地下へ
まずはB1Fに行ける道を探して食料と水の確保。
その足でB2Fへ行って状況確認と物資調達。
それから、やはり・・・。
猫はすぐに瓦礫に埋もれていないB1Fへの道を探し出した。
「なんだか不気味だニャ」
誰ひとりいないのに、食料はまったくと言っていいほど荒れていなかった。
瓦礫もわざとそう倒れたかのようだ。
「とりあえず適当に見繕って持っていくニャ」
猫は風呂敷を広げて水と保存の効かない肉や魚を中心に包み始めた。
その時・・・・・。
「チュイイイィィ!!!」
「・・・・おいおい、マジかニャ?」
鼠なんて、この商売をやっていれば嫌と言うほど見る。
しかし、こんなのは仕事の外だろう。猫すら食い殺しそうなデカさってのは。
「ブッ殺すしかねーニャ」
猫は宇宙のようなドス黒い瞳に殺意を宿した。
腰道具からマイナスドライバーを取り出すと、突進して来る大型犬ほどの鼠にすれ違いざまに飛び乗り、押さえ込んだ。
「ふっ!!」
頸にドライバーを突き刺すと、そのまま力一杯ねじ込んだ。
『ゴキン!!』
不快な音を立てると、鼠が暴れて苦しみもがく。
猫は吹き出す鮮血を浴びながら尚もドライバーに力を込める。間も無く鼠は息絶えた。
「ふぅ・・・・」
「チュイイイィィ!!!」
「やっぱりニャ?」
鼠はそこら中に巣食っているのだ。一匹で終わるはずがなかった。
「フギャアアァァァ!!!」
猫は雄叫びを上げ、再び臨戦態勢に入ったが、鼠は背を向けて逃げ出した。
「・・・・なるほどニャ」
個体差はあるが、鼠は天敵のニオイに寄り付かない習性がある。
猫は風呂敷を包むと、B2Fへの道を探すことにした。
その時・・・・。
〈ゴゴゴゴゴ・・・・〉
・・・・地震?
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