第18話 自己紹介
「次は皆の名前を教えて!その時に聞きたい事とか色々聞いていいよー
…とその前にSPでステータスを上げておこうか。ステータスが出てる画面で上げたい所に触れれば出来るよ。
何を上げれば良いのか困ったら、取り敢えず敏捷性を二桁まで上げるのがおススメだよ。
あっ、ステータスについての説明も前回出来てないし説明しておこうか。
ステータスとはMPがある間だけ身体に纏えるパワーアーマーだって認識で大丈夫。
物理攻撃はパワー、物理防御は身体の強度、魔法力はスキルの出力、魔法防御はスキルに対する防御力、敏捷性は動きの速さね」
SPの使い方が分かったので4人は好きなようにSPを振る。
今の俺にはSP14ある。松平さんは敏捷性を上げるのがおススメと言っているが、スキルレベルがSPで上げられると分かった以上、強欲のスキルレベルを上げる以外の選択肢は無いな。
強欲スキルを使えば勝手にステータスが上がるだろうし、今後は強欲スキルを上げるのを最優先にしよう。
【スキル】の強欲という所に触れてみると
SP14→8 強欲lv,2→3
この様に変化した。相変わらずスキルの効果がどう変わったのかは分からない。
因みに松平さんには、「運」だけには振らない方が良いと言われた。どうやら殆ど役に立たない死にステータスらしい。確かに運が5しか無かった俺がガチャで良いアイテムをゲット出来たしな。
自己紹介再会で、まずは時計周りで工藤から始める。(描写は省きますが、一応自己紹介時に全員が松平に自分の所持スキルを言ってます)
「私の名前は工藤 鈴音。今年で高1になって15歳よ」
「よろしくね。そういえばその兜が脱げないって話してたけど、インベントリからアイテムの名前を見た?」
「一昨日見たら『呪われた鉄の兜+魔力探知』って書いてあったわ」
やっぱ呪いの装備じゃねぇか。呪いの他に魔力探知という効果があるし、多分これが前回のクエストで工藤が他の人の魔力を見えた理由だろう。
「呪いの装備だったんだね。
確かショップにQP10くらいで解呪石があった気がするし、それを使えば追加効果がそのままで、呪いだけ解除出来るよ」
「う…QP10…」
工藤にはQPが無い、今回は頑張らないとな。
「QP10なら…クエスト中に誰かと一緒に行動出来れば今回だけでも獲得出来る量だよ。だからそんなに気を落とさないで!
それにあなたは『アイス』『ヒール』のスキルで攻守のどちらも出来るし、戦う敵さえ見誤らなければきっと無事に生還して解呪石を買えるはずだよ!」
次は進上の番。
「進上 誠也です、22歳で今年社会人になりました。よろしくお願いします。
あの…質問なのですが、僕の持っている剣術というスキルは、文字通り剣を使える様になるって事ですか?」
「ですね。自分の思ったように剣が振れるようになったり、軌道が勝手に修正されたりするらしいですよ。
私の持っている弓も完全に弓術スキルありきで使えてるもので、これ系統のスキルがあると武器の使い勝手がかなり良くなります。
確かリーダーの友人が使っていた剣が余ってるはずなので、あとで差し上げます」
「本当ですか!ありがとうございます!」
二人がそんな会話をし終わり、次は新島の番。
「20歳引きこもりの…新島
質問なのですが、このクエストというのはいつから行われているんですか?」
「私が初参加したのは2ヶ月前ぐらいで、今回が15回目。だけど私やリーダーよりも多くクエストを受けてる先輩達の中で、一番古い人でも…確か今回で18回目だったと思います」
ここでの事は他言無用というルールがあるから全く騒がれていなかっただけで、2ヶ月以上前からこんな事が行われていたのか…
「…これはいつ終わるんでしょうか?」
「う~ん…それは全く分からないので何とも言えない。
どうしたら終わりなのか、フィションの世界にあるようなこの力、そもそも誰が何の目的でこんな事をしているのか…殆ど何も分かってないんだ」
まるでゲームに似せる様に表記されてるステータスや、毎回19時半から転移が始まったりなど、確実に誰かが決めたであろうルールやシステムの上に俺達はいる。
誰かがクエストの為に俺達に力を与えたのならば、そもそもクエストは何のためにあるのか。
考えつくのは…異世界の魔物駆除の為とか、黒幕が人と魔物が戦っているのを娯楽として見てるだとかだ。
全部漫画とか見ててたった今パッと思いついたものだから何とも言えないけど、裏に誰かがいるのは確実。
いつかそれが誰なのか分かる時が来るのだろうか。
「じゃあ最後に君の名前を教えて!」
「名前は内野 勇太で高校2年生です。
僕も質問があって、『強欲』というスキルを知っていますか?」
俺が一番気になっているのは、この強欲というスキルだ。
効果は相手の能力を奪うという事なのは予想出来ているが、問題が残っている。
それは使用によりMPがなくなり、ステータスの恩恵が受けられなくなるというものだ。松平さんにはこの問題の解消方法を聞きたい。
内野は前回スライムに使った時の事と、ステータスが変化したという事を四人に伝える。
「ッ!これ凄いスキルだよ!
今まで自分の能力値を上げられるスキルなんて聞いた事が無い!
物理攻撃耐性に酸の身体…まんまスライムが持っていそうなスキルでし、吞み込んだ相手の能力を取れるのは間違いなさそうだね!」
「…それって強くなり放題って事?」
目を見開いて嬉しそうに驚く松平と、対照的に冷静に内野に尋ねる新島であった。
「いや…一回使用するとMPが0になるから、それ以降はスキルを使えないどころか戦えなくなるんだ。
それが問題で、松平さんならどうにか解決策が思い浮かぶんじゃないかと思って」
「う~ん…問題の解決策が…一応2つはあるよ。私じゃこれ以上は思い浮かばないけど」
おっ2つもあるのか!やっぱり松平さんに聞いて正解だった!
「一つは自分でスキルをコントロールする事で、もう一つは魔力水を使用する事。
まず前者の方から。実はスキル名を言わずにスキルを発動する事が出来るんです。いわゆる無詠唱というもので、スキル名を言う方法と言わない方法の双方には明確な違いがあるよ。
例えば私の持っている『ポイズンスナイプ』というスキルは(30)だから一回使うのにMPが30必要。なのでスキル名を言って使用する場合は、MPを30使って一本の毒の矢を放つというものになる。
でもスキル名を言わないで使う場合は、MP消費を10や20に抑えてスキルを使うことができ、それにMP30で15×2という様に2本の毒の矢を放てるんだ。
スキル名を言わないでスキルを発動するのには、ある程度そのスキルを何回も使用して慣れないといけないけど、使い勝手はこっちの方が圧倒的に良いんだ」
「ほう…つまり僕がスキル名を言わずにスキルを使えるようになれば、スキルの消費MPを自由に制御出来るという事ですね」
「そうそう。()なんて表示初めてだから何とも言えないけど…」
無詠唱でのスキル発動、一先ずはこれが出来る様に頑張ろう。
「じゃあ僕の場合は『一閃』というスキルがあるのですが、わざわざ相手の前でスキル名を言わずに発動出来る様になるという事ですね。
どうすれば早く無詠唱でのスキル発動が出来るようになるのでしょう?」
進上が小さく手を上げそう発言する。
「何回もそのスキルを使うしかありません。内野君のスキルは一回で全MPを使うので難しいかもしれませんけど、一閃は消費MPが少ないので直ぐに習得できるかと思います」
進上さんの持っているスキル『一閃』は前に一回見たが、腕を横に薙ぎ払った瞬間に目の前の木が切れた。それに進上さんは剣を持っていなかったのにも関わらず剣筋の様なものが見えた。
正直言って滅茶苦茶カッコイイスキルだ。そんなスキルを自由に使えたらもっとカッコイイだろうな…
「それで…さっき言っていた魔力水を使うという方法とは?」
「あ、少し話が逸れちゃったね。
さっき言った魔力水を使うというものは、単純に回復アイテムを使うというもの。QP10だから簡単に買えるし、これでMP0で生身状態になる問題は解消出来るよ」
おおっ!QP10なら今の俺でも買えるし良いな。
後でショップで見てみよう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます