第5話 きれいな花
今日は花ちゃんとのデートの日。優ちゃん、硬ちゃん、花ちゃんって来て3回目のデートだ。少しデートに慣れてきたかもしれない。それに、背が小さくていつもふわふわしているかわいい花ちゃんだ。あまり緊張はしていないかも。
あ、来た!
「あいちゃーん!花だよ花だよ!」
「うん、行こっか!」
こうして私の3回目のデートが始まった。
「みてー!かわいい!うさぎさん!」
「ほんとだ、かわいいね~」
今回は動物園に来た。花ちゃんは動物が大好きだし、楽しんでいるようで良かった。
花ちゃんがうさぎを抱っこしている。うさぎのふわふわと花ちゃんのふわふわでとっても可愛いことになっているぞ。
すると、2人の男の人がこちらに寄ってきた。
「ねえねえ君、超かわいくない?ちょっと俺らと遊ぼうよ。」
うわー!花ちゃんナンパされてる!かわいいもんね、すごいな~。
「うーん、うーん、でもね、でもね、花達ね、今デート中だからね、だめ!ごめんね!」
そっか、今デートだ!普通に花ちゃんと遊んでる気になってた!
「ん?デート?なにそれ、女の子達で?面白いねー流行ってるの?」
あ、この男の人達、冗談だと思ってる。どうしよう、こういう人達苦手なんだよな。
すると花ちゃんは抱えていたうさぎを地面に下ろして私の手を握った。
「愛ちゃん、行こ。」
花ちゃんの手は震えている。怖いんだろうな。私も怖い。
「うん、花ちゃん行こっか。」
花ちゃんと手を繋いだら少し心が安心した。
「えーお姉さん達行っちゃうのー」
「ばいばーい!ごめんね!」
こんなときでも花ちゃんは明るく振る舞っている。花ちゃんはすごいや。
「あの男の人達、しつこく追ってこなくて良かったね。」
あの人達から離れた場所まで来ることが出来た。
「花ちゃん?花ちゃん大丈夫?」
花ちゃんはうつむいている。すると涙がポタポタと流れてきた。
「うわ~~ん!!!」
よっぽど怖かったんだろうな。
「よしよし怖くないよ~」
私が花ちゃんを慰めると、花ちゃんは首を横に降った。
「ちがうの~!あの人達に、ちゃんとデートしてるって、言えなかった自分が、いやなの!」
そのことか。あの人達、本気にしてなかったもんね。
私は花ちゃんを、大丈夫だよ大丈夫だよと慰めた。
すると花ちゃんは泣き止んで、またうつむいた。
そして、「デートだもん」と言うと私の口にキスをした。
「ちゅーくらいできるもん。デートなんだもん。」
そして花ちゃんは少しすねたように動物のいる方へ向かった。
私は花ちゃんを追いかけることができないくらい呆然としていた。
そしたら花ちゃんは私の方を振り向いて手を繋ぎ、行こうと言った。その顔は、いつものかわいい花ちゃんに戻っていた。
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