遅咲きの30歳!モンスターコロシアムに出場して金を稼ぐ
ウメとモモ
第1話 人生の転機
30歳になり俺の会社は倒産した。
高卒の俺はブラック企業だと思ってもその会社に依存して生きていくしか能の無いダメな人間だった。
資格もないし金もない。学もないし彼女もいない。
親も早くに他界して兄弟もいない一人っ子。頼れる親戚もいない。
友達だって昔は中の良かった奴は何人かいたが何年も会っていない。
やりたいことも夢も何もない。
財布の中は数千円と小銭が少し。
給料日1日前に倒産するなんてふざけてる。
「俺の人生終ったな。………死のうかな。」
公園のベンチに座ってなけなしの金で買った缶コーヒーを飲みながらそんな事を呟いてしまった。
貯金残高も無いから明日の食べるものもないんだ。
生きる希望もない俺がそう呟いてしまうのも仕方ないことだった。
「ねえおじさん?どうせ死ぬ気ならこれやってみない?」
「うお!なんだい君は!?」
突然現れた女性。俺には縁の無いような綺麗な女性でモデルのような体つきだ。
そんな女性に一枚のチラシを渡された。
「なになに………モンスターコロシアム?なんだこれは?」
「え?知らない?今テレビでも流行ってる人とモンスターが戦うコロシアムだよ?」
「見たことはある。…が何故俺に?」
大人気のテレビ番組でダンジョン冒険者と番組が捕まえてきたモンスターを戦わせるエンターテイメントだ。しかしなんでこんなチラシを俺に持ってきた?【一般人の参加募集】と書かれてるがモンスターとただの一般人が戦ったら危険だろう?
「これはねえ?【非合法】のモンスターコロシアムで、テレビに映すんじゃなくて金持ちの道楽の為のモンスターコロシアムなんだよ♪」
「………それで?」
「今さ?おじさん【死のうかな】って言ってたでしょ?どうせ死ぬ気ならこのコロシアムに出て一攫千金の夢を見てみない?」
通常の思考ならこんな馬鹿馬鹿しいものは一笑して断ってるがコロシアムの賞金は100万円ととても破格な値段だ。
命の危険はあるがどうせ死のうとしてたんだ。死ぬ気でやってみるか。
「そうだな。連れてってくれるか?」
「え!?本当に!?よしゃ!!今日のノルマクリアー!!ささ!さっさと行きましょ♪」
そう言って綺麗な女性は俺の腕を抱いてコロシアムへと向かった。
腕から伝わる女性の2つの感触だけでコロシアムに参加することに決めた俺を誉めたくなった。
この女性は何気なく俺を誘ったようだが、この時から俺の人生は良い方向へと変わりだしたんだ。
ここからが俺の命を掛けた戦いの始まりだった。
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