111.また、はじまりの日。メルリィ・キータイトと《幸福の味》の話【中編】


 大陸より東方。

 数百とも数千ともいわれる数多あまたの島嶼が固まり連なるその海域を、《多島海アースシー》と人は呼ぶ。


 神代の終わり、かつて世界に君臨したとされる旧人類――《真人》たちが此処ならぬ果ての異世界へ旅立つとき、彼らはその最後の時を豊かな自然はぐくむこの多島海の島々に降り立ち過ごし、はるかな旅を前にその翼を休めたと、旧き伝承は伝えている。


 伝承の真偽は定かでない。

 しかしその物語を裏づけるように、多島海の島々は旧文明の痕跡――はるかなるいにしえの時代に真人たちが世界へ置き去った遺産、その宝庫であった。


 真人の遺跡は遠き過去の時代に失われた魔法文明を収めた蔵であり、同時にそれらは危険をそのはらにはらんだ迷宮ダンジョンでもあった。

 ゆえにこの地は、冒険者の天地。

 襲い来る危難を払い、暗がりに潜む魔物を討ち、迷宮を踏破して古の財宝と名誉を持ち帰る。


 ある者は夢を。

 ある者は探求を。

 ある者は一獲千金の未来を求めて。


 多島海には冒険者が集い、己が栄光と冒険譚を誇らしく歌いあげ――故にこの地で生まれた子供なら、誰しも一度は冒険者となって世界を渡る夢を見る。

 命知らずの彼らを支え、迷宮踏破を推し進める《諸王立冒険者連盟機構》の組織をもって、未知への探求と冒険を奨励する多島海アースシーは、ゆえにこそ、冒険者の天地と呼ばれて久しい。


 多島海アースシー諸王国の一つにして、多島海最大のルクテシア島に版図を広げる王国――大陸にまでその支部を伸ばす《諸王立冒険者連盟機構》盟主国ルクテシア。

 ランディはこの国で生まれ育った、そしてこの国では誰しもそうであるように未来の冒険に憧れる、ごくごくありふれた八歳の子供。――その、一人だった。



 トリンデン卿――オルデリス公フレデリク・ロードリアン・ディル・トリンデンの命を狙った暗殺を巡る、一連の事件が解決を見てから二日。


 トリンデン邸こと《遊隼館》での四泊五日の滞在を経てようやくの帰宅を果たしたランディ達は、帰宅直後の諸々の始末をつけた後――ウィナザード家でいちばん広い食堂兼リビングの、応接セットを囲んでいた。


「メルリィがこのおうちで一緒に暮らすにあたって、まず決めておかなきゃいけないことがいくつかあるよね」


 家でいちばん広い部屋の窓辺に置かれた応接で、ソファに座ったランディとメルリィを見渡して。

 ひとりだけ腕組みして立ちながら、ユイリィは言った。


 なお、そんなソファセットのテーブル下では、クゥが四日ぶりの自分の寝床――たたんだ毛布のうえでごろごろごろごろごろごろごろと転がって、愛用の毛布に背中や鼻っ面をこすりつけながらくぅくぅと上機嫌な鳴き声をあげていた。


「それは……わたしの処遇に関して、でしょうか」


 メルリィは抑えた声で訊ねる。

 目下、その命令を『無効化』された状態にあるとはいえ――トリンデン卿の命を狙う暗殺者として送り込まれた《機甲人形オートマタ》であり、にもかかわらずこれという咎めも懲罰もないままウィナザード家の預かりとなった彼女にとって、まずその発想へと至るのはごく自然な流れではあっただろうが。


