逃げた飼い犬を探していたのだが見つからないのでその飼い犬の名前を「〇〇大好きだ！」と叫んだら名前の読み方が同じ美少女に聞かれていた件

光龍と雪音

第7話 光龍の思いと雪音の思い

何というか.....俺はどうすれば良いのだろうか。

それはどういう意味かといえば今の状況を指している。

今俺は.....昔好きだった女の子と再会した。

そしてその事に大谷さんが困惑している。

「.....うーむ」

「いやお前良い加減にしろよ溜息をよ。毎回毎回。.....俺が集中出来ないと言ったろ前。.....話してみろ今回も。話さないと殴るぞ」

「殴るっておま.....」

「当たり前だろ。俺の勉強時間を何だと思ってんだ」

「そうそう。勉強時間を何だって思ってんのかなぁ？」

背後にニヤニヤした光龍が現れた。

俺は苦笑いを浮かべながらその姿を見る。

すると光龍は、浮気者かなぁ？、と言ってくる。

「.....いや。ねぇよ。光龍」

「それとも私で悩んでいるの？もしかして」

「.....ウルセェな.....」

俺は適当にあしらう。

すると高貴が迫って来る。

それから、あしらうな？ちゃんと話せよ？、とニコッとする。

それは非常に怖い顔だった。

俺は苦笑しながら高貴を見る。

「悩んでいるんだ」

「.....何をだよ？ってかそれは見れば分かるけど」

「俺は光龍とは何となく接しずらいんだよ」

「.....ああ.....そういう事か」

「まあ私の初恋の相手であって今でも初恋だからねぇ」

「.....あのな.....」

そんな会話をしていると。

不愉快そうな大谷さんがやって来る。

因みに光龍は完全無視だ。

俺はそんな大谷さんに苦笑しながら、どうしたの、と聞く。

すると大谷さんはジト目で光龍を見た。

「あまりお姉ちゃんの事を見ていても仕方がないよ」

「.....そんな事は無いんじゃない？妹ちゃん」

「私は貴方に妹って呼ばれる筋合いはないよお姉ちゃん」

「.....へぇ？」

そんな感じで光龍と一対一になる大谷さん。

俺はその姿を見ながら額に手を添える。

すると高貴が、まあまあ。取り敢えずは喧嘩は良くないんじゃないかな、と言う。

ナイス仲裁だぞ高貴。

「.....みんな見ているしな」

「.....そだね。まだ続ける？妹ちゃん」

「.....」

大谷さんは不愉快そうにプイッとそっぽを向いてから。

そのまま女子達に混じって行く。

俺はその姿を見ながら光龍を見る。

光龍はニコニコしながら俺を見てきていた。

全く気にしない形で、だ。

「.....光龍。何で今転校して来たんだ？そう言えば」

「今転校して来た理由？.....それは内緒かなぁ」

「.....そうか」

話さない感じだ。

俺はその言葉に顎に手を添える。

そして、分かった。取り敢えずはお前には聞かない、と言う。

光龍は謎めいた存在だしな。

昔から、だ。

「.....光龍。でも今現在何かあるなら話せよ。マジに」

「.....嫌と言ったら？」

「.....その場合は仕方がないけどさ。でも.....話す事は必要な時もある。.....だから黙っているのは良くない」

「.....そっか。.....でもこの話をするのは嫌だな。.....私は君に嫌われたくないし」

「.....」

相変わらずだな。

俺は.....思いながら光龍を見る。

光龍はニコニコしながら俺を見ていた。

俺はその姿に真剣な顔になる。

正直言って.....この事があるから初恋の相手ながら.....俺は光龍が苦手になった、ともあるが.....。

「.....でも必要になったら話すよ。.....私は全部ね」

「.....そうしてくれ。.....大谷さんと何があったかも知りたい」

「.....そうだね」

「.....」

本当に謎めいているな。

全てが、だ。

俺は考えながら光龍を見る。

そしてチャイムが鳴った。

それから光龍は手をブンブン振ってから帰って行った。

「.....ミステリアス、が似合っているかもな」

「.....そうだな。お前もそう思うか」

「.....そうだな。.....まあでも本人は話さなさそうだ。.....取り敢えずは徐々に崩していくしかないんじゃないか。光龍さんの周りを」

「.....そうだなぁ.....」

そんな会話をしながら鼻歌を歌いながら俺に手を小さく振る光龍。

俺はその姿を見ながらまた顎に手を添える。

そして先生が入って来てから。

俺達は真面目に勉強をした。

正直言って.....全然頭に入って来ない。

光龍の事でインパクトが強すぎて、だ。

ったくどうしたものか、と思う。