第五話 私、入学式で告白されちゃったw
土曜日の朝、本屋へ参考書を買いに行っていると心美とばったり会った。
これが、卒業式の後遊んで以来初めて会うことになる。
お互い高校のある場所が地元から遠かったので引っ越しの準備で忙しくて会う時間なんてそうそうとれたもんじゃなかった。
今は二人とも寮生活で、夜少し電話するのが俺たちが付き合っている証のようなものだった。
そして、俺は昨日彼女と電話していない。
友人と遊ぶという理由で。
よって、会って一番最初の言葉は…
「「よっ」」
こうなる。
意外と普通でビビっただろ!
俺もビビった!
そのあと、俺は参考書を買いに来たことを伝えて一緒に買いに行くことになった。
心美は、友達と旅行で東京に来ていたらしく、何人かと一緒にいたが、彼氏と久しぶりに会ったから!という理由で友達と別れていた。
その友達にニヤニヤした視線を浴びせられながら、二人で一緒に本屋さんに向かった。
その店には、カフェが併設されていて結構にぎわっていたので、ただのカップルにしか見えない俺たちを気にする人たちは誰もいなかった。
まず俺たちは、俺は参考書を見に、心美は雑誌を見に行くためそれぞれ別れた。
ここに来るまでにほとんど話さなかったけど、手はつないでいた。
俺から行ったわけではない、彼女から来たのだ。それから俺は2,000円の参考書を買って、彼女は料理雑誌を買って出てきた。
去年で調理実習があった時はめちゃ料理下手だったけど、俺はそんなところも好きだったのだが。
それからは自然な流れで俺たちはスタバに入った。
彼女はコーヒーを、僕はチョコフラペチーノを頼んだ。
カフェで新しい学校はどうだとか友達はできたかなどのことを話した。
電話で話すよりもやっぱり現実で目と目を合わせて話すのが楽しいなと改めて実感する。
そして話は変わり、恋愛系の話になった。
そこで僕はひどい罪悪感を覚えることになる。
「私、入学式で告白されちゃったw」
ッッ!
「早いな」
思ったと通りのことを言った。
彼女は当然のことのように言った。
「だよね~!
顔だけで決めてるような奴なんて速攻振るっての!w
私には島っていう最高の彼氏がいるしね!」
「う、うん」
僕は最低だ。
正直にそう思う。
こんなにも愛してくれる彼女がいながら見ず知らずの女子を待たせるなんて。
もう明日には「ごめんなさい」ってちゃんと断ろう。
そう決意した。
ところで僕はなぜ心美の友人があんなにニヤニヤしていたのか気になったので、聞いてみると、彼女は友達にいつも僕の話をしているみたいだ。
何だろう。
この罪悪感は、
でも、僕は本当に彼女のことが好きだ。
謝るか、どうするか迷っていたら、この店に一つのグループがはいってきた。
なんでこんなことをいちいち書くと思う?
そのグループとは、僕がいつも一緒にいるサッカー部グループだ。
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