「大きな意味ではそうかもしれないけどちがいます。メルリィ不正解です。ランディちゃんはわかりますか?」


「はい! メルリィさんのお部屋を決めなくちゃいけません!」


「そのとおりです! ランディちゃん大正解ー!!」


 ユイリィは大きく首肯し、胸の前でぱしんと両手を打ち合わせた。


 そう、まず第一の問題はそこだ。

 唯一、この懸案の当事者であるはずのメルリィだけが、この明確な答えにまだ腑に落ちないという顔をしていた。


 前提として。

 この部屋で寝室と呼べる部屋は、まず一階にあるランディの両親の部屋。

 あとは二階に並ぶ三部屋が、階段に近い方から順に、兄・シオンの部屋、ランディの部屋、客間――そのうち一番奥の客間が、ユイリィの部屋ということになっている。


「いちおうシオンのお部屋は使えないことないけど……シオンはいつ戻ってくるかわからないし、勝手に使っちゃうのはちょっとためらうよね」


「ね」


 ランディの兄・シオンは、先月から冒険に出ていて不在だ。


 《雷光の騎士》の異名を以て広く知られる冒険者であるシオンは、四年前からトスカに留まり、つい先月までずっと弟であるランディの面倒を見ていた。

 しかし現在は、ひそかに行われていた危険な魔物の密輸――その犯人を捕らえて悪事の根を断つべく、ランディにとっては親しいお隣さんである魔女のフリスや、かつてパーティを組んでいた仲間の冒険者達と共に、多島海アースシーのどこかで冒険の旅をしている。


「でも、それっておとうさんとおかあさんのお部屋もだよね?」


「うーん……」


 ランディとシオンの両親――デルフィン・ウィナザードとエルナ・ウィナザードもまた、数十年に渡って現役にありつづけているベテランの冒険者だ。

 彼らは現在、多島海アースシーを離れて西の大陸へと渡り、最後に受け取った手紙によると地中海イナーシーに面する沿海地方を旅しているようだった。


 だが、実のところ――

 デルフィンとエルナの部屋について、ユイリィはシオンからこんな風に言われていた。



『もし何かの必要になったときは、親父とお袋の部屋は遠慮なくぶっツブしてくれていいからさ。どうせあの二人めったに帰ってこないんだし、構うことないって』



 ――朗らかに笑いながら言い放つシオンは、端的に言ってちょっと怖かった。

 直接言われたユイリィだけでなく、そばでたまたまその話を聞いていたフリスなんかもちょっと血の気が引いていたみたいだったので、ユイリィの先入観からくる気のせいだったという可能性すら儚くも棄却されてしまっていた。


「……そうだよねぇ。デルフィンとエルナのお部屋も、残しておきたいよね」


「ねー」


 《双頭蛇竜アンフィスバエナ》討伐の一件と、その後の諸々を経て。

 四年に渡って抱えていた、再び冒険へ出ることへのわだかまりは解けたシオンだが――長年積もりに積もった両親への憤懣ふんまんとわだかまりは今なお根深く、彼の心でくさびのように刺さりつづけているみたいだった。


わたしのことであれば、どうかお気遣いなく。わたし機甲人形オートマタ、言わばこの家のです。お部屋をいただく必要など」


「《人形工匠マエストロ》エクタバイナがあなたをそんなふうに遇していたということなら、ユイリィ達もそれに倣わせてもらうのはやぶさかじゃないけれど」


「それは」


 とっさに反駁しかけ、メルリィは継ぐべき言葉を見失ったようだった。

 事実として、半ば放言するようにあっさりとしたユイリィの指摘は、メルリィにとって答えようのないところを突いていた――正直に答えたその瞬間、最前の提案は自動的に棄却せざるを得なくなる。


「マエストロ……エクタバイナさん?」


 わずかに鋭さを増したふたりの機甲人形オートマタの空気に気づくでもなく、ランディはこきゅっと首をかしげる。


「……って、だれ?」


「それは――その」


「メルリィの制作者で機主マスター。ユイリィにとってのおじーちゃんみたいなひとかな」


「え……」


 要約するユイリィの説明を聞いた瞬間、ランディの表情が目に見えてこわばった。


「あの、それって、その……もしかして、メルリィさんにレドさんを襲わせた……?」


「ううん、違うよ。メルリィをトリンデン卿の暗殺者に仕立てたのは別のひと。第八工廠の――」


 ――第八工廠の


 うっかりそう零しかけて、ユイリィは寸前でその言葉を断ち切った。


(おっ、と……)


