第18話 パスタを食べる私

私達は車に乗り込む。

そして走りだすと勇樹は

窓の外を見ながら楽しそうに

声を出している。


私を信用していいんですか?

と聞くと


大丈夫ですよ、唯さんの紹介だし。

と耕造さん。


途中買い物していきますね。

あ、そうそう紹介します。


この女性が希望さんの世話役です。

そう言うと白い服を着た女性が言う。


「初めまして。長山 友恵と申します。

 ありふれた名前でごめんなさい」と。


あぁこの人も偽名か。と私は思った。


車の中で色々と話す。

異世界からこの世界へ来る人は

結構多いとか、逆も多いとか。


その世界は同じだったり違ったり。

いい奴もいれば悪い奴もいる、と。


たまに人間じゃない異形のモノも

やってくるとか。


私は思った。

なるほど、そう言った存在は

そう言った存在に任せるって事か、と。


ああ、でも。というと友恵さんは


ほぼ、異世界バトルにはならないですよ?

私は期待しているけど。

相手はほぼこちらの人間です。


そういった手の負えないのは

また別のチームが居ますので。


希望さんはあっちでの職業は?と

聞いてきた。


「ま、魔法士、攻撃魔法士です」と

私は正直に答えたが

「杖を持ってきていないので

 使えるかどうか・・・。」とも言った。


きたこれ!レアきた!と興奮する友恵さん。


唯さんもレアじゃないか。

精霊使いと言いながら死霊を使ってるし。

と耕造さん。


そう言った謎の言葉が散りばめられつつ

話は続いた。


そして車は止まる。そして

店の様な建物に入る。


なんかもう勇樹は目をキラキラさせて

「うぉお」と声を発している。


アイスでも食べるか!と耕造さんは

勇樹の手を引き歩いて行った。


私達はこっちで買い物しましょう。

服とか下着とか。

その扉が自動で開き、中に入ると


「うぉおおおおおお」と私はつい

声を出してしまった。


こ、これは凄い所だ。と驚き

我を忘れ友恵さんを連れて色々と

見て回る。


もう大興奮の私。

笑いながら、色々聞きながら。


私は気に入った服をバンバン手に取る。

勇樹に着せたい服もバンバンとる。


そして会計に向かう。

68万8000円です。


そう、売り子さんが言うと友恵さんは

なにか小さな板の様な物を取り出し


「これで。一回払いね」と

なにか、かっこよく言った。


ち、ちなみにそれを

私の世界の通貨に換えると?

と私は聞いてみた。


唯さんは確か、エアストだから。

希望さんもよね?だったら・・・


金貨7枚ね。と。


「本当にすみません!つい!」

と、私は顔を赤くして謝った。

そして


「は、半分、いやそのまた半分でいいです」

と言うと、友恵さんが笑いながら言う。


「いいじゃない、これ位。元気がない時は

 女子は買い物をするに限るわ」と。


・・・どうせ国が払うし。

私の服も入ってるし・・・。

とぼそっと言ったのを聞き逃さなかった。


二人は両手に袋を持ち笑いながら

店を出た。


車の所で勇樹は耕造さんと一緒に

笑いながら白い何かを食べている。

勇樹は私に気づくと手を振る。


「ねえこれ!すごくおいしいよ!

 ソフトクリームって言うんだよ。

 母さんも食べる?」と差し出す。


私は差し出されたソフトクリームと

言う食べ物を一口食べる。


「おいしいね、勇樹」

「うん、おいしいね、母さん」


道ながら色々なお店に寄る。

「あ、あの。

 パソコンって高いんですか?」と

聞いてみた。


「大丈夫よ、それも買おうとしてたから」

と笑いながら友恵さん。


そうこうして宿屋に着く。

荷物は預かっておくと言われ

少しの服を貰い、そしてパソコン。


私達は受付をする。

そして、名前を書く。


神原 希望

神原 勇樹


部屋に友恵さんと一緒に行き

中に入る。

もう勇樹は大騒ぎだ。


友恵さんは一通り説明する。

・・・さっぱりわからなかった。

まぁ、形は違えど使い方は

同じだろう。と、高をくくっていた。


その思いは打ち砕かれることとなる。


友恵さんはテレビをつける。

「うぉ!?」と声を発してしまった。


なにか絵の様な物が動いている。

勇樹が笑いながら見ている。


友恵さんはテレビについて説明し

リモコンなるものも一緒に説明する。


そして友恵さんは

「じゃ、がんばってねー」と

ニヤニヤしながら部屋を出て行こうと

してふり見く。


「鍵はちゃんとするのよ?」と

言うとドアを説明をして

開け出て行った。


一時してから「ぎゃー」と言う

勇樹の声がした。

その方へ向かうとなんと!


「大変だ!雨が降ってきた!」と

頭を抱え勇樹が座り込んでいた。

シャワーと言うモノだった。


勇樹がびしょぬれだったので

服脱がし二人でお風呂に入った。

ボディソープを使う。


「あわだらけだ」とユウキが笑う。

凄くいい匂いがする。


このままではいけない!

何かするたびに驚くのは

体に良くない!と思い


全ての、この宿屋における全ての

説明書を目にする。

こう見えて私は勉強するのが得意だ。


少し時間をかけて「ご案内」と

書かれている物を読みつくした。

よし、ご飯を頼もう。


私はパスタのカルボナーラだ。

それとサンドイッチ。

勇樹はオムライスなるモノを。


飲み物はビールと

オレンジジュースなるモノを。

大丈夫。パソコンで調べた。

おいしそうだった。


そして一時して料理が届いた。

二人で食べた。

なんだこれ!むちゃくちゃ上手い!


勇樹もがつがつ食べている。


お腹いっぱいになったのか

勇樹は寝てしまいいた。


私も勇樹の横に寝る。

何と平和な所なのだ。


買い物の時でも争う姿はなかった。

このホテルでも皆が静かに

過ごしている。


エアストとは大違いだ。

パソコンで調べた歴史。


本当に同じ世界なのか。

私はいつのまにか寝ていた。
















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