第13話 つまらないな、そして詰むかも知れない。

結局、俺たちは教会を頼りにしながら旅を続ける事にした。


『しかしつまらないな…』


教会の協力で確かに、清潔な生活が出来るようになった。


教会に立ち寄れば、清潔な服を用意して貰え、汚れた衣類も預ければ洗って貰えるし、食事も遅い時間でも用意して貰える。


たが「今日も一日女神に祈りを捧げましょう」


都度、女神への祈りをしなければならない。


それに出てくる食事に肉は少ない。


スープの中に僅かに入っていれば良い方だ。


お風呂も勇者と三職だから入る順番は最初だが、あと待たれている状態じゃゆっくりつかれない。


確かにベッドは綺麗で清潔だが、硬くて痛い。


書類作業も口頭で伝えれば、そのまま書面にして報告して貰える。


かなり時間的には自由が増え楽にはなった。


楽にはなったが『それだけだ』そこには何の楽しみも無い。


何でこんな事になった。


セレスが居た時には、沢山の楽しいことがあった。


本当の意味で毎日が楽しかったな。


「ゼクト、凄く言いにくいが、弱くなったんじゃないか?」


「リダ、お前もだろう」


「ああっ…」


マリアとメルは何も言わない。


本当に弱くなったわけじゃ無い。


個々の実力は僅かだが上がった。


マリアとメルは新しい呪文を覚えているし、俺やリダも技に磨きが掛かった。


だが、それでも断言できる。


『今の俺たちは弱くなった』


事実、リダはオークナイト相手に苦戦する。


ワイバーンすら倒したそのリダからは考えられない。


何かが違う、違和感がある。


実力は増した筈だ。


それなのに、何故か自分達は弱くなった。


そう実感した。


今はボロが出ていない。


どうにか戦えている。


だがいつか、これが問題になる筈だ。


強くなったはずの俺達が前以上に苦戦する。


セレスが抜けてから、連携がうまく取れていない。


恐らくはそのせいだ…


このままじゃきっと、魔王はおろか四天王にすら敗北する未来しか見えない。


早急にどうにかしないとこのパーティは詰んでしまう。


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