幕間

第四章 終

「今回も戦いが多い話だったね。まあ大体の章がそうなんだけど。今回の豆知識は、二つくらいかな。


 一つは全く活躍しなかった、赤城と加賀が装備している20cm単装砲について。赤城と加賀が建造された時代はまだ空母の黎明期で、航空機の性能も低かったから、空母が砲撃戦に参加することもあり得ると大真面目に考えられていた名残だね。


 当時は甲板の上にも20cm砲があったんだけど、これらは全通空母化に伴って撤去されて、今残っているのは舷側の下の方から飛び出す感じになっている砲だ。撤去しなくても特に邪魔にはならないけど、対空戦闘ではほとんど役に立たない、完全に排水量の無駄だね。


 もう一つは、特攻戦術について。初めての特攻はフィリピン沖海戦で予定されていたんだけど、瑞鶴が敵艦隊を殲滅してしまったから実行されず、結局最初に人間を乗せて特攻戦術を実施したのはアメリカだったね。


 まあ人間の特攻なんて船魄からすればいい的でしかない訳だけど、船魄がやる特効は迎撃が困難で強力だ。船魄の操る艦載機なら、代償は船魄が死の感触を味わうだけだから、割と気楽に特攻できるのがいいよね。特攻はつまり、君達の言葉で言うと完璧な誘導装置付きの対艦ミサイルな訳だから、効果は非常に高い。ミサイル技術に長けているドイツ以外では、現実的な選択肢の中に特攻が入っているんだ。


 その辺の、大東亜戦争末期の話は、また別の機会に。


 という訳で次の話に行こう、と言いたいところだけど、ここでちょっとした解説でもやっておこう。その後で続きを始めるよ。


 因みに、次の話は全く戦闘が起こらない珍しい回だよ」

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