グローリー・オブ・グラッシーズ

灰崎千尋

眼鏡を買いに

 温かな昼下がり。取り急ぎ目立った懸念事項も無く、主の岬ケイブ・オブ・ロードへの定期報告を終えた情報屋は、鼻唄混じりに束の間の平穏を謳歌していた、はずなのだが。


「キツネさん、ちょっと」


 彼を呼び止めたのはシスター・チヒロ。その声音はいやに張り詰めていた。

 組織の依頼以外に、個人的な厄介事を頼まれることも珍しくはない。あんまり面倒で無いと良いなぁ、などと考えつつ、キツネは呼ばれるまま屋敷の裏手へ回る。

 と突然、キツネの頭のすぐ横に勢い良く両腕が伸びてきた。これは、いわゆる、壁ドン。


「キツネさん、この組織に足りないものは何だと思いますか?」


 ゆらり、とシスターの影が動く。陽光がレンズに反射してその表情は見えない。


「え、えーと、シスター? いったいどうしたn」

「何だと、思いますか?」


 彼女の問いにちゃんと答えなければ自分の身が危ない、という気配をキツネは悟った。脂汗をかきながら頭をフル回転させる。資金、は確か色々と手を回して今は問題無いはず。人材、もなんだかんだで増えている。人格的にはともかく戦力は充分だ。戦力……嗚呼、シスターは確か重火器を扱うのだったか。


「だ、弾薬、とか?」


 キツネが絞り出した答えを、シスターの心底不満気な溜め息がかき消した。ごくりと唾を飲んだキツネの股の間に、修道服の裾がはだけるのも構わずシスターの爪先が飛んでくる。


「眼鏡ですわ」


 キツネは自分の耳を疑った。小さな噂も聞き逃さない自慢の耳を、この時ばかりは信用できなかった。


「此処には眼鏡が、圧倒的に足りませんの……!」


 シスターは慟哭した。

 キツネのぽかんと呆けた顔も見えているのかいないのか、彼女は早口にまくし立てる。


「顔だけはそこそこ整った人間がこれだけ揃っていながら、なぜ一人も眼鏡をかけていないのです!? おかしいでしょう! 眼鏡に愛された顔をしていながらなんて勿体ない。だいたいあの人たちときたら、放っておくととんでもないものを適当に口に入れてしまうし、面倒ごとばかり持ち込んでくるくせに後始末は人任せ。私がこれまでどれだけ胃を痛めてきたことか……」


 滅茶苦茶である。

 前半は何を言っているのだかさっぱりだし、後半は完全にとばっちりだし、自分が何故この状況に置かれているのかキツネはわからないままだった。

 主の岬ケイブ・オブ・ロードの色々と常識外れな面々の中で、シスターは比較的まともな方だとキツネは考えていたのだが、その評価を改める必要がありそうである。


「いやーお疲れなんですねぇ……」

「そうです限界です。此処に眼鏡男子が一人でもいれば心安らぐというのに。いない。いないのです。だから───」


 噛み合わない話に混乱するキツネの顔に、シスターの顔がぐっと近付いて囁いた。


「あなたに眼鏡をかけてもらうことにしましたの」






 その翌日、キツネは繁華街の広場に向かっていた。シスター・チヒロとの待ち合わせ場所である。

「いやどういう理屈!?」「なんでオイラ!?」「別に目悪くないんだけど!?」という疑問や抵抗はシスターに笑顔で黙殺され、一方的に時間と場所を告げられたのだが、キツネにはこれを無視する度胸は無かった。

 予定よりも早めに着いたはずだったが、広場には既に彼女の姿があった。

 いつもの修道服ではなくチェック柄の巻きスカートを履き、少し低めの位置からポニーテールを垂らし、広場に鎮座する犬の像よりも真っ直ぐに彼女は立っていた。昨日の鬼気迫る表情が嘘のように落ち着いた様子で、今は手元の本に目を落としていた。

