第3話「初勝利、失敗!」
「ヨット部は、部員数総勢500名。私はその部長、
メガネの男は、肩に乗せた小さいパンダのぬいぐるみを
「通常の『ヨット』のルールは、ご存じですか?」
「まあ、一応」
友達と、やったことがある。
プレイヤーはサイコロを5つ振り、出た目と選んだ役に応じた得点をゲット。
それを決められた回数だけ繰り返し、合計得点が高いプレイヤーの勝ち。
こんな感じだったはず。
「では、あとはパートナーを」
「パートナー?」
俺は首を
「ええ。『スレイヴ・ヨット』は、プレイヤーとパートナーのペアで挑みます。そして1ターンごとに、得点が低いペアのパートナーが
「
「
「ふーん」
「選べる
「そもそも、パートナーいるのか?」
もちろん、いない。
「
「嫌です」
「まだ何も言ってません」
「私をパートナーにしようってんでしょ?嫌ですよ」
「この女を貸し出してやってもいいぜ」
「安心しな。ゲーム中に『降参しろ』なんて
「命令?」
「……負けたペアは2人とも、勝ったペアの奴隷になる。奴隷は、主人の命令を必ず聞かなきゃならねえ」
「……そ、そっか……」
恐れるな、俺。もう手遅れだ。
「自分も奴隷にならねえよう、せいぜい頑張るんだな」
そう言い捨てると、
よろめきながら俺の
「あ、よろしく。えっと……」
「
「よ、よろしく、
「『スレイヴ・ヨット』に、振り直しはありません」
「1回振って出た5つの目に対し、役を決めます。役は
「まあ、聞くよりやった方が分かるだろ。さっさとダイスを振れ」
そう言って、
薄いテーブルの上で止まったサイコロの目は。
1、6、4、6、6。
それを見て、
「ほら、お前も投げろ」
「選んだ役はボードの用紙に記入し、同時に開示します」
相手の得点を確認してから自分の役を決めるのは、禁止ということか。
しかし、この目なら選ぶ役は『
3つの6が点になるから、得点は6×3=18点。
俺も、
6、3、1、5、5。
……最高点で、『
どうあがいても、
勝負の前にルールブックを見たが、選べる
『
一方、『
俺は用紙に『
役の開示。
俺:『
「はっ。やっぱり、それを選んだな」
「では
と、
「決めた、これだ」
10秒もせず、
「
3枚か。
俺なら余裕で食い切れるが、女の子だとどうだろう?
「食パンは、自前で用意しますか?ただし、
そう言うと、
そうか、パンの用意も含めて5分以内か。今から購買に走っても間に合わない。
「じゃあ、それで」
俺が答える。
「では、どうぞ」
彼女は、袋のパッケージをじっと見つめる。
「始めてください」
頑張ってくれ、
次のターンからは、相手より高得点を取ってみせる!
「降参します」
えっ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます