラゴンの大きさは大体20メートルを超えるらしいし、そんな巨体が毎日この森の生き物食ってたら生態系が壊れるわな。
それと、レッドドラゴンというかドラゴン系統は人間の肉を好んで食う傾向があるらしい、というか人間の肉が好物らしい。何それ怖いって感じだ。
といっても、俺はこの今まで人一人見たことない森でレッドドラゴンを探すわけだし関係ない気もするが、因みに俺みたいな子供が一人いた所でドラゴン系統は基本的に気が付かないらしい。
まあ、大きなドラゴンからしてみれば人間一人を目視で探すってのは難しい話やから納得だ。
ただし人間の血や臓物が溢れてたら鼻の効くレッドドラゴンはすぐにその場所に餌があると涎垂らして襲ってくるらしい。といってもそんな事態にはならないと思うので今は関係ないか。知らんけど。
まあ、役に立ちそうな情報はこれだけだけだな。
後の情報はドラゴンを討伐した後の処理とかメチャクチャ強い希少個体に臨まぬ遭遇をした場合の逃げ方とかだ。
ぶっちゃけ、俺は空間魔法使えるし。最悪転移で逃げればいいから問題はなさそうけどね、討伐した後も時間が停止している空間にポイして、プロに解体してもらった方が絶対にいいしな。
てなわけで、早速レッドドラゴンを探しに行きますか。
討伐するにしてもどこにいるか分からなければ無理だし、一旦どれくらいの大きさかどんな強さなのかを生で見てみたいしな。
「師匠、レッドドラゴン探しにいってきます、もし、勝てそうだったら今日討伐出来るかもしれません」
「うむ、分かったのじゃ。気を付けるのじゃぞ。それと何かあったら迷わずに逃げるのじゃよ」
「分かってますよ。師匠、危険だと判断したらすぐに空間転移で逃げるよ」
「うむ、分かってるのならよしじゃ。お主ならきっとレッドドラゴンを討伐できると信じておるぞ。頑張るのじゃ」
「ありがとう、師匠、じゃあ今度こそ行ってくるね」
「頑張るのじゃ、それと危なかったら絶対に逃げるのじゃぞ」
「分かってますって師匠」
訓練では鬼みたいなのになんだかんだで心配性な優しい師匠と会話して少し気を引き締めなおし俺はレッドドラゴンを探すため森の中に入った。
――――――――――――――――――――――――
「さて、じゃあ、早速洞窟を探してみますか」
俺は体力づくりのために走り込んでいたため、結構この森の地形には詳しいという自信があった。
・・・・・・・・・、で、まあ、洞窟しらみ潰しに探して、罠魔法を仕掛けたりすること1時間、見たことの無い場所についてしまった。
いや、森の地形に詳しい自信があったのだが、まあ、はい、正直に白状すると迷子になった。うん、完璧に調子に乗りました。ごめんなさい。
「いや、マジでここ何処だよ、ヤベ完璧に奥行きすぎたってここ奥なのか?分からないわ。うん、レッドドラゴンも見つからないし、迷子なったし最悪だ。しょうがない一旦空間魔法で帰るか」
そう一人呟いて空間魔法を唱えようとした時だった。
「助けて、誰か、誰か~~~、助けて~~~~~~~」
可愛い少女の助けを求める声が聞こえた。
俺はすぐさま、その声の場所に向かって足に魔力を込めて身体能力を強化させて走った。
――――――――――
急いで向かった先では、可愛い犬耳に尻尾の付いた少女がむさいオッサン3人に追いかけられていた。
「土魔法・土槍」
俺はその光景を見た瞬間、むさいオッサン3人を取り敢えず悪と決め、土槍で手足を突き刺した。
もちろんまだこのむさいオッサンが救いようのない悪と確定している訳ではないので今の所は殺したりするつもりはない。
だから手足だけに土槍を刺したわけだしね。いやまあかなりの高確率でこのオッサンが悪な気がするけどね。
「ギャアああああ、痛え、痛えええ、クソが、お前何もんだ」
オッサンの中々に汚い悲鳴が上がる。どうでもいいかもだけど俺って今初めて人に大怪我を負わせたな。
それなのに何というか思ったよりも何も感じないな、何だろ、俺の中ではやっぱりこの世界をゲームや漫画、ラノベのように扱ってるってことなのかな?