 キツネはホッと胸をなでおろし、シスターに歩み寄る。


「えっと、お待たせしました」


 呼びかけに顔を上げたシスターは、好物を前にした子供のように無邪気な微笑みを浮かべた。


「では早速参りましょうか、時間が惜しいですからね、うふふ」


 シスターはキツネの二の腕を掴むと、上機嫌で歩き出した。女慣れしていないキツネは一瞬どきりとしたものの、がっしりと掴まれて結構な力で引っ張られているもので、デートというよりは連行だな、と心の中で呟いた。

 目抜き通りから一本裏へ入っただけで、人通りは半減する。少し陰になったその道をずんずんと進んでいくと、眼鏡が描かれた看板が見えてきた。


「まずはこちらですわ。さぁ入って」

「え、あの」


“まず”とは?、と尋ねる間もなく、キツネは扉の中に押し込まれた。

 店内は当然ながら眼鏡だらけである。テーブルの一面に、壁際の棚に、たくさんの眼鏡が整然と並べられている。キツネは目が良い方で、眼鏡屋にはこれまで全く縁が無かった。ずらりと飾られた眼鏡に圧倒されると共に、これを全部合わせたら幾らになるのだろうと、考えずにはいられなかった。

 そうしてキョロキョロと視線をさまよわせていたキツネの顎を、シスターはむんずと掴んだ。


「動かないで」


 まるでキスでもしそうな距離。しかしキツネを見つめるシスターの目は、標的の眉間に狙いを定めるスナイパーのように鋭い。

 ヒュッと息を呑むキツネをよそに、彼女は時折首を傾げながら、ぶつぶつと呟いている。


「丸みはあるけれど輪郭は菱形に近い、鼻は小さめ、高さもあまり無い、目の幅は割とある、眉はやや角度つき……」


 掴んだときと同様に、突然パッとキツネの顔から手を離すと、シスターは店内を物色し、やがて一本の眼鏡を手に取った。


「どうぞ、かけて」


 有無を言わさぬ勢いに圧されるまま、キツネは差し出された眼鏡をかけてみる。


「ど、どうでしょう?」

「鏡を見てからおっしゃい」


 キツネは姿見の前まで引っ張られて行った。

 サングラスくらいはかけたことがあった。しかしあまり似合っているとは思えなかったし、こうした伊達眼鏡は経験が無い。鏡の中の自分にもなんだか違和感がある。いやーやっぱりご期待には沿えなかったみたいで、と振り返ろうとしたのをまたシスターの手に止められる。


「街中でもよく見るのですけれど、眼鏡のかけ位置はもっと上です」


 そう言って、シスターはキツネの眼鏡をぐい、と押し上げた。そうすると先程よりも、違和感が減ったようにも思えた。


「良いですかキツネさん。似合う眼鏡を選ぶポイントは色々とありますけれど、一つは眉の形に沿うフレームを選ぶこと。こちらのボストンは上に少し角度がついていて、あなたの眉にも馴染んでいるでしょう。そしてもう一つは、サイズ感。レンズの中心に瞳がくるものが最適です。少しなら内側に寄っても良いのですが、これは外に寄っていますわね。ということは、もう少し大きいもの……」


