7 楽しいステ振り
ラモ・フォゼット改め、大賢者ライオット・リードロットの詰問を乗り越えた俺は、安寧の時を満喫していた。つまるところ、暗闇の自室のベッドの上で、自身のステータスとにらめっこしているのだ。ライオットの助言に従い、隠蔽は職業以外はもうしていない。
結局、魔法【隠蔽】を習得した意味がなくなってしまったが、まぁ仕方のないことなので気にしないことにした。
やはり、各素質値を上げるのはまだいいか。素質値とはステータスの中で、【体力】から【幸運】までの8項目のことだが、今はレベルも低いし、レベルが上がりやすいはずだから、素質値も均等に程よく成長していくと思う。だが、【魔力】は今のうちから欲しいかもしれない。
うーん。悩むな。今のところは素質値に1ポイントも投資していない。【知恵の樹】と【技能の樹】のツリーは解放すると新たな上位スキルが派生していく感じだった。では、素質値を上げる【生命の樹】の場合はどうなるのだろうか。俺はそこが気になっていた。
ツリーポイント12p
【生命の樹】
1体力+3(未解放︙解放1p)
1魔力+3(未解放︙解放1p)
1攻撃力+1(未解放︙解放1p)
1防御力+1(未解放︙解放1p)
1知力+1(未解放︙解放1p)
1精神力+1(未解放︙解放1p)
1敏捷性+1(未解放︙解放1p)
1幸運+1(未解放︙解放1p)
1その他(未解放︙解放1p)
俺は【生命の樹】と向き合う。
正直初戦闘のコロンは魔法【ライトニング・スフィア】でオーバーキルだった。それに雷に耐性のある敵もなかなか現れなさそうだし、《魔法》は上げる必要は今はなさそうだ。
それに《スキル》についてだが、【見切りⅠ】を習得したのはいいけど、【魔法】が便利過ぎて使うことがなかった。今新たに習得しても同じことになりそうだ。
そうだな。【生命の樹】を上げてみるか。俺はツリーポイント1pを使って、魔力+3を選んだ。
ツリーポイント11p
【生命の樹】
1魔力+3
2魔力+6(未解放︙解放2p)
ステータスを見ると魔力の上限が3上がっていた。だが、次は2pで+6。まだ判断するのは早いかもしれないが、素質値に関してはツリーポイントを一対一で素質値に変換するだけなのかもしれない。
だが、今のうちはレベル上げ効率アップのため、魔法【ライトニング・スフィア】を連発したいから、残りのツリーポイントも【魔力】につぎ込もう。
2pを使っても、やはり開放されたのはツリーポイント3pに対して魔力+9の上昇だった。
仕方なく残る9ポイントのうち3pを使って開放した。だが、そこで期待していた変化は訪れた。
ツリーポイント6p
【生命の樹】
1魔力+3
2魔力+6
3魔力+9
4魔力+15(未解放︙解放4p)
おお! もしかしなくても、+12ではなくて、+15だよな? 見間違えじゃないよな? 俺は歓喜した。そして法則性を考える。
うーん。1、2、3までは×3の値。だが、4だけ、5×3。待て、この数列、どこかで見たことがあるぞ。あ、あれか。なんだっけ、フィ、ふぃ、フィボナッチ数列だ! もしかして【生命の樹】の素質値はフィボナッチ数列に即しているのか?
なら、次は3+5=8だから、8×3で+24になるはず。この仮説が正しければ、素質値の値はフィボナッチ数列に即していることになる。厳密には最初は1が二回続くのだが、そこは知らない。
俺は確かめるべく、【魔力+15】を開放した。するとやはり、仮説は正しかった。
ツリーポイント2p
【生命の樹】
1魔力+3
2魔力+6
3魔力+9
4魔力+15
5魔力+24(未解放︙解放5p)
よし。つまりだ。素質値は極振りまではいかなくとも、絞って投資したほうが、リターンが大きくなるということになる。
最初は魔法戦士を目指していたが、当分の間は魔法方面で伸ばしてみよう。
俺のステータスはこんな感じになっていた。
【名 前】ハンス・ハイルナー
【種 族】ヒト
【性 別】オス
【年 齢】7歳
【職 業】大魔道士
【レベル】11
【体 力】33/33
【魔 力】40/66
【攻撃力】11
【防御力】11
【知 力】11
【精神力】11
【俊敏性】11
【幸 運】11
《スキル》
【サーチ】【見切りⅠ】
《魔法》
【隠蔽Ⅰ】【隠蔽Ⅱ】【ライトニング・スフィア】
《その他》
ツリーポイント2p
【生命の樹】
【技能の樹】
【知恵の樹】
残り2pは温存しておくか。いや、そういえば。今までスルーしていたが、【生命の樹】にもその他があるよな。他の【知恵の樹】も【技能の樹】もその他が強かった。なので、【生命の樹】のその他も興味がある。
よし、1p使って解放しよう。
1その他
2身体強化Ⅰ(未解放︙解放2p)
2魔法適性Ⅰ(未解放︙解放2p)
「まじか……」
つい声が出てしまう。俺は新しく解放されたツリーを見て、正直とても興奮した。身体強化と魔法適性。おそらくそれぞれがステータス倍化効果とかだろう。やばい、興奮が収まらない。今夜は眠れなさそうだ。眠れないもんは眠れない。うん。ならもうそうしよう。
俺は部屋を出て、まだ明かりのついている居間に入る。すると、やはりそこにはライオットがいた。
「ん? どうした。布団が合わないか?」
「いや、違います」
「だろうな。見ていればわかる。仕方ない。門を開けてやろう」
夜の町へとライオットとともに繰り出す。俺は、夜戦への昂りで、むしろより目が覚めだした。
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