第84話 ねぇ!凛お兄ちゃん!私ってかわいいですか!?

前回のあらすじっ!

 火口さんを家に送り届けてるところ!以上っ!




 俺たちは連絡先を交換した後、火口さんの家の前へと辿り着く。


「じゃ、じゃあまた明日ね、汐留さん!」


「あぁ、また明日!火口さん!」


 そう言って俺は自分の家へと帰ろうとすると…


「あ!待ってください!凛お兄ちゃん!」


 と、火口さんの家の方から、一人の女の子が声をかけてきた。


「おー!見ない間に大きくなったね!美海ちゃん!去年の夏休み以来だね!」


「そうですね!あの日以来になります!」


 この女の子は『火口美海ひぐちみうな』。火口さんの妹で、現在は小学6年生。髪は火口さんと同じ黒色で、ツインテールにしている。容姿は火口さんを幼くした感じで、すごく可愛らしい。


 去年の夏休みに、困っていた美海ちゃんと出会ってから、火口さんとも関わる機会も増えた。


「今日はお姉ちゃんとデートされてたんですか!?もしかして、遂に付き合い出したとかですか!?」


 と、興奮状態で聞いてくる。


「い、いや、別にデートしてたわけじゃないし、火口さんと付き合ってもないぞ?」


「えー!まだなんですか!?」


「そんなわけないだろ?俺を見てみろよ?火口さんと釣り合うわけないだろ?」


「そんなことないと思いますけど……。あ!付き合ってないなら、私が凛お兄ちゃんの恋人になります!」


「えっ!それは……」


「それはダメー!!!!」


 いきなり火口さんが叫ぶ。


(うぉぉ!ビックリした!まぁ、美海ちゃんが俺と恋人になるのはダメだよな。俺もそう思う)


「なんで?お姉ちゃん?お姉ちゃんは凛お兄ちゃんと付き合ってないんだよね?」


「う、うん。まだ付き合ってないよ?」


「じゃあ!美海が凛お兄ちゃんと恋人になっても問題ないよ!」


「問題大ありだよ!」


「えー?どの辺がダメなの?」


「うっ!そ、それは……汐留さんが美海に釣り合わないから!」


(うん、俺もそう思うよ?でもさ、「まだ小学生でしょ!?」とか、世間的にアウトな件を伝えてほしかった……。ストレートに思ってることが出たんだろう。全くオブラートに包めてねぇ!)


 と、俺が心の中でダメージを受けていると、美海ちゃんが俺の下へやってきて…


「ねぇ!凛お兄ちゃん!私ってかわいいですか!?」


 と、首を傾げながら聞いてくる。


「あぁ、とてもかわいい女の子だよ」


「将来は美人さんになると思いますか!?」


「あぁ、火口さんと同じくらい美人さんになると思うよ」


「わーい!じゃあ!今のうちに結婚の約束をするべきだと思いませんか!?」


「どうしてそうなる!?」


(恋人になる話から、どうやったら結婚の話になるんだよ!)


「えー!だってかわいい女の子は競争になるので、今のうちにゲットしておくのが、賢いと思いますよ?」


「いやいや!小学生と結婚の約束をする高校生はアウトだから!」


「うぅ〜、そういうことにします。じゃあ!美海が中学生になった、来年こそは結婚の約束をしましょうね!?」


「あ、あぁ……美海ちゃんが覚えていたらね」


「やったー!絶対ですよ!?」


「あぁ、約束するよ」


 と、俺の言葉に満足したのか、ニコニコしている美海ちゃん。


(小学生の頃の約束なんてすぐ忘れると思うし、一年も経てば、“俺と結婚したい!”とかは思わないでしょ。どうせ、俺を揶揄って遊んでるだけだろう)


 そんなことを思って、美海と口約束をする凛であった。




「あ!凛お兄ちゃんに言いたいことがあったんです!」


 そう言って再度、俺に話しかける。


「お姉ちゃんね!いつも凛お兄ちゃんの話をパパやママにしてるんです!かわいいですよね!?」


「えっ!そ、そうだね……ちなみにどんな内容かな?」


「うーん……秘密です!」


「あ、はい」


(どうやら俺に言えないようなことを家族に伝えているようだ……。うぅぅ……火口さん。俺、これから頑張って、話のネタにならないようにするよ)


 そんなことを思う凛であった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ヤ、ヤバい!美海ちゃんが可愛いすぎるんだけど!?

 ※作者はロリコンではありません。ご理解ください。

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