 シスターはキツネが試着した眼鏡をすっと外して、また別の眼鏡をかけさせる。

 おっ、と思わずキツネは声をあげた。焦げ茶色のウェリントン型。自分で言うのもなんだが、なかなか悪くない。


「やはり、あなたは目幅が広めなのですね。これくらいの大きさの方がこうしてよく馴染むでしょう」

「へぇ、確かに」


 キツネはまじまじと鏡を覗き込む。その様子を、シスターは満足げににこにこと眺めていた。その表情に、キツネも気が緩んでへらりと笑った。


「やー、オイラって眼鏡もいけちゃうタイプなんだなぁ。てっきりオイラなんかには似合わないもんだとばっかり……」

「あのね、キツネさん」


 気付いたときには遅かった。キツネは何か、禁句を言ってしまったらしかった。シスターは、壁ドンされたあの日と同じ、恐ろしいほどの気迫でこう言った。


「眼鏡の似合わない人なんて、いません」


 ずずい、と一歩踏み出したシスターは、大演説をするように両腕を大きく広げた。


「ご覧なさい、此処にはこんなにもたくさんの眼鏡がある。けれどこれも、この世に存在する眼鏡のうちの極一部に過ぎません。眼鏡が似合わないと思っている人は、まだ似合う眼鏡がわかっていないか、出会っていないだけ。信じるのです、眼鏡の力を。あなたの魅力を引き出す眼鏡は必ず在る。眼鏡の似合わない人なんていない。これだけは必ず覚えてください。良いですね。」


 いつの間にか店の奥から現れた女主人が、ウンウンと頷きながら小さく拍手までしている。

 キツネは「アッハイ」と答えることしかできなかった。




「先程のウェリントンはセルフレームで濃い色味ですけれど、全体的に細身でしょう? これは大人っぽく、クラシカルな印象を与えやすい」


 姿見の前に立たされたままのキツネの顔に、今度は銀縁の眼鏡が乗せられる。


「これは同じウェリントンですけれど、細身のメタルフレームは最もフォーマルですから、あなたの印象や服装からは浮き過ぎる。スーツなど着る方には似合いますわね」


 確かに、その銀縁眼鏡はいかにもお堅い仕事という感じがして、鏡を見ているだけなのに居心地が悪い。


「対してこれは、太めのセルフレームですが色は透け感のあるベージュ。素材と大きさはカジュアルですが、サイズの割に眼鏡の印象は強くないはず」


 言われた通りだとは思う。眼鏡ひとつで顔の印象はかなり変わるのを、キツネは実感していた。とはいえ、これをかける機会が果たしてあるだろうかと、ぼんやり考える。


「以前、ジュージ・ヨルムンガンドにも、眼鏡を見立てましたの」


と、シスターはぽつりと言った。


「憎らしくなるほど眼鏡に愛された顔ですから、絶対にかけさせようと思っていましたわ。だから納得する一本が選べて本当に良かったのだけど……あの人が眼鏡をかけたところを見たことがあって?」

「……ないね」

「ないの。かけないの。全く、あれは世界の損失です。だから今度また、眼鏡執事喫茶をさせる計画をお嬢様がたと一緒に立てているのですけれど」


 恐ろしい計画の一端を知ってしまった気はするが、シスターの本題はそれでは無いようだった。


「あなたにはね、ちゃんとかけてもらわなくては、と思って」

「うーん、でもオイラも目はいいからさぁ……」


 苦笑いするキツネに、「そう言うと思って、今回は私も考えましたの」とシスターは続ける。


「情報屋なんですから、変装することもあるでしょう。そういう時にお使いなさい。普段眼鏡をかけない人間がかけていたら、それだけでたいていの人間を誤魔化せるもの。でもその為には、眼鏡が悪目立ちしないよう似合った眼鏡でなければいけません。今回はそういったバランスの眼鏡を探しましょうね」


 この時もやはり、キツネに拒否権は無かった。


 それからその店で、キツネは何本もの眼鏡をかけさせられ、そのたびにシスターの論評を受け、それを聞いた店員がそっと新たな眼鏡を差し出し、というやり取りを何度か繰り返した。そうしてひと通りは試したとみたシスターは「ありがとうございました」とにこやかにお辞儀をして、何も買わずに出て行った。キツネも慌てて後を付いていく。


「シスターも、ひやかしなんてするんだね。まぁこれで満足してくれたんならいいけど」


 店を出たキツネがそう言うと、シスターは不思議そうに首をかしげる。


「何を言っているんです? 次の店に行くのですよ」

「……次?」

「ええ。情報屋のキツネさん、この街には眼鏡屋がいくつあるかご存知?」

「確か、七つ」

「そうです。そのうち、私が見るべきだと思っている店が五つ。それを全て回ります。そこで選び抜いた一本をあなたに差し上げますから、しばらくかけて過ごしてください。それでやっと満足できるというものです」


