第108話 最近、親に結婚の話を一切されなくなって、気を遣われ出した女性
前回のあらすじっ!
俺がリューくんファンに見つかって、襲われてしまうまで、時間の問題らしい。そうなる前に、芸能事務所に所属だけでもしなければっ!っと思ったが、所属するために、ラスボスである舞を説得しなければならない。
今から、三神さんを連れて、舞を説得しに行くとこ!以上っ!
今、俺は三神さんの車に乗って、俺の自宅に向かっている。
高級焼肉は三神さんが全額出してくれた。頭が上がりません。
「三神さん、ひとつ聞きたいことがあるのですが……」
俺は疑問に思っていたことを運転している三神さんに聞く。
「なんでしょうか?」
「なんで先生もついてきてるんですか?」
俺は後ろを振り向き、三神さんの車の後ろを、車でついてきている先生を見ながら言う。
「…………なぜでしょうか?」
三神さんも謎らしい。
「………何も起きないことを祈りましょう」
「そうですね……。ホントに」
と、お互いに同意する二人であった。
俺の自宅に三神さんと先生が到着する。
そして俺はチャイムを鳴らして、舞が出てくるのを待つ。
少し待つと…
「はーい」
と言いながら舞が玄関の扉を開ける。
そして、俺と三神さん、先生を順番に見て固まる。
返事がないので…
「あ、あの…舞さん?どうかし……」
「お兄が年上のお姉さんを二人も連れてきたんだけど!」
「うん、合ってるけど、そこまで大きなリアクションはいらないぞ?」
「なに言ってるの!お兄が美羽さん以外の女性を連れてくるなんて初めてだよ!?明日世界が滅亡するのかも!」
「俺が女性を連れてきただけで世界が滅亡するのかよ!」
俺は簡単に世界を破壊できる人間らしい。
(いや、こんな陰キャの家に来てくれる女性なんか簡単に見つからないから、結構、高難易度は高いな)
そんなことを思っていると…
「で、お兄、この綺麗なお姉さんたちは誰?」
と、ものすごく怒った顔で言われる。
「えーっと、この人たちは今日、俺を食事に誘ってくれた方たちなんだ。こちらの女性は三神さん。そしてこちらの女性が武田先生。俺の担任の先生だ」
と、ビクビクしながら2人を紹介する。
「そういえばお兄、今日は女性2人とお食事デートって言ってたね。確か、『一人は20代後半くらいの女性だけど、もう一人は婚期を逃して、手当たり次第に結婚を申し込むくらい焦っている女性』だったかな?」
そう、舞が言うと、玄関前の空気が凍った。
「ま、待て!お、俺はそんなこと……」
「おい、汐留。誰のことを『一生結婚できず、焦ってる女性』って言ったんだ?」
「そこまで言ってねぇよ!てか、舞よ!今、その発言いらなかっただろ!?」
そう言って舞を睨むが…
「ふんっ!」
そっぽを向かれる。
「で、汐留。誰のことを『最近、親に結婚の話を一切されなくなって、気を遣われ出した女性』って言ったんだ?」
「両親から気を遣われだしたとか知らんわ!」
(先生、自らいろんなことを暴露していくな!)
「まぁいい。私と三神、どちらのことをお前が妹にそう伝えたのかがわからんから、仕方なく不問としてやろう」
(ふぅ、一時はどうなるかと思った)
と、安堵していると、ふと疑問に思ったことがあった。
(あれ?俺は先生のことをそう妹に伝えたけど、三神さんも該当するのか?)
そう思ったため…
「あの、もしかして三神さんって結婚されてないんですか?」
と、聞いてみる。
「は、はい。お恥ずかしいことに…」
「へぇー、三神さんって綺麗な女性なので、もう結婚されてるのかと思ってました」
「そ、そんな綺麗な女性だなんて……」
と、三神さんは少し顔を赤くする。
「あ!お、俺なんかにそんなこと言われても嬉しくないですよね!すみません!今のは忘れてください!」
「い、いえ、嬉しい…………」
と、三神さんが何かを言ってる時に…
「おい、汐留。なに私の目の前で三神とイチャイチャしてんだ?頭握りつぶすぞ?」
「痛っ!頭が割れる!」
(もう握りつぶされてるんだけど!)
「お、俺は三神さんとイチャイチャしてたわけでは……」
「先生、お兄の頭を握りつぶしてもいいですよ。妹の私が許可します」
「お、汐留の妹は話がわかるな」
“ミシミシ”
「ギャァァァァァァァァァァァァ」
と、痛さのあまりに叫ぶ凛であった。
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作者から一言!
先生が凛に暴力を振るっておりますが、凛が先生の目の前でイチャイチャという名の暴力をしたからです。決してパワハラで的なものではありません。ご了承ください。
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