第16話 奈落の遺跡
リーシアを追っていたヴェルカ。
探している最中に道に迷い遭難してしまった。
そんな中、突如足元の地面が崩落し、奈落に落ちてしまう…
ヴェルカは奈落に落ちた時に地面に叩きつけられ、外傷はすり傷くらいで済んでいたが意識を失って倒れていた。
「いたた…。ここは…」
目を覚まし、あたりを見渡すが暗くてよく見えない…。
上を見てみると自分が落ちてきたはずの穴が見当たらない。穴から差しているであろう日の光すら見えなかった。
しばらくすると周りが段々と明るくなってきたことにヴェルカは気づいた。
そしてしばらくすると、ヴェルカの目の前に段々と明るくなる明かりに照らされた巨大なクリーム色の柱が、何本も外側に立っていて、その柱の内側に通路を挟んで白い壁で囲まれた建物が現れた…
また、周りには見える範囲の白い柱の建物以外の場所に無数の建物の瓦礫が山積していた。
それを見たヴェルカは
「な…なんだこれは…」
唖然とした表情で建物にふらつく足を抑えながら近づいていく。
近付いてから分かったが、建物の高さが30メートル程度あるようであった。
建物の中に正面から入ってみると、クリーム色の石の蛇や獣、人などの彫刻が左右に等間隔に6個置かれている広い廊下を通り抜けると、少し開けた空間に出てると、奥に上へ登る階段と、左右へ向かう通路とよくみると、奥に続く通路と、上に向かう階段の下に繋がる階段があった。
「先に1階部分に食べれる物がないか探してから上に行ってみよう」
そう言ってヴェルカはまずそのフロアを左から探索することにした。
左へと続く通路に入ると、少し進んだところで右に曲がり、古びた扉が並んだ場所にたどり着いた。
並んでいる扉を手前から開けていくことにしたヴェルカは左手前の扉を開ける。
すると扉の中の部屋は涼しく、少し薄暗かったので、ヴェルカは「スート」と自分の体が光る魔法をかけ部屋を明るくした。
部屋の中には棚がずらっと横や奥に何列も置かれていて、棚に缶詰のような物や野菜などの食材が置かれていた。
どうやら食糧庫のようだ。
棚に並べられた野菜はとても新鮮そうで、また小麦粉が入った麻袋も綺麗に並べられていたが、ヴェルカは調理器具をもっていなかったので缶詰を手に取り食べることにした。
手に取った缶詰を持っていたナイフで開けて中を見ると美味しそうなミートソースが入っていて、見た目や匂いに異常はなかった。
あぁ…神様が私の為に置いておいてくれたものなんだろうなぁ。ありがたい。
そう心で思いながら、食糧庫の中で座り、持っていたスプーンをカバンから取り出してミートソースを食べ始めた。
食べ始めてしばらくすると、扉の外が段々と暗くなっている事にヴェルカは気付いた。
あれ、なんか段々と暗くなってるなぁと思いながら缶詰の中身を食べ続けた。
スプーンでミートソースを掬おうと缶詰の中身を見てみると、無数の白いウジムシがウジャウジャと缶詰の中を埋め尽くしている。
それを見て無意識に手が震え始めた…。
そして、口の中に何かが這い回っているような感触を覚えた。
ヴェルカが口の中を確認すると、口の中も無数の白いウジムシがウヨウヨと這い回っていた事に気づく。
ヴェルカは発狂しながら口の中身を吐き捨てて、缶を投げ捨て、部屋から出ようと入り口までがむしゃらに走り始めた‼︎
部屋も次第に暗くなり、荒れ果てた風貌に変わり、ウジムシやハエなどが這い回り、先程と見る影も無くなった部屋は走りづらく、ヴェルカは入り口一歩手前で足が滑り転んでしまった。
そして転んで起き上がろうとした時に、上から黒い虫とウジムシと蜘蛛がかなりの数がヴェルカに向かって降りかかってきた。
ヴェルカは発狂しながら炎の魔法を使い、自分まで燃やしながら虫を焼き払う。
「くっそ熱い‼︎ この虫どもが、燃え尽きろ‼︎」
ヴェルカは虫が燃え尽きた所で自分に付いた火を水の魔法で消し、魔法で暗視状態にして部屋の外に荒れ果てたボロボロのドアを殴り飛ばしてなんとか出た。
外の通路になんとか出ると、蜘蛛の巣が天井や壁と壁の間などそこら中に張り巡らされ、ゴキブリや見たこともないような長い触覚を持つ黒光りしている気持ち悪い虫、ネズミ、イタチ、ガイコツ、包帯が全身に巻かれたミーラなどが徘徊していた。
ヴェルカは来た道を戻ろうと目の前に立ち塞がる魔物や虫達に「ファイヤボール‼︎」と炎の球を相手に向かって飛ばす火属性の魔法を放ち、焼却しながら前へと進もうとするが、魔物達の数に圧倒され、前に進むどころか押されてしまっていく。
よく見ると、来た道の反対側には魔物はほとんどいなかった事に気がついたヴェルカは、そちらに走って逃げた。
その後ろを魔物が追いかけられながら走ってしばらく進むと、重そうな黒ずんだ鉄の扉があった。
ヴェルカは自分に身体強化魔法を掛け、軽トラック並みに重い扉をこじ開け、自分が入った後扉を閉めた。
その部屋に魔物は居なかった。
そして部屋をよく見渡してみると、部屋の奥の方に、何か壁画の様な巨大な石版を見つけた。
近寄ってよく見ると、壁画には人型の様なものが描かれており、絵の下には文字が書いてあったが、所々傷付いていて読めない所があった。
読めるところだけを読んで見ると
“この世界に 6人の 絵 。
世界に最悪 破滅に導 たカ 、 をもたらす リリス、 で世界を癒し ナ、 創造した ヴェルカ、” あとは文字が消えていて読めなかった。
自分の名前が壁画に書いてあったヴェルカはびっくりしていると、前から足音が聞こえてきた…。
フォロー、ハートボタン、星マークを頂けますと制作の励みとなります。よろしくお願いしますm(_ _)m
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます