囚われの魔物狩り～大罪スキルを手に入れた俺は、敵の力を奪って強くなりクエストを攻略する～

第17話 2回目のロビー

新島から靴を受け取り履いてみると、サイズはピッタリで普段履いている靴と同じ様に違和感無く動けた。

「ああ、ショップから手に入ったものは【インベントリ】から見られて自由に出し入れできるんだよ。

ステータスボードの横にある【インベントリ】を開くと、自分の持ってるアイテムが見れるんだ。

頭の中で出したいアイテムを念じると自由に取り出せるから、別にこのインベントリ画面を出している必要は無いよ。しまう時も出すのと同じ様にすれば大丈夫」

「インベントリって何でも入るんですか？」

「残念ながらショップで手に入った物しか入らないんだよね。

ランダムガチャから手に入った物の中には、稀に名前が『』ってなってるやつがあって名前が分からないけど、一応普通に取り出せるよ」

そういえば前回俺が手に入れた剣も『』という表示になっていたな。何か違いがあったりするのか？

「どういった物が『』になるんですか？」

「手に入った段階で既にボロボロの物とかだね。私が知ってるのは錆びた鎧だとか変なアクセサリーだよ。ボロボロで使い物にはならなかったらしいから、多分ガチャのハズレ枠だと思う」

あ…じゃああれはハズレだったのか。

「じゃあアイテムの話はこれぐらいにして、次は重要な事を言うよ。分からなかったら何でも聞いてね」

そう言うと迷彩服の人はここについての説明を始めた。まとめると

・19時半になるとロビー（今いる場所の事）に転移される。不規則だが週に2回ぐらい。

・20時にクエスト開始。全員の場所はランダム

・クエスト範囲は5㎞＊5㎞くらい

・クエスト終了時に倒した魔物に応じてQPがもらえる

・討伐対象を倒した瞬間にクエストが終わり、MPが全回復し怪我も無くなり元の世界に戻る。戻ってきた時に服なども転移前の状態に戻る

・魔物を倒し続けるとレベルが上がる。1レベル上がるとSP＋5、MP＋8～10

・SPはステータスとスキルレベルを上げられる。

ステータスはSP１使うごとに＋3～5だが、運の値だけは必ず１ずつ上昇する。一応SPでMPを上げることがも可能で、MP＋8～10。

SPをスキルレベル×3使えば、自分のスキルのレベルを上げられる

・スキルレベルが3,6に上がると何かしら新しいスキルを獲得できる。レベル7以上に上げた人がいないので、これ以上のレベルで何かあるのかは分からない。

・クエストでQPを沢山稼いだ者は、クエスト終了後にランキングに載る。ランキングに載ると追加でＳＰがもらえる

・ここでの出来事をプレイヤー以外に知られてはいけない

説明を受けていて気になったのは「ステータスはSP１使うごとに＋3～5」「ここでの出来事をプレイヤー以外に知られてはいけない」というところだ。

前者については、俺がSPを使って能力値を上げた時、全ステータス１ずつしか上がらなかったからだ。

ただ運が悪かっただけか？いや流石にそれはないよな…後で聞いてみよ。

後者の方は前回のクエストが始まる寸前にも鎧の人が言っていたことだ。

誰かに知られてはいけないって何か理由があるのか？そもそも話しても誰も信じないだろうし…

「ねぇ、もしも他の奴らにこのことがバレたらどうなるの？」

内野が聞きたいと思っていた事を工藤が聞いてくれた。

「過去に数人、ここでの出来事を家族や友人に話してしまった事があるんだけど。その人達は、スキル・アイテムを全て没収され、初期ステータスに戻されたの。でも、クエストには参加しないといけなかった…」

「つ、つまり…生身の状態でクエストを受けないといけないって事ですか…」

えぐいな、それって魔物に何の抵抗も出来ずに殺されるって事じゃん。

ああ…誰にも言わなくて良かった…

迷彩服の人が説明を終えたタイミングで広場の人混みがざわざわし始めた。

多分クエストが発表されたのだろうが、前回みたいな阿鼻叫喚は起きていない。

「クエストが出たみたいですね、見に行きましょう」

内野達は迷彩服の人と共にクエストを確認しに向かった。

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討伐対象：コアゴーレムlv,34

制限時間：4時間

プレイヤー人数：128人

プレイヤー平均レベル：18

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今回はゴーレムなのか。どんな敵なのか分からないが、周りの反応を見る限りはスライム程の相手では無さそうだ。

「おお、ゴーレムですね。動きが遅いので遠距離からの攻撃手段があれば安全に倒せるんですよ。胴の中に核があって、それを壊すと倒せます。

コアというのが何なのかは分かりませんが、スライム程の脅威は無いかと思います」

周りにもホッとした表情をする者が多く、迷彩服の人の説明もあって安堵する。

「そういえばまだ自己紹介できてないよね。自己紹介しない？

私の名前は「松平（まつひら）　愛奈（あいな）」。

クエストは今回で１５回目。見てわかる通り弓を使ってて、やむを得ず近接戦をしないといけない時の為に槍も一応持ってるよ。ステータスは↓こんな感じね」

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松平　愛奈　

【レベル24】　ＳＰ0　ＱＰ11

ＭＰ　231

物理攻撃　164

物理防御　25

魔法力　114

魔法防御　28

敏捷性　78

運　 2

【スキル】

ポイズンスナイプＬｖ,6（35）

メンタルヒールＬｖ,2（20）

ナインエッジＬｖ,2（40）

【パッシブスキル】

弓術Ｌｖ，３

視力向上Ｌｖ，1

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流石だ、全ステータスが俺達よりも全然高い。

「ん、視力向上というスキルがあるのに何で眼鏡を掛けているんですか？」

「これは伊達（だて）メガネだよ。だからレンズは入ってないんだ」

伊達メガネか…ならその伊達メガネって何のためにあるんだ？

松平さんの格好を見る限りファッション目的では無さそうだし…