第15話 繋がれた縁

翌日ー...

樹里は亜樹の目的

能力を消滅させることと知って溜め息をつく。

「確かにそれができたら、普通の人間と同じように暮らせる。異能者同士の争い、迫害もなくなる。だけど、その為に他の人間を犠牲にする事はあってはならないんだ。」

絶対にー...


自分がいる部屋を開けた。

「お目覚めになられたんですね。大地の巫女」

水の宮司ひしぎである。

宮司の衣装を着こんでいる。

「貴女の身の回りの世話を任された者です。」

「身の回りの世話なら、この巫女装束を脱ぎたいんだが、別の服を用意してもらおうか?」

フッと笑みを浮かべる。


「それは出来かねます。五芒星の呪法の為には巫女装束でいてもらう必要がございますので、」

ひしぎの言葉に樹里は妥協案を提示した。「せめて、この城を案内してくれないか?まさか、五芒星の呪法の日まで、結界の付きの部屋に閉じ込めるつもりか?」


「.....」


ひしぎは念話で亜樹と連絡を取り合う。


『どうします。亜樹様?』

『それくらいならいいよ。』


「分かりました。案内しましょう。」



一方、渚たちは千樹の特訓を受けていた。

楓とほたるもボロボロである。


ハァハァ「強すぎだろ」

ほたるはその場にバタンと倒れこむ。

「本当に....」


渚は膝をついた。

「この修行をクリアした樹里様たち、すごすぎる。」


千樹は3人に尋ねた。

「あなた達は、亜樹の目的についてどう思いますか?」


「確かにこの能力できついことはあったけど、俺はこの力をなくしたいとは思わねえな。」

楓はあっけらかんとした口調だ。

その言葉に微笑むほたる

「この力で守れるものもありますから。」

渚は2人のあとに続いた。

「能力があって出逢えた人、繋がれた縁もありますから、大事なのは心の持ち用です。」


3人の言葉に千樹はニコッと微笑みを見せた。

(この子たちならきっとー...)


近くで見ていた大樹がポツリと呟く。

「亜樹殿の心を救ってくれる。」


数日があっという間に過ぎて、決戦の2週間後となった。

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