第7話「リベンジ、失敗!?」
『防火扉を縦にへし折る』。
ルールブックを読んだ時、
防火扉は、分厚い鉄製だ。重機でも使わない限り、どうにもならない。
つまり、5分以内に
実質、1ターンで21点以上差を付けられたら敗北確定なのだ。
「あーっはっは!何?
「うち、何もしてないんだけど!?やば!」
「ごめん、
俺が声を掛けようとした時、
「
「何してるの?防火扉は階段の近くでしょ?行くわよ」
そう言うと、
「ぷっ……ははは!」
「みんな!急いで見に行くぞ!
「きっと、お嬢様だから知らないんだろうな。防火扉が鉄製だって」
ギャラリーの1人が、そう話しながら化学室を出て行く。
違う。
けど、防火扉をへし折る?どうやって?
俺が階段の傍の防火扉へ着くと、多くのギャラリーに囲まれた
「遅いわよ、ナミキ。始めるわよ!」
彼女の目の前には、勝利を阻む壁のように立ち塞がる、分厚い鉄の防火扉があった。
「ぎゃははは!バッカじゃない!?ホントに真っ二つにできると思ってるの!?」
そんな
「始まりましたか」
ギャラリーの外から様子を眺める俺の隣に現れたのは、
「この
「彼女なら?」
「楽勝でしょうね」
メキメキメキッ!!
凄まじい音がしたと思えば、防火扉が真ん中から真っ二つに折れていた。
「ここだけの話ですが、彼女は世界初……身体の50%を機械で強化した、サイボーグ少女ですから」
その非現実的な光景に、俺達は口をあんぐり開けて、眺めるしかなかった。
「そういえば、あなた」
「随分と、からかってくれたわよね?」
「ひっ」
「私の力、もう一度、
「あ……助けて……」
「あなたの体を使って」
ミシッ。
失神したようだ。
「さ、続きやるわよ」
隣を見ると、
「化学室に戻るのは面倒だから、ここで続きやりましょ」
俺や
「やるって、ここで?何の道具も無いだろ、ここには」
「心配には及びません」
声のした方を振り向くと、
「ここで再開しましょう。正々堂々とした勝負を」
チッ、と
そうか。
前回も今回も、
だが、あの薄いテーブル。あれは
磁力のある物なら、あの薄い金属のテーブルに貼り付く。
サイコロを自前の磁石入りの物とすり替えれば、好きな目が出せる。
「クソッ!」
3、3、6、4、2。
最大でも、得点は6だ。
「さっきの見て、わかったでしょ?」
「私は何でも壊せるし、胃袋と皮膚を強化してるから、ゴキブリをかじってもムカデとキスしても平気。だから、普通の人なら死んじゃうような
背中を押す
サイコロを握る俺の手に、力が入る。
「私を殺すつもりで、高い出目のためだけに
俺は、力強くサイコロを投げた。
ここで、起死回生の出目を出す!
3、3、3、4、4。
あれー?
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