 その宣言の通り、シスターはキツネを連れて眼鏡屋を巡った。最初の店と同じように、あらゆる眼鏡をかけては外し、かけては外し。昼過ぎに待ち合わせて、五店すべてを見終えた頃には午後四時になろうとしていた。


「検討会議をいたしましょう」と、シスターは喫茶店に入っていった。キツネもよろよろと着いて入る。こんなに歩き回るとは思っていなかったし、確かに喉も乾いていた。注文をとりにきた喫茶店の店主の顔を見ると、彼もまたグレイヘアに銀縁眼鏡の老紳士だったもので、思わずキツネは天を仰いだ。

 アイスのカフェオレはまったりとしてミルクが濃く、キツネの喉を優しく潤してくれた。シスターはブレンドコーヒーの琥珀色の水面をふうっと吹いてから少し啜り、「さて」と口を開いた。


「特に気に入ったものはありまして?」

「いやもう、正直もう覚えてらんないっていうか」


 どれでも良いから決めてくれ、というのがキツネの本音だったが、言えるわけがなかった。


「一応、書き留めてはありますの。一軒目ならオリーブ色のオーバル。でも少し丸過ぎるかしら。二軒目は鼈甲柄のボストン。とても似合っていたけれど、もう少し縦が短い方が良い気もします。三軒目は、ちょっとあなたの雰囲気とは違いましたわね。四軒目は黒のクラウンパント。形はすごく良い、けど黒は主張が強過ぎてどうかしら。五軒目は紺色のウェリントン。私はあれ好きです。ササ柄の透け感が綺麗で」


 仕事柄、自分の記憶力は良い方だと思っていたが、キツネでもそこまで細かく覚えてはいられなかった。メモがあるとは言え、他人の眼鏡のためによくぞここまでエネルギーを使えるものだ、と感心する。


「うーん、オイラもうわかんないので、専門家にお任せします……」

「あら、専門家なんかじゃありませんわ。ただの眼鏡好き。でも、そうね、私が選ぶなら……」


 そう言って、シスターはまたキツネの顔をじっと見る。キツネは、こんなに長い時間をシスターと二人で過ごしたことは無かったし、正面からこんなに熱心に見つめられたことなどもちろん無い。しかしそのどちらにも、今日一日で慣れてしまった。最初はそりゃあもうどぎまぎしたが、これはキツネの顔というより、キツネの顔に乗った眼鏡を見ているのだということに気づいてからは平気だった。


「やはり、最後のウェリントンかしら。そうね。うん、ベストだと思うわ。」


 決心したように、シスターはがたりと立ち上がる。


「行きましょうキツネさん、あの店は日暮れまでに閉まってしまうの。マスター、お会計を」


 シスターはいそいそとカウンターに向かっていった。

「良い眼鏡は見つかりましたかな?」とマスターに尋ねられたシスターが、「ええ、うふふ、この辺りは本当に品揃えが良くて。んふふふ」と蕩けた顔をしていたのは、見なかったことにしようとキツネは思った。





 目当ての眼鏡屋は、喫茶店から比較的近いのもキツネにとってはありがたかった。

 細い路地を抜けて坂道を上っていった先に、その店はあった。大通りの喧騒は遠く、店よりも工房が多い区域である。古い木製の扉に、鋳物でできた眼鏡型のノッカーがついており、それを鳴らすと店主が迎えてくれる仕組みだった。


