第17話 次のダンジョンは………


「んー………何処が良いかな。」



リーマン時代に良く昼食を食べてた馴染みのファミレスにやって来ていつもの所定の場所に座る。


「お待たせ致しましたー。唐揚げハンバーグ定食でーす。」




いつものやる気の無いパートのお姉さんがいつものようにいつも頼むメニューを持ってきてくれた。



「ありがとう。」



「え!?………あ、はい!ごゆっくりしてってください!」



感謝の気持ちを伝えるなんて初めての事でお姉さんも困惑したようだ。


心のゆとりが無いと当たり前のこともしなくなるんだな。これからは気を付けよう。


リーマン時代は周りを気にすることもあまり無かったけど、今の俺は心も金も少なからず余裕がある。



もしかすると死ぬかもしれないというような環境下になったのにも関わらず今の方がそう思えるなんて不思議だ。



「あの時は心が死んでたんだな。」



コロシアムに出場してからが毎日楽しいし、今食べてるこの定食がこんなにも美味しいなんて思うのも初めてだ。



人生何処で変わるか分からないよな。会社が倒産してくれなかったら俺は一生生きた屍のような人生を全うしてつまらない人生だったと嘆きながら死んでいったんだと思う。



「俺の人生はここからなんだ。やるぞ………やってやるぞおおお!!!」




「お、お客様………?大丈夫ですか?やっぱり今日変ですよね?救急車でも呼びますか?」


「あ………いえ、ちょっと今後の事を考えてたらテンション上がっちゃって………はは、年甲斐もなくて申し訳ないです。」




いつものお姉さんが注意するというよりも心配してくれてる。なんかすみません。



「いえ、前回までと違って迫力というか自信というか、なんて言えば良いか分からないですけど今の方が素敵だと思いますよ?


………あんまり大声出さないでくださいね?」



そう言ってお姉さんは軽く会釈をすると俺の側から離れていった。



今気づいたけどあのお姉さん………




「めっちゃ可愛いな。仲良くなったらご飯でも誘うか?」



俺には女性に縁がないと思ってたけど気づいたら近くにもあるんだな。



これもコロシアムのおかげだ。



より一層励んで、男としても励む人生を歩むぞ!



がんばれ!


おれ!!




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