第17話 出会い

広大な森に囲まれた草原の中でどこからともなく小さなため息が聞こえてくる…。

「はぁ…。なんで私ってこうも駄目なのかなぁ…。」

草原に寝転んで日が真上まで登った空を見ているリーシア。

ついさっきまで、ウトゥタクモスィー山脈に向かってヴェルカ達と馬車で移動していた。移動中、ガリアがいつもの馬車酔いになり、あまりに辛そうだったので、自身の能力であるキノコを生成する能力をつかって馬車酔いがなくなる様に目、耳、脳の自律神経の乱れを抑え整える効果のあるキノコを生成する事にしたリーシアだったが、生成したキノコが毒キノコでそれを服用させてしまったこととそれ以外のやらかしで、ガリアの病状を悪化させてしまったことによってガリアの怒りを買ってしまい、ボコされそうだったので逃げ出して今に至る。


「なんでこうやることが裏目にでたり、空回りしてしまうんだろう…」

さっきのことを思い返しているうちにどんどん過去の事が湧き上がってくる…。



日が沈み始めたとき、少し遠くの茂みでガサガサっと何かが走っていった。

そろそろと近づいて行くと、そこには純白の縦に長いふさふさの毛玉がついた耳に体、ふさふさのもふもふな体と同じくらいの大きさのしっぽをもった、リーシアの身長の半分くらいの大きさの狐がいた。

丁度リーシアと目が合って立ち止まっていた。

「そういえば、ガリアが友好的な動物をテイムすることが出来るって言ってたなぁ…」

という事を思い出し、そこに居た白い狐をテイムする事にした。

「うまく出来るかなぁ…」

少し不安になりながらもテイムするための儀式の準備をした。


動物をテイムするためには契約を結ぶ必要があるが、契約を結ぶ為にはテイムする動物が友好的で、尚且つテイムする側であるリーシアを受け入れてもらうことが必要であるという前提条件がある。

契約方法は、魔法か神法のどちらかでテイム用の契約陣を対象の下に張り、自分の親指等をナイフで少し切って血を出して「我が求めに応じ、我と共に行動し、我を助け支えよ」と詠唱して、対象が術者を受け入れてくれればテイムが完了する。

ただ、ここで注意が必要なのが魔法か神法によって契約できない対象がある。

今回テイムする狐は魔法と神法のどちらでも契約可能だが、テイムされる事を拒絶する個体が大半ということから契約を結ぶ難易度の高い動物とのことだった。

リーシアは手順に沿いながら狐をテイムした。

テイムは失敗し狐は逃げてしまった…。

逃げた狐の後を追いかけて行くと、森が開けた小さな丘に出た。

そこには沢山の全身白い狐がいた。

よく見ると殆どの狐の様子がおかしかった……




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