36.ある日、人形少女が《着替え》をもらうだけの話【中編】


 大陸より東方。

 数百とも数千ともいわれる数多あまたの島嶼が固まり連なるその海域を、《多島海アースシー》と人は呼ぶ。


 神代の終わり、かつて世界に君臨したとされる旧人類――《真人》たちが此処ならぬ果ての異世界へ旅立つとき、彼らはその最後の時を豊かな自然はぐくむこの多島海の島々に降り立ち過ごし、はるかな旅を前にその翼を休めたと、旧き伝承は伝えている。


 伝承の真偽は定かでない。

 しかしその物語を裏づけるように、多島海の島々は旧文明の痕跡――はるかなるいにしえの時代に真人たちが世界へ置き去った遺産、その宝庫であった。


 真人の遺跡は遠き過去の時代に失われた魔法文明を収めた蔵であり、同時にそれらは危険をそのはらにはらんだ迷宮ダンジョンでもあった。

 ゆえにこの地は、冒険者の天地。

 襲い来る危難を払い、暗がりに潜む魔物を討ち、迷宮を踏破して古の財宝と名誉を持ち帰る。


 ある者は夢を。

 ある者は探求を。

 ある者は一獲千金の未来を求めて。


 多島海には冒険者が集い、己が栄光と冒険譚を誇らしく歌いあげ――故にこの地で生まれた子供なら、誰しも一度は冒険者となって世界を渡る夢を見る。

 命知らずの彼らを支え、迷宮踏破を推し進める《諸王立冒険者連盟機構》の組織をもって、未知への探求と冒険を奨励する多島海アースシーは、ゆえにこそ、冒険者の天地と呼ばれて久しい。


 多島海アースシー諸王国の一つにして、多島海最大のルクテシア島に版図を広げる王国――大陸にまでその支部を伸ばす《諸王立冒険者連盟機構》盟主国ルクテシア。

 ランディはこの国で生まれ育った、そしてこの国では誰しもそうであるように未来の冒険に憧れる、ごくごくありふれた八歳の子供。――その、一人だった。



 ――どうしてこういうことになっちゃったかなぁ。


 というのが、ユイリィの偽らざる本心だった。《機甲人形オートマタ》である自身の思考――表情や所作といった機体フレームの変化・挙動へ反映されない統合演算契法晶内部における演算が、『心』と呼びうるものならば、という夢のない仮定を踏まえたうえでの『本心』ではあったけれど。

 元は客間だったユイリィの部屋――といっても、夜はほとんどランディと一緒のベッドで寝ているので、あまり使っていない――の鏡の前で大人しく立っているユイリィの前に次から次へと服をあてがって、アトリはうきうきと頬を上気させている。


「うーん。年頃の女の子ならこういう清楚なのが素敵だと思うんだけれど、そういうのってやっぱり私くらいのおばさんの感覚かなぁって気もするし。そもそもユイリィちゃんの印象とはちょっと違うのよね。むしろこれはギャップ? ギャップっていうのかしら。いつもは男の子みたいに活発で気の置けない女の子が、特別なパーティの日にはお姫さまみたいに清楚にしてたらぐっときちゃう! 『くそっ、なんで今日はあいつが女の子に見えるんだ!? 無性に胸が高鳴りやがるぜ……!』みたいなね、日常とはちょっと違ったときめきっていうのかしら」


「ユイリィはそういうのよくわかんないです」


「そうよねぇ。若いってそういうことよねぇ……懐かしいなぁ、私もそういう頃があったわぁ」


 ふふっ♪ と頬を染めて楽しそうに含み笑い、長持から次の服を選び始めるアトリ。

 おそらくだが、表面上を除けば自分と彼女の話はまったく噛み合っていない。ユイリィは確信していた。


 ――アトリ・バーネットは、ウィナザード家の『お隣さん』だ。間に三軒分ほどの空き地を挟んではいるが、お隣さんであることに変わりはない。

 二十八歳。トスカの町役場に勤める一等会計官ヘイズル・バーネットの妻。元はコートフェル執政局の二等会計官として勤めていたヘイズルはバーネット家の婿養子で、四年ほど前の結婚を機にトスカへと移り住み、二歳年上の妻の実家で同居するようになったらしい。

