第2話 初戦を………



「さああああ!!


やって参りましたああああ!


今夜の挑戦者はあああ!!


一般人の登場だああああ!!!」





「「ワアアアアアアア!!!」」




「産まれて1度も【ダンジョン】に潜ったことがないのでスキルもない!!

本日会社が倒産して路頭に迷った負け組の人生!!

見るからに冴えない見た目で彼女も1度も出来たことのないようなその顔立ち!!

長年運動をせずにデスクワークしかしてないようなその体たらくな体つき!!

戦いの経験もない30歳のおじさんと戦うのはこちらああああ!!!」




「「ワアアアアアアアアアアアア!!!!!」」



「ゴブリンだああああ!!!!」




おい、流石に言い過ぎだろ!アナウンスが言ってることは間違ってないが煽り方に毒がありすぎる!



綺麗な女性に連れられた俺は繁華街のある大きなビルの地下へと連れられていった。



ソコは正しく闘技場というには相応しい場所で連れられてそのまま闘技場の中へと放り込まれたような状態になっている。



放り込まれて直ぐにアナウンスが流れ俺の正面にある檻のような扉が開くとソコには緑色のテレビでは良く見るモンスターが鼻息荒く歩いてきた。



「あれはゴブリンか。生で見ると迫力があるな。」




現れたそのモンスターは俺の腰程度しか身長は無いが持っている棍棒で殴られたら一般人の俺なんか一撃で行動不能になってしまうだろう。



「それではあああ!バトル!かいしいいい!!!」




「「ワアアアアアアア!!!」」



観客達は俺が華麗に倒す事を期待して見てるわけではない。むしろその逆だ。


無様に戦いそしてモンスターが俺を殺すところを楽しみにしているんだ。



俺が本当にモンスターに殺されても事故死として扱われるらしいがここにいる奴等は良い趣味をしてるよ。


この場所に来るまでに連れられた女性に聞いたが初戦を勝ち残れる一般人は5人に1人の割合だと言っていた。


弱そうに言われてるゴブリンでも一般人と比べたら力も耐久力も全く違う。


俺のように冴えない中年に片足が突っ込んだおじさんなんかゴブリンのミンチになる可能性の方が高いだろう。



「………ふざけんな。俺は何が何でもゴブリンを殺してやる!」



アナウンスの人は戦闘経験が無いと言ってたが昔はおじいちゃんに連れられて中学生までは合気道をしていたんだ。



俺の戦いを見てる奴等に度肝を抜かしてやるぞ!


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