第4話 出逢いがもたらしたもの

子どもが荒んだ目で私を見てる。

少女の攻撃を舞うように避けて、能力の解放されているであろう額のひし形を人差し指に霊気を込めてトンと軽くつく。


少女はガクンと膝をつく。


「なっ、動けない。」

荒んだ目をした少女。


樹里は印を結び。呪文を唱える。

数珠が中に浮かぶ。


「この街並みは全部紛い物だ!」


荒々しい波動を立ち込めるこの土地を浄化させる。

長い髪を靡かせ。


「ダメ!やめて~!!」

少女で声が後ろから響く。


「解!」


樹里がそう叫んだ瞬間。

街並みが崩れ。更地になる。


少女は呆然としている。

「ここは皆がいた大切な場所だったのに、紛い物でも良かったのに。」

ポロポロ涙を流した。


「紛い物は所詮、紛い物だ。

死者の魂は浮かばれん。お前も前に進めないだろう。」

樹里の言葉に目を丸くする。

その少女と視線をあわせて、頬をつかみ引き寄せる。

「お前!私のところに来い。」


 随分、昔のことを思い出してしまったな。


 渚の方を振り返り樹里は告げる。

「渚。明日はこの街で亜樹の目的について、情報収集をするぞ。」


自信溢れる樹里の表情。

その表情を見てニコッと笑う。


「はい。」


こうして、この日の夜は過ぎていった。

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