 あぶないあぶない。

 ランディちゃんの前で、きたない言葉遣いするなんてよくない。


 《L-Ⅹユイリィ》に搭載された疑似人格制御機構――その外殻形成たる《外的人格殻ペルソナ》適応制御の難というべきところだ。きちんと自分で気をつけておかないと、余計なに引っ張られてしまいそうになる。


「……わたしが口を挟むのは、僭越と思いますが」


 唐突に言葉を切ったユイリィに、メルリィは怪訝そうに眉をひそめていたが。

 ややあって、そう控えめに口を開いた。


「ユイリィ・クォーツが仰りたいのは、《人形工匠マエストロ》レイス・ヴァーベインのことでしょうか」


「あ、それそれ。そのひと。ありがとメルリィ」


 指摘に対する礼を言いながら、笑って手刀を切る。


「とにかくそういうわけなのですランディちゃん。メルリィをトリンデン卿の暗殺に差し向けたのは《人形工匠マエストロ》エクタバイナじゃなくて、ほかの悪いひとだったのです」


「悪いひと……!」


 ランディは、むむむ、と難しい顔で唸る。悪を許さぬ正義の炎が、胸の中でめらめら燃え上がっているのに違いなかった。


「そういう訳だから、メルリィの寝起きには客間のベッドを使ってほしいんだけど」


「どういう訳ですか?」


 絶句寸前の体で、メルリィは呻く。

 話の前後がろくに繋がっていないのだから、無理もない反応だったが。


「そもそもですが、それは既に決定事項なのですか……?」


 物問いたげに唸るメルリィの面持ちには素知らぬふりを決め込んで、早々に話を先へ進めることにする。


「問題はまだもうひとつあって――というより、ほんとはこれってもっと早くに確かめておかなきゃだったと思うんだけど」


 いくぶん渋い面持ちで見上げてくるメルリィへと視線を向け、ユイリィは問うた。


「メルリィ、機体フレームの右腕と胸。まだあんまり直ってないよね?」


 メルリィはぐっと押し黙り、視線を背けた。

 ランディもそのことを思い出したか、「あ……」と掠れた呻きを零す。


 つい二日前まで、メルリィはトリンデン卿――フレデリク・ロードリアン・ディル・トリンデン=オルデリス卿の命をつけ狙う暗殺の任務を帯びていた。


 《遊隼館》での紆余曲折を経てその命令は事実上無効化され、一連の事態は収拾を見たのだが――その最中においてメルリィは竜騎士が駆る飛竜の突撃チャージをまともに喰らい、盾代わりにした右前腕に甚大な損傷を受け、かつ腕一本を盾に庇った胸郭にも大きなダメージを負っていた。


 機体に実装された自動調律オートメンテナンスによって徐々に修復が進んではいるのだろうが、一部とはいえ稼働不能となるレベルの損傷となれば、一日二日でどうこうなるような軽いものではない。


 メルリィ自身が何でもないように振る舞っているから素直なランディなどは見誤らされたのだろうが。よくよく注視してみれば彼女の右腕、その肘から先が一切動いていなかったのは、容易に見て取ることができたのだ。


「メルリィさん、もしかしてまだずっと痛かった……?」


「いえ、そのようなことは。右前腕以外の稼働は既に支障ない状態まで回復していますし。ただ――」


 メルリィは唇を噛んで、表情を曇らせた。


「《L-Ⅵメルリィ》の自動調律オートメンテナンスでは、右腕の完全修復までに数ヶ月単位の時間を要するものと推定されます。その間のわたしは、十全の職責を果たし得ません……」


