第8話 何でも良いわけじゃなかった
成績改ざん事件から一年は何事もなく過ぎた。
特に中学2年の時はクラスも仲が良かった。
もちろんそれぞれグループはあっても、全体としてうまく収まっていた。
僕はクラスで秀でるわけでも落ちこぼれでもなく、あいかわらず授業を受けるフリをしてマンガを描いていた。絵は少し上手くなったけどつまらないマンガだ。自分が描いて楽しむだけのもの、それでもクラスの暇な友人たちは笑ってくれた。昼休みにサッカーして、帰りはマンガとゲームの話をしながら家に帰る。
親がいない時は少し家で麦茶を出して、何の身にもならないくだらない話をした。そんな時間が何よりも楽しかったのだと今は思う。
だからこそ、あの日初めて僕は父親とぶつかった。
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