第14話 災難
セルカの紹介で、剣士のストラム、サポーターのイーナがそれぞれ仲間に加わる事になった………
「2人とも王都から少し離れたノルザという街にいるから、到着は多分4日かかると言ったところかな。それまで君たちはこの村の周りで魔物と戦って経験値稼ぎをして居るといいよ。それから……」セルカがガリア達にエレーナの病室の前で話している。
それを病室の崩れた壁の隙間からただエレーナは眺めて居ることしか出来なかった。
自分だけ除け者みたいになってるなぁ…
と心の隅で思いながら
「そういえば、ジャンはどうしてるかなぁ…」
そう呟き、エレーナはまたベットで眠りについた。
…………そのころのジャンは…………
ジャンは先のターシャ村で負ったかなりの負傷で本人に意識がない状態だった。
王都に運ばれている途中に降った雨の水音がうるさく感じてしまう程、籠で運ばれている時には静かだった。
運び込まれた王都の治療院のベットに寝かされていた。
こんなに酷い傷を負っていて生きているって凄い…。
けどちょっと生々しい傷だからあまり見ていられるものではないわね。
そう看護婦が思いながらジャンのベットのセッティングをしていると、そこに白衣を纏った金髪の人が歩いてきた。
看護婦はそれに気付き、その人に
『カール先生、ジャンさんのカルテです。』
と言いながら机に置いてあったジャンのカルテを手渡した。
「これは………。全身の骨が折れているのか…。上級骨折回復術のスーチナで治療しよう。」と医師が口ずさみ、治療を始める。
「スーチナ‼︎」と医師がジャンに回復術をかけた。
「先生‼︎ 患者の腕や脚がグニャグニャと触手のように曲がる様になってしまっています‼︎」
看護婦が驚きあたふたと慌てる‼︎
カール医師は後退りながら
「あはははは…。まぁ、骨折は治った様でよかった。それでは私は次の患者がいるので失礼するよ」と言い残しそそくさと逃げていった…
ジャンは意識が戻らない内に、カール医師のやらかしによって骨が無くなり、無くなった骨を再生させる為の治療を追加ですることになったことで、追加で2ヶ月の療養期間を送ることになった。
骨を再生させる為に薬での治療をすることとなった。
しかし、その骨を再生させる薬というのがカルの木の根を原料としているのだが、かなりの癖のある原料だった。
カルの木は山などに群生しており、土から掘り起こされると、高周波の高音を発して掘り起こした人を気絶させるというとんでもない物であったが為、そのせいであまり市場に量が流通しない。
しかもこの年の流通量が少ないとのことで、治療院はジャンの仲間であるヴェルカ達に調達の依頼をすることになった。
また、この件で、カール医師は1年の謹慎処分及び謹慎期間中の無給処分になったが、その後ちゃっかり治療院に侵入し、経理の書類を偽造して謹慎中も給料がもらえる様にしようとしたが、すぐに経理の職員にバレてクビになったとか…
そして、ジャンの意識が戻ったのは王都に運ばれてから2週間程経ってからのことになるのだった。
フォロー、ハートボタン、星マークを頂けますと制作の励みとなります。よろしくお願いしますm(_ _)m
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます