イレギュラー
猫が戻ると、皆は話し合いの最中だった。
「あ、●●●さん!」
「ただいま戻ったニャ」
「カチョウさんは?トイレかニャ?」
「それが・・・」
話し合いの最中、というより猫がいなくなった途端。
唯一の男性社員であるカチョウは、女性で契約社員のサンジョウに仕切られることが気に触ったらしく、1人で出口を探すと言ってどこかへ行ってしまったそうだ。
「あのクソボンボン・・・・」
「ま、まあまあ。それより地下はどうでした?」
「そうだニャ、また情報を共有しておくニャ」
1.B2Fへ通じる道はすべて瓦礫で埋まっていた。
2.B1Fの食品は食べられた。
3.水道も貯水タンクに入ってる分は使える。
4.大型鼠が彷徨いているので猫の匂いが付いた衣類を渡しておく。
「水と食料は持てるだけ持って来たニャ」
猫は、皆にどこまで話せばいいものか迷っていた。
やはり妙だ。
既に2時間以上は経過しているのに、非常灯は煌々と熱を帯びた明かりを放っている。
いやしかし、信頼のためにも話すべきだろう。
「良いニュースと悪いニュースがあるニャ」
「これ以上悪いニュースなんてあるの?」
「多分、救助は来ないニャ」
「まあ悪いニュースだね。良いニュースに期待してるよ」
「物資の心配は要らないニャ」
「何かわかったの?」
「全員に説明したほうがいいと思うんだがニャ」
「・・・・む!」
猫の耳が、ある『鳴き声』をキャッチした。
「ちょっと行ってくるニャ!」
「え?ちょっと●●●さん?!」
音を頼りに2階へ着くと、カチョウが鼠に襲われていた。
「ひいぃぃ!な、なんだよこいつ!」
猫は背後から鼠に飛びかかると、マイナスドライバーで右目を抉り、そのままチョークスリーパーを掛けた。
ゴキリ、という音と共に鼠は地に伏した。
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