第102話 あの先生、個人情報の保護ができねぇのかよ!

前回のあらすじっ!

 凪と一緒に弁当を食べました。何か難しいことを言われたが、全く理解できなかったです!以上っ!




 凪と昼ご飯を食べて教室に戻り、3人に、一緒に食べれなかったことを謝る。


「そんなこと気にしなくていいよ!それよりも、後輩ちゃんを襲ったりしてないよね!?」


「そんなことせんわ!」


(俺、そんなことする奴って思われてんの!?)


「ウチは信じてました!……汐留君がヘタレだということを!」


「ケンカ売ってんのか!」


 先島さんから悪口を言われる。


「そ、そんなことないと思うよ?みんな心配だっただけだと思う。後輩の子から、変なことされてないか……」


「あぁ、特に何もなかったぞ。一緒に弁当を食べただけだ」


(“あーん”をした記憶はあるが、それ以外は普通に弁当を食べただけだからな)


「そ、そうだよね…」


 そう言って安心する火口さん。


(火口さんも俺が凪を襲うかもって思ってたんだな。俺って信頼ないなぁ……)


 そんなことを思う凛であった。




 放課後のHRが終わり、俺は少し急いで帰る。

その間に、理央や火口さんが『一緒に帰ろう!』と提案してくれたが、断った。


(理央や火口さんには申し訳ないことをしてしまったなぁ。今度埋め合わせをしないと)


 そんなことを思いながら家に帰り着く。


(18時半に学校に着けば、三神さんか拾ってくれる予定だったな。真っ直ぐ家に帰ったから時間には余裕があるな)


 そう思いながら、余裕を持って出発の準備をする。




 そろそろ家を出た方がいい時間となったため、舞に出かけることを伝える。


「じゃあ、俺は今からご飯食べに行ってくるから」


「あ、行ってくるんだね。20代後半くらいの女性と、婚期を逃して、手当たり次第に結婚を申し込むくらい焦っている女性の二人との食事会に」


「ちょ!そんなこと言ったけど、絶対にその言葉を他の人に言わないでね!?その人の耳に入ると、俺、殺されちゃうから!」


「……………ふんっ!」


 そっぽを向かれました。


(やべぇよ!俺がテンパって先生に対して思ってた言葉をポロッと喋ったけど、その言葉を全部覚えてやがる!この言葉、先生の耳に入ったら殺されるレベルではすまないんだけど!)


 と、思ってなんとか忘れるようにお願いするが、舞は俺の言葉に耳を傾けず、テレビを見始めた。


(くそぅ、昨日から機嫌が悪い!おそらくだか、今からの食事会を、女性二人とすることに怒ってると思う。昨日、女性とすることを伝えたら『調子に乗るなよ!?』って言われたからな。“モテ期到来!”とか思わずに、タダ飯だけ食べて帰ってきます!)


 そんなことを思いながら家を出る凛であった。




 一人で歩き、18時半前に学校に着く。


 少し待つと、俺の前に車が停まる。


「すみません!お待たせしました!」


 そう言って三神さんが挨拶をしてくる。


「わざわざ、迎えに来ていただきありがとうございます」


「これくらい問題ないですので、お気になさらず。では、食事場所まで行きましょう!助手席に乗ってください!」


「わかりました」


 そう言って、俺は助手席に腰掛ける。


「では、今から20分くらいで食事場所には着くと思います。今日は武田先輩の希望で高級焼肉となりますので、楽しみにしてください!」


「すみません、高級ではなくても良かったのですが……」


「いえ!汐留さんが断っているところを無理やりお願いした形にはなりますので」


「は、はは…ありがとうございます……」


(先生のせいで、三神さんにすごく気を遣われてしまったんだけど!)


 そんなことを思っていると、コスプレした格好以外で三神さんに会うのは初めてだということを思い出す。


「あ、そういえば、俺と三神さんが会うのはコスプレした時の姿だけですよね?」


「そうですね」


「俺を拾う時、どうして俺がコスプレした人ってわかったんですか?」


「それはですね。武田先生が私のラインに、汐留さんの制服姿の写真を送っていただきました。あと、学校での様子も教えていただきました」


「あの先生、個人情報の保護ができねぇのかよ!」


(ペラペラ喋りすぎだ!)


「ま、まぁ、私は漏らしたりしないので大丈夫と思ったのかも……」


「そんなことを考えたと思いますか?」


「………いえ、そこまで考えてないかと…」


「ですよね……」


 そんな話をしながら食事場所へと向かった。

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