天空5 天空島降下
《熟練度が条件を満たしました。
ステータスを更新します。
パッシブスキル〈光合成〉のレベルが2から3に上昇しました。
〈魔力回復〉のレベルが1から2に上昇しました。
アクティブスキル〈魔力感知〉のレベルが1から2に上昇しました。
アクティブスキル〈魔力操作〉〈遠見〉を獲得しました》
光合成を続けること数時間、またしてもスキルが上がった。
〈魔力感知〉のおかげで自分でも分かるほど、より深く理解出来るようになっていたし、そこまでの驚きはない。
レベルアップの間隔は少し伸びたが、またしても新スキルまで獲得した。
〈魔力操作〉は魔力の流れを理解しより回復速度を高めようと創意工夫していたから獲得出来たらしい。
〈遠見〉は景色を眺め続けていた事に加え、おそらくは【リンゼワースを知る者】の効果らしい。この称号は観測系のスキルの獲得に補正がかかる可能性が高いそうだ。
まあ、せっかく獲得した〈遠見〉を使っても遠すぎて見える風景はあまり変わらないのだが。
そして遂に、透明の床が完成した。
やはり完成形は透明だが飾り気のない大小様々な階段で作られたコロッセオのような形状だ。
透明度強化によって何もないかのように透明だが、降りる時に付近は見えやすいようになる親切仕様。
降りて中心部まで行くと、その広大さがよく分かる。
『それでは、現在の仕様をご紹介いたします。構成材質は水晶、付与された魔法は強度強化、透明度強化、屈折率調整の3つです。
この内、強度強化は基本構成であり変化可能な仕様ではありませんが、透明度と屈折率は調整可能です。この2つのパラメータを操作する事により、この場全体を透明にすることが可能です』
その説明と同時に、コロッセオが消えた。
反射などで見えていた階段構造がまるで見えなくなり、全面が風景に変わった。
コロッセオが広い事もあり、広い空に浮いているようだ。
立っていてもそこに床や壁がある事を忘れそうになる。
注文通り、それ以上の下方の全方向が遮られることなく完全に見渡せる床だ。
唯一、もはや完全に床では無いが、そこは気にしまい。
暫く、この完成したコロッセオからの景色を楽しむとしよう。
と言っても、遠見をしても地上を見るのはちょっと大きなお月見をする感覚で、主に見えているのは雲なのだが。
しかし雲を全方向に見渡せるのも素晴らしい。普通に絶景だ。
「そうだ、この天空島の高度ってもっと落とせないの?」
観測所を造ったりしたが、シンプルにここの高度を下げれば普通に景色が見れる。
『100キロメートル付近までなら降下可能です。極光がここ天界の跡地と地上を分け隔てる地点ですので』
「それよりも下は?」
『地上の上空であり、極光付近は高濃度の魔力により灼熱空間であり、それ以下は極寒の環境になっております。通過は困難を極めます。
加えてこの島は原理上、天界に引かれます。その為、天界外では推進力が必要となります』
魔力というワードが出てきたが、要するに天界の下は地球の上空と同じになっているらしい。
それこそ、降りるのにはロケットが着陸するのと同等の設備が必要と言う事だろう。
降りるとなると、かなりのコストが必要になりそうだ。
「取り敢えず、極光の近くまで降下してみて」
『畏まりました。安全性を考慮し、時速60キロメートル程で降下を開始します』
そう告げると同時に天空島の降下が始まった。
雲の間を潜り抜けて下へと向って行く。
時速60キロって事は、到着まで60時間くらいか。
のんびりと景色を楽しみながら向かうとしよう。
100キロ上空というゴールも相当高い場所だが、それでも景色はだいぶ変わって行くだろう。
と言っても距離があり過ぎるせいか通り抜ける雲くらいしか違いがない。
風景よりも潜り抜ける雲の感覚の方が変化が大きかった。
下の風景よりも島の上の方が違いが分かる。
暫くはコロッセオではなく、島を歩いていよう。
過剰な環境以外は結界も防がないらしく、巨大な雲の中を潜り抜けると島にも雲に近い霧が立ちこめた。
少し高さの異なるところ、離れた場所は雲に隠れる。
高い所にいると改めて実感出来る光景だ。
そんな環境を楽しんでいると、日が傾いて来た。
気が付かない間に時間が経っていたらしい。
《熟練度が条件を満たしました。
ステータスを更新します。
パッシブスキル〈魔力回復〉のレベルが2から3に上昇しました。
アクティブスキル〈魔力感知〉のレベルが2から3に上昇しました。
アクティブスキル〈魔力操作〉〈遠見〉のレベルが1から2に上昇しました。
固有スキル〈天空島〉のレベルが1から2に上昇しました》
その間に、色々なスキルのレベルが上がった。
特筆すべきは〈天空島〉のレベルアップだ。
特に何かが変化した感覚は無かったが、スカイコアが変化について報告してきた。
『マスター、〈天空島〉のレベルアップにより私の演算能力や魔力効率、変換効率が向上しました』
このスキルはレベルアップで俺ではなく天空島、スカイコアを強化するスキルだったらしい。
『レベルアップの影響により、コストを抑え増築が可能になりました。簡単なもの、土地の増築程度でしたら従来の半分のスカイポイントで構築可能です。また、より高度な術式等を刻む事も可能となりました』
「半分も? それは凄いね」
『これもマスターのお力が成した事です』
これなら簡単に必要な畑を確保出来そうだ。
というか、種だって高いが魔力回復量からして生成出来る。
「そうだ、林檎とか食料の生成に必要なポイントも減った?」
『いえ、そちらの方は全く変わっておりません』
「…………」
レベルアップしても苦手なのは全く変わらない、生物系の生成は完全に仕様外らしい。
コツコツポイントを貯めるしか無さそうだ。
「そうだ、天界跡地から出るのに必要なポイントも減った? というか何ポイントくらい必要?」
『そちらに関しましては、下界の情報が不足している為、まずどの程度の装備が必要か偵察機を下ろす必要があります。海に入るのと海から出るのが異なる様に、天界への突入時のデータは殆ど当てになりませんので』
「じゃあ、その偵察機は何ポイントくらいで作れる?」
『ただ負荷を測定するだけでしたら、常時データを送信する機能を付け、何種類かの結界を発生させる機能を有していれば良いので、100ポイントも有れば作製可能です』
「割りとお手軽価格だね」
『はい、ただこの高度から落下させる場合、地上への影響が問題になります。まず、海上などへ移動する必要があります』
確かにこの高度から落下物を落とせば隕石と変わらない。
「じゃあ、取り敢えずこのまま出来る限り高度を下げたら海上に移動して測定しておいてよ」
『畏まりました』
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