「ん。じゃあ、こうしよっか」


 ぽん、と。ユイリィは再度、両手を打ち合わせる。


「ランディちゃん、地下室って使ってもだいじょうぶだよね?」


「地下室? 地下室って――あ」


 ランディも気づいたようだった。ユイリィはニコリと笑みを深くする。


 ウィナザード家の地下室。そこはランディの兄や両親が冒険から持ち帰った武具や魔導書。冒険のための道具。その他、使い道があるのかないのか分からないものが押し込まれた、つまるところの物置だったが。


 その地下室に、ひとつ。メルリィの状況を改善しうるものが眠っている。

 そう――


「「――《コフィン》!」」


 長い睫を擦り合わせるようにぱちくりと瞬かせるメルリィの前で。

 ふたりぶんの声が、綺麗に重なった。



 ランディの家には、跳ね上げ扉で固く閉ざされた地下室がある。

 

 兄や、それ以外の――とにかく『大人』と呼ばれるひとたちしか開けられないし入ってはいけないのだと厳しく言いつけられていたそこには、


 シオンや両親が冒険の中で集めた数々の武器・防具。

 フックに吊るした外套と背嚢はいのう、その他使い込まれた旅の道具。

 うずたかく積み重なった魔導書の山。

 大工道具。シャベル。つるはし。無造作に積まれた麻袋。

 何に使うつもりで置いてあるのかわからない材木やレンガ。植木鉢。


 などなど。


 そうした諸々が雑多にしまわれ、あるいは積まれた地下室は、一言で要約すればだったのだが。


 階段で下りた先。ランディが両手を伸ばして五人並んでも端から端まで手が届かないくらい広い物置の、そのいちばん奥まった場所――武器や防具、うずたかく積み重なった魔導書の山やそれ以外のいろんなもののさらに先に、それがある。


 ガラス筒をそのうちに抱き、石造りの壁に背を預けて直立する、鉄の棺と呼ぶべきもの。


 ガラス筒はその後ろ半分だけが棺の中に納まっていて、残りの前半分は棺の蓋を思わせる周囲のパーツごと、上方へせり上がった状態で沈黙している。


 はじめてランディがこの地下室へ入ったとき、ガラス筒の中には青褪めた光を放つ水みたいなものがいっぱいに満ちていて、水槽みたいになったその中にはケーブルで《棺》と繋がれたユイリィが浮かび、眠るように静かにそのまぶたを閉じていた。


「……《コフィン》」


 ユイリィが目覚めてからは、すっかり放置されていたその《棺》。

 ガラス筒の前半分ごと蓋のような部分が開けっぱなしになったそれを前に、メルリィはぽかんと口を開けて、呆れたように力を欠いた声でひとりごちる。


「まさか、こんなものまで持ち込んでいたなんて……」


「RAP/FA-G860型。全領域用Lフレーム対応型のやつだから、たぶんメルリィでも使えるんじゃないかな――有線ケーブルのジャックってあったはずだよね?」


「はい。あまり使うものではありませんが、一応……」


 ユイリィをみて、コクンと頷くメルリィ。


 正確なところはわからないけれど、たぶんユイリィと《棺》を繋いでいたケーブルに関する話なのだろう。そのケーブルはといえば、ぽっかりと空洞みたいにひらけた《棺》の中で、干し柿の紐みたいにだらんだらんと上から何本も垂れ下がっている。


