第3話 初デート

ついにこの日が来てしまった。優ちゃんとのデート!!!少し緊張する!

今まで遊んだことはたくさんあったけど、『デート』って名前で出かけるのは初めてだなー。だって友達なんだもん!私は友達だって思ってるんだもん...。

まあ、いいや。楽しく出かければいいんだ!デートだと意識する必要はない!

「優ちゃん、おまたせー!」

駅前で待っている優ちゃんに手を振った。

すると優ちゃんは嬉しそうな顔をして手を振り返してくれた。

「今日はショッピングしよ!欲しいアクセサリーがあるんだ~」

そうだ、楽しめばいい。意識することない!

すると優ちゃんは私の顔をじっと見つめてこう言った。

「緊張してる?」

バレた!

「だって愛ちゃん、変に元気なんだもん。そんなところも可愛いね。」

しかも可愛いって言われた!もー!凄いデート感ある!やだ!

「い、い、行こ!」

私はそう言って優ちゃんの手をつかんで歩きだした。


「かわいい!見て、このイヤリング!」

ショッピングをしてみると緊張が少しほぐれた。

今は二人して目の前のアクセサリーに夢中である。

「ほんとだ~、愛ちゃんに似合いそう。買ってあげようか?」

「なんで?自分で買うからいいよ?」

すると優ちゃんは少しうつむいてぼそぼそと話し始めた。

「だって、今日はデートだし、何かプレゼントとかしてみたいし。それに、私があげたものをつけてる愛ちゃんを見てみたいし。」

え?

やだ、ちょっとドキッとした。

「なら、お言葉に甘えようかな。でもね優ちゃん。」

私はそう言いながら隣にあるイヤリングを手に取った。

「ほら!お揃い!優ちゃんが私にプレゼントしてくれるなら、私も優ちゃんにプレゼントする!」

すると優ちゃんは顔を真っ赤にしてニコニコと笑った。


「じゃあ、またねー!」

「うん、またね。」

帰る時間だ。私と優ちゃんで手を振りあった。

今日は楽しかった。お揃いのイヤリングも買えたし。

「ねえ愛ちゃん!」

振り返ると、少し離れたところから優ちゃんが私を呼んでいた。

「また、一緒に出かけようね!」

顔は少し赤くなっている。そして、少し寂しそうな顔をしていた。

「うん!また出かけようね!」

私がそう言うと安心したような顔をして、優ちゃんは手を振った。今までそんなふうに別れ際寂しそうにしたことはないのに。珍しいな。もしかして今までずっと、心の中では寂しかったのかな。

そう思うとなんだか少し可愛く思えた。






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