第4話 かわいい女の子
先週の土曜日は優ちゃんとデート。
そして今日は...硬ちゃんとデート!
一週間経つのって本当に早い。どうしよう、また緊張してきた。硬ちゃんと二人で出かけるのって初めてだし、どんな感じで遊ぶんだろう。今日はショッピングじゃなくて水族館なんだよね。うわー!緊張する!
「あいちゃーん!」
来た!うわー!かっこいい服装!よく似合ってるな~。
「お待たせ、行こう。」
「う、うん。」
なんか目が見づらい。私服は見慣れてるはずなのに、ドキドキしてきた。なんでだ!友達なのにー!
水族館に入ると、硬ちゃんは手を繋ごうと言った。
「私手汗すごいから止めた方が良いよ!」
そう言ったのに、硬ちゃんはそんなの気にしないと手を繋いでくる。ますますドキドキしてきた。ショートヘアーの似合う硬ちゃん。服装もあってか、なんだか王子様に見えてきた。
手を繋いでからドキドキしすぎて、魚を見ることに集中できない。
「ねえ、あの魚綺麗だね。」
そう言われて顔を上げたら、硬ちゃんと目が合った。
きれいなかおー。魚より硬ちゃんの顔の方が綺麗だ。
なんてつい言ってしまって、訂正しようと再び硬ちゃんの顔を見ると、顔を真っ赤にしてこちらを見ていた。ちょっとかわいいかも、なんて思ってしまった。
「お揃いのなんか買おうよ!」
お土産コーナーで硬ちゃんにそう言われた。先週買ったお揃いのイヤリングを優ちゃんに自慢されて悔しかったらしい。
「いいよ。このネックレスどう?」
「うわー、かわいい!これにしよ!」
無邪気にはしゃぐ硬ちゃん。普段はかっこいいなって思ってたけど、なんだか今日はかわいい硬ちゃんがたくさん見れた。二人きりだとこんな感じなんだ。
二人でネックレスを買って店を出る。
「愛ちゃん、ネックレスつけてあげる。」
「ほんと?じゃあ私は硬ちゃんにつけてあげるね。」
二人でネックレスをつけ合う。すると硬ちゃんは後ろから私の首にキスをした。
「え!?何!?」
びっくりして後ろを振り向くと、また顔を真っ赤にしていた。
「デートだし...つい...」
そう言うと硬ちゃんはうつむいた。
二人で顔を赤くする。硬ちゃんって普段すごくかっこいいけど、かわいい女の子なんだ。そう思った。
その後は水族館を出て電車に乗って、家にそれぞれ帰った。お揃いのネックレスを身につけて。
私はネックレスを見るたびに思い出していた。
首にキスされたこと。赤い顔の硬ちゃん。
思い出すたびにドキドキした。
私は気づいていなかった。
友達だと思っている人のあのかわいい顔を、また見たいと思っていることに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます