第8話 ウォッカさんを知った私
私は目が覚める。小屋の中の様な所で。
少しボォッとしていたが
ハッとして周りを見る。
ジェニ様が居ない!
私は起き上がろうとするが体が動かない。
「まだ寝てるにゃ。ジェニエーベルは
無事にゃ。ウォッカが一緒に
遊んでいるにゃ」と猫耳の何か。
その猫耳の何かは扉を開け
「気が付いたにゃ」と外に向かって言った。
そう声がしたら、一人の女性は歩きながら
ジェニ様は走りながら私の所へ来た。
多分この人がウォッカと言う人だろう。
桃色がかった白い髪の女性。
あぁ、そうか、この人に助けられたんだ。
「まだ寝てなよ」と心配そうに
私を覗き込みながらジェニ様は言う。
「よくがんばったな。2~3日寝てれば
起きれるようになるだろう」と
そのウォッカさんは言った。
「スパルタにゃ。1週間は寝てほしいにゃ」
と猫耳の何か。
「私は飯でも貰ってくる。スコはここで
見ていてくれ」と言うと部屋を出て行った。
一時すると私も落ち着きお礼をする。
「スコ・・・さん。ありがとうございます。
助けていただいて」と私が言うと
「スコティにゃ。名前。そして助けたのは
ウォッカにゃ。まだ寝とくにゃ」とスコティ。
「ここはあの男たちの家ですか?」と私は聞くと、
スコティさんは言う。
ここは精霊の里にゃ。普通は人間は
入れないけど、ウォッカがゴネたにゃ。
ゴネが通らないとウォッカは暴れるから
ドルイダスも仕方なく了承したにゃ。
「これだから暴力バカはいやだにゃ」と
目を細めながら言った。
「だれがバカだ。髭むしるぞ」と後ろから
ウォッカさんは冷たい声で言うと
両手に沢山の果物を持って帰ってきた。
「いやぁドルイダスは気前がいいねぇ。
さすが精霊女王様だ」と今度は、
笑いながらウォッカさんは言った。
「脅したにゃ・・・」と
スコティさんが言うと・・・。
本当に髭を毟ろうとしたウォッカさん。
まぁ容体がよくなるまでここに居ろ。
そう言うと
「ジェニエーベル、私と少し散歩に
行こうか。ここは珍しいものが
沢山あるぞ」と
微笑みながらウォッカさん。
なんとジェニ様もウォッカさんの手を取り
「いく!」と言いながら部屋を出て行った。
「ああ見えてウォッカは子供に好かれるにゃ。
子供はあの微笑みに騙されるにゃ」と
少し笑いながら言うスコティさん。
「私も薄れていく意識の中で最後に見たのは
ウォッカさんの微笑みでした」と言う私。
まるで女神でした。とも付け加えた。
それを聞いたスコティは
彼女は魔族にゃ。
サンテミリオンと同じにゃ。
精霊と妖精からは地母神と呼ばれてるにゃ。
本人は知らないけど。・・・にゃ。
なんか強引に
「にゃ」を付けたスコティさん。
え?魔族?・・・それに妖精。
私は聞きなおした。
サンテミリオン様も本当に魔族
だったんですか?それに妖精、
存在するんですか?と。
そうにゃ。
サンテミリオンも魔族。
ウォッカも魔族。エンドの眷属にゃ。
妖精もいるにゃ。精霊の里の先に
居るにゃ。
因みに私も分類的には妖精にゃ。
ちょっと違うけどにゃ。
それを聞いて思わず口にする私。
「ジェニエーベル様も・・・
魔族なのでしょうか。」と。
微かには感じるけど、普通生きるモノが
持つ量と同じくらいの感じにゃ。
逆に人間の方が憎悪とか、そう言った
モノがあるから私達から言ったら
人間が魔族にゃ。
「もし魔族だったらどうするにゃ?」
とスコティさんは私に聞く。
私は答えた。
「変わりませんよ。今までと。
ジェニ様はジェニ様です。
私の、守る大切な存在です」と。
「まるで母親にゃ」とスコティさん。
「えぇ、そうありたいとこの頃
思っています」と私は少し
赤くなりながら言ってしまった。
その病気。直るといいにゃね。
スコティさんは私の手に手を重ね言った。
わかるものなんですね。妖精って。
この病気が。と聞き返した。
その病気は駆逐したと思ってたにゃ。
ウォッカの両親が頑張って。
え?じゃあウォッカさんは
ベルジュラック様のお孫さんなのですか?
そうにゃ。バーボンは
ウル〇ラマンが仮面〇イダーを産んで
その仮面〇イダーがキング〇ドラを産んだ
みたいなものと、
わけわかんない事言ってたにゃ。
バーボンさんって青の国の指揮官ですよね。
と私はさらに聞き返すと
バーボンの奥さんにゃ。ウォッカは。
と衝撃的なことを言った。
「し、知らなかった。いや、
聞いたかもしれません。すごい綺麗な
強い人って」と私。
じゃあウォッカさんは青の国の人なんですか?
とも聞くと・・・。
違うにゃ。ウォッカは青の国で指名手配中にゃ。
「討伐」対象にゃ。
討伐って、魔獣扱いじゃないですか。
と思わず言ってしまった。
そこで私はある事を思い出した。
バーボン様のご子息は
ベルジュラック様と死んだ・・・。
いや、行方不明となっているという事を。
「ウォッカはずっと娘を探しているにゃ。
もう5年。これからも探すにゃ。
母親だから。・・・にゃ」とスコティさん。
「い、生きているんですか?」と聞く。
生きてるにゃ。そう信じているにゃ。
ウォッカは、私が生きていると思えば
娘は生きている。といつも言うにゃ。
だからあんな所、バカノラにも行くにゃ。
そういえば魔獣は?私達を連れて
逃げてきたんですか?と聞くと
いや、ウォッカがやっつけたにゃ。
秒殺にゃ。とスコティさん。
あ、あれを秒殺ですか・・・。
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