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少女のように育たない自分の体を見て、怪物は気付きました。
怪物は老いないのです。そして死ねないのです。あの吹雪の中で死ななかったのは、きっとそれが原因でした。
怪物は不老不死だったのです。
少女はその事実に気づいていました。
けれど、怪物にはそれを決して他の人に言わないようにと伝えました。少女は、怪物がこれ以上みんなに怪物扱いされるのが嫌だったのです。
だから、怪物はそれからはずっと少女の家に閉じこもっていました。何もせずに家にいました。それしかできなかったのです。
やがて、冬が来ました。
少女が住む村は北にあったのでいつも雪が降っていましたが、この時期は別でした。吹雪が大吹雪になり、嵐が大嵐になります。みんな家にひきこもり、溜めていた食糧を食べ始めました。
けれど、その年はたまたま食べ物がとても少ない年だったのです。
村の人々は苦しみました。少女も苦しみました。食べ物は少女の父親が食べてしまうので、少女の食べる分が殆ど無かったのです。
怪物は苦しむ少女を見て、自分も苦しくなりました。
だから。赦されない罪を犯したのです。
それこそ、全ての歯車が狂うきっかけになるとも知らずに。
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