「……とはいえ、この状態では使用できそうにありませんけれど」


 前面のハッチが開きっぱなしの《棺》に対し、メルリィはぽつりとこぼした。

 ユイリィは「あはは」苦笑いする。


「ユイリィが起動したとき、ハッチの強制解放でむりやり外に出ちゃったんだよね。なんだか液化霊晶ジェムの解晶がうまくいかないみたいだったから」


 液化霊晶ジェム――というのは、最初にここでユイリィと出会ったとき筒の中いっぱいに満ちていた、光る青い水のことだ。


「でね? いい機会だし、使えるように直しちゃおうと思うんだ、《コフィン》」


「ユイリィおねえちゃん、これ直せるの!?」


「もちろん、直せるよ?」


「すごーい!」


 目を輝かせるランディ。ユイリィは「ふふん」と誇らしげに胸を張る。


「――ってゆっても、イチから機材を作りなおすのまでは難しいんだけどね。でも観測した感じそこまでひどい損傷はしてないから、たぶん液化霊晶ジェムを解晶機に通す配管のどこかが歪んじゃってるだけだと思うんだ」


「《棺》本体が直ったとしても、注入する液化霊晶ジェムがないのでは? 強制解放したということは、その時使用していたぶんはすべて外へ流れ出して、とっくに気化してしまったでしょうし」


「そっちは、直してから考えようかな……って。あてがない訳でもないし」


 メルリィは何とも言い難い、不安げな顔になる。

 そんな彼女と対照的な明るさで、ユイリィはあらためてランディ達を見渡した。


「なので、ユイリィはこれから《コフィン》の修理します。今からはじめたら、たぶん遅くても今日の夕方くらいには終わらせられると思うし」


 そんなに早く終わるものなのか。ランディは感嘆の息をつく。

 ユイリィは修理とひとくちに言うけれど、何をどうすればこの鉄のかたまりみたいな棺が元通りに動くようになるのか、こうして見ていてもランディにはまったく想像が追いつかないようなものなのに。


(……あれ?)


 ――と。

 その時になって、ひとつ気になることに思い至った。


「ユイリィおねえちゃん、お昼ごはんどうするの?」


 時計をちゃんと見ていなかったのであまり自信はなかったが、いつもならそろそろお昼ごはんを作り始めているくらいの時間になるはずだ。


 お昼抜きでずっと修理するつもりなんだろうか。

 ランディは――まあ、適当に何か食べればいいかなと思うけど。戸棚のパンにハムやチーズを挟むとか、ジャムを塗るとか。でなかったらマシュマロとか――


(……マシュマロ?)


 いいかもしれない――ランディの脳裏に、覚醒という名の電流が走る。


 お昼ごはんに、お皿いっぱいのマシュマロ。

 いや、これはとてもいい、またとない名案なのではないか? ランディの胸は躍った。

 

 マシュマロは好きだ。

 おいしいし、いっぱい食べてても飽きない。

 いや、ほんとはご飯にマシュマロというのはあんまりよくないのかもしれない。マシュマロはおやつやデザートに食べるものであってごはんではないからだ。

 けれどユイリィおねえちゃんは地下室で《棺》の修理をするみたいだし、だとしたらお昼ごはんを作れるひとが誰もいない。ランディはまだひとりで火を使わせてもらえないし、そもそも料理に使うような食べ物を勝手に食べてしまったらのちのち作りたい献立を作れなくなってユイリィが困ってしまうかもしれない。


 それはよくない。よくないはずだ。

 であるならば、そう――仕方ない。仕方がないことなのだ。


 仕方のないことだから。今日のお昼ごはんは、お皿いっぱいのマシュマロに


「それなんだけど――ねえ、メルリィ」


「はい?」


「!?」


 だが。しかし。

 心ひそかに胸弾ませるランディの予想をあっさりと裏切って、ユイリィはきょとんと小首をかしげるメルリィに目を向けた。


「ランディちゃんのお昼ごはんの支度……今日のぶん、メルリィにお願いしたいんだけど、いいかな?」


「え?」


 申し訳なさそうな苦笑気味の笑みを広げ、両手を合わせてお願いするユイリィに。

 メルリィはそんな彼女を前に、なおもぽかんと呆けていたが。やがて、


「…………えっ?」


 ――と。


 眉を垂らした儚げな美貌には、戸惑いの色と疑問符が踊っていたようだった。

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