まあ、実際魔法が使えて健康指輪の神器によって修行とか言って手足がもげても簡単に再生するからな。完璧にフャンタジーの世界だしな。そういう認識を持ってるのもある意味で納得だ。
「ねえ、オッサン達は何でこの少女を追いかけていたの、嘘ついたら殺す、さあ、教えて」
俺は笑顔でそう言った。
多分オッサン3人にとって俺は森の中からいきなり出てきた得体のしれない化け物だからな、それが嘘ついたら殺すって言ってるんだ、多分本当の事をいうだろ。
それに仮に嘘をつかても、それを判別する方法はそれこそ山の様にあるからな、虚偽鑑定の魔法や審議判定の魔法に俺のメガネの神器の効果でも嘘の判定は出来るからな。いやはや俺って凄いわ。
「俺は別に何も悪いことをしていない、ただ、最近大規模な奴隷狩りで潰した獣人の集落から逃げたした、そのガキを奴隷にしようとしただけだ」
さも、それが、当たり前のように言いきった。そして、残り二人もその言葉に首を大きく振って必死に肯定している。
なるほどね、ここはそういう世界か。そしてこいつらは俺にとっては完璧に悪で許し難いクズということだな。
少なくとも何の罪もない集落を襲ってそこにいる獣人達を奴隷にした。その挙句の果てに可愛らしい女の子を追いかけまわして奴隷にしようとしている。
嗚呼、なんというか救いようのない悪とは正にこのことだな。
「死ね」
俺は一切の慈悲なく、土槍を目の前のクズの首に向けて生やす。
「さあ、もう、大丈夫だよ、悪いオッサンは俺がやっつけた、暫くは面倒みてあげるからこっちにおいで」
俺は出来る限り優しい笑顔で少女にそういった。
だがしかし、少女の顔は恐怖に怯えていて、身体が震え、目が上を向いている。
これは、完璧に怯えられたかな?いやまあ、目の前で人を殺したし、しょうがないか。
取り敢えず師匠の所に空間魔法で。
「後ろ、後ろ、いや上を見て」
いきなり震えていた少女が俺にそう叫んだ。
俺はそう言われたので後ろを向いて見上げたら、そこには、レッドドラゴンがいた。
・・・・・・・・
レッドドラゴンがいた。
・・・・・・・
レッドドラゴンが上空で完璧に俺らをロックオンして、翼をはためかせていた。後涎が少し垂れていた。汚いな。
そして、気が付くというか思い出す。さっきオッサン三人を豪快に血が出る感じで殺したのと、本にレットドラゴンが人間の肉を好むという情報を。
ほんでもって、俺一人なら空間魔法で簡単に逃げれるが、この少女と一緒となると、空間魔法を唱えるのに結構時間がかかる具体的には30秒ほど詠唱をしなければなならい。
ようは、30秒も無防備に詠唱なんてすればレッドドラゴンのエサになるには十分過ぎる程の時間だってことだ。
・・・・・・・
「なるほどね、つまり、俺はこの少女を守りながら、レッドドラゴン討伐するしかないということか、いいじゃないか、臆するな俺、せっかく向こうから来てくれたんだ、血祭に上げてやるクソトカゲ」
初めて生でドラゴンを見たのか、それとも人を殺した影響か、はたまたこの少女を守ろうという正義感。分からないが、とにかく俺はアドレナリンドバドバの状態でそう中指を立てながらレッドドラゴン相手に啖呵を切った。
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補足説明
師匠の特訓風景や詳細な描写はいつか過去辺みたいな感じで載せます。いつか。そういつか。
面白いと思って頂けましたら星やハートを入れて頂けると嬉しい限りです。
後、ここで質問なのですが、今の所メインヒロインはこの少女で確定です。
ただ、今はまだこの作品をハーレムで行くか、純愛で行くか、悩んでます。
よろしければ感想で意見を伝えて頂けると嬉しい限りです。
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面白いと思って頂けましたら星やハートを入れて頂けると嬉しい限りです。
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