「お帰りなさいませ」

「どうも、先程ぶりです」


 ほっそりとした眼鏡の男性とシスターがにこやかに言葉を交わす。


「戻っていらっしゃる気がしていました。とてもお似合いでしたから」

「ですって、キツネさん」


 シスターはキツネ自身よりも嬉しそうである。店主は目当ての眼鏡をさっと拭いて、キツネの前に置いた。


「えっと、もう一回かけたらいいの?」

「ええ。これを自分の眼鏡にするのだという覚悟を決めていただかないと」

「大げさ過ぎない!?」


 戸惑いながらも、眼鏡をかける。

 セルフレームのウェリントン。フレームの上部は目尻にかけて上向きに角度がついていて、キツネの眉にぴたりと沿う。横幅はしっかりとあり、レンズの中心に瞳が収まる。青みの強い紺色。全体的に少し太めだが、ササ柄というまだら模様が入って、少し肌が透けるのが軽やかに見える。

 確かに、キツネ自身にもしっくりくる一本だった。


「うん、やっぱり良いわね……決めてよろしい?」

「えっと、はい。でもこれ本当にシスターが買ってくれるの? 後から請求されても困るんだけど」

「私の精神衛生のためですから。その代わりちゃんと、しっかり、かけてくださいね。眼鏡は道具ですもの。使ってこそですわ」


 シスターは今日一番の笑顔でそう言った。


「圧がすごいんだよなぁ」と呟きながらキツネが眼鏡を外そうとすると、「あ、そのままで」と、シスターと店主と両方に静止された。


「なに、え、もう眼鏡を外しちゃいけない呪い?」

「そんなものがあれば世界中に私がかけていますよ。違います。調整するんです」


 さらりと恐ろしいことを言ったシスターはさておき、店主の方も静かにうなずいた。


「そのままですと、まだお顔の左右差に合っておりませんし、下にずり落ちてきたりしやすいので、テンプルの角度などでフィット感を上げるのです。眼鏡は調整をしてやっと完成品と言っても過言ではありません」

「へぇ……」


 さらりと会計が済まされ、眼鏡をかけたキツネは改めて鏡の前に座らされた。店主の長い指が顔に伸びてきて、医者が触診するように耳や側頭部に触れ、眼鏡の角度を変えていく。それを繰り返すたびに、眼鏡のかけ心地が良くなるのが、キツネにもわかった。ほとんど初めての眼鏡なので違和感はあるが、最終的には頭を左右にぶんぶん振ってもさほどずれないほどに安定した。

 眼鏡のある視界をきょろきょろと試すキツネを、シスターはこの上なく幸せそうな目で眺めていた。


「伊達眼鏡の唯一良いところは、買ってすぐかけて帰れるところですわね……」

「ふふ、わかります。ハイザキ様の眼鏡も調整していかれますか?」

「ええ、お願いします」


 キツネの眼鏡の調整が終わると、シスターの眼鏡も調整が始まった。

 眼鏡を外されたシスターは、見づらそうに目を少し細めて、しかしまだキツネの眼鏡姿をにこにこと見ている。その鼻の付け根には眼鏡が乗っていた跡がほんのりと赤く残っていた。彼女のそんな顔を見たのは初めてだったので、キツネは一瞬「眼鏡女子、ちょっと良いかも」と眼鏡萌えが芽生えそうになるなどした。




 長い一日だった。

 一応、キツネはシスターをバス停まで送っていったのだが、その間彼女の視線はずっとキツネの顔面に向いていて、にこにこ、と、にやにや、の表情を行ったり来たりしていた。錯乱したシスターはかなり恐ろしかったので、これで満足してくれるなら良いか、とキツネは色々と諦めた。それに、自分から欲しがったものでは無いとはいえプレゼントみたいなものだし、自分のものが増えるというのは、なかなか気分が良い。


「できればずっと眼鏡をかけていてほしいけれど、せめて私と会うときはかけていなさいね」


 そう別れ際に念押しされた、一ヶ月ほど後。

 キツネはジュージ・ヨルムンガンドと共に眼鏡執事をさせられることになるのだったが、この時はまだ自らが巻き込まれるとは微塵も思っていなかったのだった。

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グローリー・オブ・グラッシーズ 灰崎千尋 @chat_gris

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