二話 勉強


ミヨちゃんは今、チュウガクセイらしい。

学校の勉強が大変だって、ボクによく喋ってる。


何とかしてあげないだけど、ボクにはミヨちゃんの勉強の内容が分からない。


でもミヨちゃんが困ってるなら、ボクが何とかしなくっちゃ

勉強なんて止めさせて、ボクと遊ばせなくちゃ!


「今、勉強中だよ。タロウ」


遊べ〜遊べ〜


ボクは沢山のおもちゃを持ってくる。

ミヨちゃんの座ってる椅子の近くにポトポト落とす。


チラチラ見ながら、ポトポト落とす。


「……も〜、タロウ、ちょっとだけだよ」


ミヨちゃんは椅子から立ち上がって、おもちゃを拾った。


やった!ボクの作戦勝ちだ!


ボクとミヨちゃんは遊んだ。

おもちゃを投げられてそれを取ってきたり、引っ張り合いっこしたり。


しばらくしたらミヨちゃんはまた机に戻った。


やめるな〜やめるな〜


そう思ってまたポトポト落としてると、ママがミヨちゃんのお部屋に来て言った。


「タロウ、ミヨの邪魔しちゃダメでしょ」


ママがボクを抱えて、ミヨちゃんにバイバーイってさせる。


ヤダヤダ!出てかない!


でもボクはママに抵抗出来ないから、あっさりと部屋から出ていってしまった。


扉の外に置かれて、ボクはカリカリ扉でアピールする。


入れて〜入れて〜


そしたらママがボクを抱えて、今度はおっきな窓がある部屋に戻されちゃった。

ご飯の時間?って思ったけど違うみたい。


どうやらボクは……ミヨちゃんと……もう会えないみたいだ……


ボクは項垂れて、寝そべる。

おっきな窓からポカポカが入ってきて、ボクの体を暖かくする。


そしてボクは眠っちゃう。暖かいからスヤスヤ眠っちゃう。お昼寝だ。


スヤスヤ眠るボクは、夢を見た。


ボクと同じ姿になったミヨちゃんがいて、ボクと遊ぶ夢。


急に姿が変わったミヨちゃんはビックリして泣き出しちゃうから、ボクが涙を舐めとって、この姿の色々を教えてあげるんだ。


挨拶の方法。

4足で歩くボクみたいな見た目の生き物で、怖いのが居たらどうするか。

ご飯は待ての後に食べる!とか。


ボクとミヨちゃんはかけっこしたり、冒険したり、楽しいことをいっぱいした。


ミヨちゃんはボクが守ってあげるから大丈夫!って言うと、ミヨちゃんは嬉しそうな顔をした。


ミヨちゃんはボクが守ってあげるからね。

怖いやつになんか負けないからね。


ボクが守ってあげるんだから…………


目が覚めると、そこには本物のミヨちゃんが居た。

寝る時の格好をしているから、もうおやすみの時間なんだ。


「タロウ、寝るよ」


もう、ミヨちゃんはボクがいない眠れないんだから。


「タロウは私とじゃないと寝ないんだから、もう。」


ベッドに入ると、ミヨちゃんはスヤスヤ眠った。

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