第九話 病院生活③。
窓の外のビルの光がだんだんと減ってきたころ、眠くなりながら原神をしていたら、23時半くらいに誰かが病室に飛び込んできた。
その美少女の名前はツグミ。
かと思ったらただの心美だった。
暗かったのか勝手に電気をつけられて目がくらんだ。
「死んでない⁉」
「死んでるわけあるかぁ!」
酷い挨拶だこった。
彼女はケラケラ笑いながら話し出した。
残念ながら笑い方がツグミちゃんに似ていたのでほとんど話を聞いていなかった。
あまりにツグミちゃんに似ていたので彼女の話の途中だったが、さえぎって
「お前何の仕事してんだ?」
「え、めっちゃ急に私に興味持つじゃん⁉」
「それはいいから、」
「ええっとね、アイドルしてる」
めっちゃ思い道理で結構びっくりした。
「ツグミって名前でね!」
不意打ちだ。
これはひどすぎる。
酷い通り越して最高だろ!!
そもそもツグミちゃんに告白されてたってこと?
えぐいてぇ…
でもここでオタクだとばれたらキモがられて仲良くできなくなって島死ぬ
(この間0.00034秒である)
そんなことを考えながら隣にいる美少女のことを考えた。
状況を整理すると、心美は俺のことが好きで、心美(元カノ)=ツグミということは、俺はずっと元カノのことを応援していたってことなのか?
それってきもくないか?
じゃあ俺の部屋に飾っている写真は元カノの写真ってことかぁ…
まあこれに関しては、心美を部屋に入れなければいいわけで、
「着替えってどうしてるの?」
「え?」
そういえば俺病院の服を借りていたので着替えがない。
親は地方に住んでいるので取りに行ってもらうことは不可能だ。
現在はもちろん友達はいない。
俺は骨折自体が完治するのは、3日後なので、それまでは動けない。
なのに明日からは病院の服の貸出料がかかってしまう。
どうしよう。
「持ってこよっか?」
「マジ⁈」
天使が舞い降りてきた。
「だってあんたその格好で家帰れないでしょう」
「あ、ありがとう。それじゃあよろしく」
そういって僕は彼女に鍵を手渡して、彼女はばいばぁーいと病室を出ていった。
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