ボクとミヨちゃんの二十年

お好み焼きごはん

一話 特訓

ボクのなまえはタロウ


タロウって呼ばれてるからタロウ。

なまえ?はよく分からないけど、タロウだよ。


「ただいまー!」


この子はミヨちゃん。

ボクよりちょっとだけおっきくて、なんか毛の少ない、ママとパパが大事にしてる女の子で、ボクの子分。


「タロウ!聞いてよ〜」


ミヨちゃんおかえり!

そう思ってボクは挨拶する。

威厳と大好きだよ!って気持ちを込めて、挨拶をする。


「今日ね、体育があってね。かけっこしたんだけど、2位だったの!悔しい〜」


ミヨちゃんやパパとママは、何故か足を二本だけしか使わないで、歩いたり走ったりする。


だから遅いんだ。

ボクみたいに四本全部で走れば、ボクくらい早くなれるよ!


「私もタロウくらい速く走れたらなぁ……」


そう言われてボクはピンとくる。

おしりに着いてる長いのもピンと伸びてくる。


それなら、お散歩に行こう!

ボクが走り方教えてあげるから、着いてきて!


ボクはミヨちゃんに、壁にブラブラ着いてたリードを渡す。


これを使って、ボクはお散歩の時はパパとママと、ミヨちゃんを引っ張ってるんだ。


「え〜疲れてるんだけど……うっ、分かった!行くよ行く!ママ!タロウ散歩させてきていい!?」


ミヨちゃんが、ママの居るお部屋に行った。


お部屋には誰もいなくなった。

ボクとおもちゃだけ。


しょうがないから、ボクは寝そべって窓の外を見る。


このお家で一番おっきな窓だ。

ヒラヒラの布が退いてくれてるから、外がいっぱい見える。


空から降ってくる光は太陽って言うんだって。

それがお庭を照らしてるから、よく見える。


ドッグランと同じ、ちょっと硬い芝生が太陽の光で輝いてる。

朝に雨が降ると、何故か余計キラキラしてみえるから、ボクは朝が好きだ。


ボクは色?が分からないけど、ボクには十分キラキラしてる。


「タロウ!行こ〜」


ミヨちゃんがお部屋に戻ってきて、ボクにリードを付ける。


お散歩だ!やった!


……じゃなくて、特訓だ!


ボクはミヨちゃんとお散歩に出かけた。

ビシバシ特訓したミヨちゃんは、ヘロヘロだったけど、顔はなんだかスッキリしてた。


ボクはミヨちゃんのお隣でお昼寝をした。

ボクが居ないと、ミヨちゃんはお昼寝が出来ないんだから、しょうがないなぁ。

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