第121話 俺の休日がぁぁぁぁ!!!!

前回のあらすじっ!

 先島さんのおかげで、火口さんと今まで通り接することができました!以上っ!




 理央たち3人との昼休憩も終わり、睡魔と戦いながら午後の授業も乗り切る。


 帰りのHRが終わったため、家に帰ろうとすると、理央が声をかけてくる。


「ねぇ!凛くん!私と月曜日の放課後にした約束覚えてる?」


「月曜日の放課後にした約束?」


(はて、そんなことしたのか?)


 俺は思い出せないため、とりあえず月曜日の放課後を振り返ってみる。


(えーっと確か、美羽と一緒に帰ることとなって、なぜか店長の店に行くことになり、店長と美羽にコスプレさせられる。そして、なぜかコスプレ写真や演技が拡散され、家に帰って舞に怒られる………最悪な月曜日じゃねぇか!)


 月曜日の放課後にあった出来事が、今の面倒な状況の原因となる1日だったようだ。


(しかし、振り返っても理央と約束なんかしてないぞ?)


 俺はいくら考えてもわからなかったため…


「ごめん、理央。考えても理央との約束が思い出せないんだ」


 俺は素直に謝る。


「そうだと思ったよ。約束は月曜日の放課後にしたの。凛くんは月曜日、あのちびっ子高校生と一緒に帰ったでしょ?その時、交換条件として、明日の土曜日は私と一緒にデートする約束をしたんだけど思い出した?」


※59話参照


 俺はそう言われて思い出す。


「えっ!あれって冗談なのかと…」


「そんなことないよ!あの時、土曜日に凛くんとデートの約束をしたから引き下がったんだよ!?」


「ま、まじかぁ……」


(俺の休日がぁぁぁぁ!!!!)


 俺はガックリする。


(えっ!明日の土曜日は理央とお出かけして、日曜日は『読モ』の撮影会からのバイトなんだけど!休める日がねぇ!)


「えーっと……やっぱりなしとかは……」


「ん?何か言ったかな?」


「いえ、なんでもないです」


 拒否することを許さないオーラを出され、俺は明日、理央とお出かけすることが決まった。




 理央とのお出かけは、前回と同じ待ち合わせ場所に13時頃集合となった。


 理央はこれから用事があるらしく、俺に明日の件だけ伝えて教室を出て行く。


(火口さんと先島さんも今日はもう帰ったようだな。と、いうことは、久々に家に帰ってゴロゴロできるぞー!)


 俺は嬉しくなり、急いで帰る準備をする。


 俺が教室から出ようとすると…


「待って、凛。今日こそは私と一緒に帰る」


 後ろから美羽に声をかけられる。


「あぁ、美羽か。悪いが俺は急いで帰ってやらなければならないことがあるんだ。どこか寄り道はできないが、真っ直ぐ家に帰るなら一緒に帰るぞ?」


「ん、それでいい。いつも、私が凛の教室に行くと、何故か凛がいない、もしくは先生に呼び出されてるから、全然捕まらなかった」


「そ、それはごめん」


(今週の放課後は忙しかったからなぁ)


「ん、許す。じゃあ、はやく家に帰る」


「わかったよ」


 俺は美羽の後ろをついて行き、学校を出た。




 現在、俺は美羽と下校しており…


「凛は最近有名人になった」


 そう言って、スマホで俺のコスプレ動画を見せる。


「あはは……美羽と店長のせいでな……」


(美羽と店長が俺にコスプレをリューくんのコスプレをさせたからだよ!)


「コスプレのおかげで、芸能事務所からスカウトされたって聞いた」


「そ、そうなんだよ。ホント困ったものだよ……」


「そして、そのスカウトマンから結婚の申し込みをされた」


「それは違う!」


(どんだけ広がってんだよ!三神さんが濡れ衣を着せられてるじゃねぇか!)


「そんなことない。これは確かな情報」


(これって、掲示板のことだよな?てか、そうでなかったら出回ってる原因が思いつかねぇ!)


 俺は気になったため、美羽に聞いてみる。


「ち、ちなみに、その情報はどこで手に入れたんだ?」


「ん、凛をスカウトした人が『リア充爆発ちゃんねる』で暴露していた」


「やっぱり、原因はあの先生かよ!」


 想像通り、先生が開く掲示板によるものでした。


「凛が言う先生というのはわからないけど、ものすごく人気のスレらしい。あ、今も開かれてる」


 そう言って美羽は一つのスレを俺に見せる。


 【相談スレ】※お前らそろそろ真剣に考えろ

 〈第8回〉リュー様のコスプレをした男性と結婚する方法


「あの先生、今も開いてんのかよ!仕事しろよ!」


(昨日の夜は第5回だったぞ!?どんだけハイペースで開いてんだよ!てか『真剣に考えろ』って催促してるじゃねぇか!)


 俺は先生が掲示板を開くペースや、本気度に驚いていたため…


「凛の反応をみると、結婚の話は本当らしい。はぁ…また変な虫がついてしまった……」


 俺は美羽の呟きを聞き逃していた。

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