第120話 だから俺はロリコンじゃねぇ!
前回のあらすじっ!
三神さんとの電話で、先生のヤバさを再認識したぜ!以上っ!
三神さんとの電話が終わり、俺はそのまま寝ることにする。
金曜日の朝になり、いつも通り舞と学校に行く。
美少女の舞と一緒に登校するため、相変わらず注目を集める俺。
舞と別れ、殺すような視線からなんとか逃れつつ、教室へと入る。
「おはよー!凛くん!」
「おはよ!汐留君!」
「あぁ、おはよう」
俺は理央と先島さんに挨拶をしてから自分の席に着く。
その前に隣の席の火口さんにも挨拶をする。
「おはよう、火口さん」
「ふぇっ!お、おはよう!し、汐留さん!」
驚きながら俺と目を合わせずに挨拶をする火口さん。
「あ!私職員室に行く用事があったんだ!」
そして、突然立ち上がり、教室から出る。
(ほら!火口さんが俺と目を合わせることすらしなくなった!だから、火口さんに正体がバレたくなかったんだよ!)
ちなみに、火口さんにバレることになった原因は、理央と先島さんが俺に、リューくんのコスプレした男のロリコン疑惑を聞いてきたせいだと思ってる。俺がポロッと言ってしまったことよりも、その状況を作った2人の方が悪いと思ってる。
「あちゃー!ゆきっちから遂に目も合わせてくれなくなったね。ドンマイ、汐留君」
「仕方ないよ、先島さん。ロリコンな凛くんとは会話なんてしたくないよ」
「おい、いつまで俺のことロリコンって言うんだ?」
「それは、小学6年生の女の子と結婚の約束をした高校生はロリコンでしょ」
「うんうん」
理央の言葉に先島さんまで頷く。
「だから!俺はロリコンじゃないんだよ!」
「じゃあ、結婚の約束は嘘なの!?」
「正確には来年結婚の約束をする約束をしただけだから!小学6年生の女の子と結婚の約束をしたわけじゃないから!」
俺は結婚の約束をしていないことを全力で伝える。
(あれは、火口さんの妹の美海ちゃんが俺を揶揄うために取り付けた約束だから!来年には忘れてるから!)
「と、言ってますが先島さん。どうやら凛くんは中学1年生の女の子なら結婚の約束をしても大丈夫と言ってますよ?」
「そうだね。ウチにもそう聞こえたよ」
「そんなこと言ってねぇよ!」
(なんでそんな風に捉えるの!?)
「で、なんで火口さんからロリコンって言われてるの?も、もしかして、ホントにロリコン……とか!?」
「そんなわけねぇだろ!」
「じゃあ、なんで火口さんがそんなこと言うの?」
「えーっと……その小学6年生の女の子が火口さんの妹の美海ちゃんのことなんだよ」
俺は、なぜ約束することになったのかを丁寧に説明する。
去年の夏頃に困ってた美海ちゃんを助けたことや、揶揄われてるだけだということを2人に伝える。
理央と先島さんは俺の話を聞き終えた後、なぜか2人だけでコソコソと話し出す。
「ねぇ、先島さん。今の話を聞いて、美海ちゃんが凛くんに堕とされてる可能性は?」
「うーん、ないとは言い切れないね。だって結婚の約束をするくらいだよ?少なくとも今は汐留君のことが好きなんじゃない?」
「だよね……」
「汐留君って知らない間にどんどん女の子を堕としてるよね。どこのギャルゲー 主人公かな?」
「わ、私は凛くんに堕とされてるわけじゃないからね!?」
「はいはい」
「う〜!」
話し合いが終わったのか、理央が顔を赤くしながら先島さんをポコポコと叩いている。
(いや、何があったんだよ!)
そう思って理央たちに聞こうとすると、先島さんから…
「ねぇ、汐留君……あ、間違えた。ねぇロリコン君」
「間違えてねぇよ!なぜ言い直したんだよ!」
「いや、今の話を聞くとロリコンの称号が相応しいかと…」
「どの辺でそう思ったんだよ!俺が美海ちゃんと結婚したいから約束したわけじゃないからな!?」
俺がそう説明すると…
「ねぇ、凛くん……あ、間違えた。ねぇ、ロリコン凛くん?」
「だから俺はロリコンじゃねぇ!」
俺はそう叫ぶが一向に聞く耳を持たない2人であった。
俺のロリコン疑惑を晴らすことはできず、武田先生が教室に入ってくる。
その後ろから火口さんも教室に入り、結局ら俺と目を合わせることなく、自分の席に座る。
(やべぇ、俺、避けられてる気がする……)
そんなことを思いながら朝のHRを過ごした。
午前中の授業も終わり、俺は理央と火口さん、先島さんの3人と昼ご飯を食べる。
相変わらず、俺と目を合わせてくれない火口さんを見て、先島さんが…
「ゆきっち!混乱してると思うけど、ここで汐留君から逃げてる場合じゃないでしょ!ライバルがいるんだから!」
何やら先島さんが火口さんに喝を入れる。
(おー!ライバルって何のことかは知らないが、火口さんから避けられるのは心苦しかったので、先島さんの一言で心変わりして、少しだけでも目を合わせてくれると嬉しいなー!)
先島さんの言葉が届いたのか、火口さんが俺と目を合わせる。
「ご、ごめんなさい!汐留さん!今日一日、変な態度をとってしまって……。そ、その……こ、これからも仲良くしてくれると……嬉しい……かな?」
火口さんから上目遣いでお願いされる。
「あ、あぁ。俺はあれくらいで火口さんを嫌いになったりしないから大丈夫だ」
「ほ、ホント!?あ、ありがと!汐留さん!」
そう言って笑う火口さんに、ドキッした俺であった。
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