 夫婦仲は良好のようだが、生憎と子宝には恵まれていない。

 女性の結婚適齢期が十代の後半から二十代の半ば、初産がほぼそれと重なるルクテシアの社会構造を念頭に置けば確かに『おばさん』と呼ばれて差し支えない程度の年頃ではあったが―― 一方でその自称に見合わず、明朗な若々しさを保った女性でもある。

 それは、未だ子供を持てずに――あるいは、持たずに――いる、それ故の娘らしさ、その名残であるのかもしれなかったが。


 直近の血縁は、老いた両親のほかに妹が一人。

 妹・タニアはコートフェルの《諸王立冒険者連盟機構》支部で受付嬢をしている職員で、アトリも結婚前はそこが職場だった。

 ランディの兄であるシオンが冒険者を辞め、トスカでランディと暮らすようになったばかりの頃になにくれと面倒を見てもらった縁が、今も続いている――というのが現状ではあるが、そうした縁のきっかけになったのは、彼女が《諸王立冒険者連盟機構》の受付嬢として、駆けだしだった頃のシオン達を担当していたのが発端らしい。

 ランディの言うところによれば、シオンは彼女に対して奇妙に腰の低いところがあったようだが、それもそうした過去の経緯、恩義がらくるものだろうとユイリィは結論付けていた。そうした意味においてシオンが律儀な性質であることを、ユイリィは経験を伴って理解していた。


 ――以上が、ユイリィが知るアトリ・バーネットに関する情報。

 その概略であった。


「ごめんなさいね、ユイリィちゃん。おばさんの趣味につき合わせちゃって」


「ううん。それは別に――けど、趣味?」


 そろそろ本当に正午が近い。いつもならお昼ごはんの支度を済ませている頃だし、ランディちゃんはおなかを空かせているだろうか。

 話の切り上げ時を見計らいながらも、ユイリィは失礼にならないように会話を続ける。


「好きなのよ、女の子におしゃれしてもらうの。でも、このご近所だとちょうど年頃の子っていなかったし、フリスちゃんは恥ずかしがって逃げちゃうし……彼女、磨けばもっと光る子なのに、もったいなくって」


「フリスはそうだよね。仕方ないよ」


 魔女にして薬師のフリスは引っ込み思案で、人混みが苦手な娘だ。同性同士とはいえ、明朗で世話焼きなアトリの押しの強さは、彼女にはさぞ大きな負担だったことだろう。

 その彼女は目下、シオンや他の仲間達と共にトスカを離れ、冒険の旅の途上にある。フリスの側にそんなつもりがなくとも、アトリからすればせっかくの原石に逃げられてしまったような気分なのだろうし、恐らくはそのことも、ユイリィに対する現状の一端として繋がっている。


「――あ」


「うん?」


 ユイリィは、ぽつりと声を零していた。絡繰り仕掛けの《人形》らしくもない、完全な不随意の反応だった。

 原因は、アトリがたまたま手にしていた衣装ドレス――スカートがふんわりと広がる、胸元や腰回りを飾るようにレースをふんだんにあしらった、美しい長衣ガウンの存在だった。

 アトリは自分の手元をちらと一瞥し、ネコみたいににんまりと目を細めてユイリィを見た。


「……ユイリィちゃん、これ着てみる?」


「ううん、いい。きれいだなって思っただけだから」


「そんな遠慮しなくていいのよ? 綺麗だって思ったなら、むしろ試してみたほうが」


「どう見ても普段着には向かないものだし」


 ユイリィは明瞭に切って捨てた。

 実際、庶民なら晴れの日のドレスくらいにしか使わなそうなそれは、そのものが職責の一環となる貴族階級でもなければ普段着として常用する類のものではない。むしろ、そんな立派なものを長持に詰めて持ち運んでいたアトリの神経のほうがどうかしている――いったいどこで手に入れたものなのだろうか。


「同じ貰えるなら、ユイリィは日用できるものがいいな。服のことはユイリィわからないから、アトリの判断で選んでほしい」


「……うん。そうね、わかったわ」


 完全に納得してくれたはきわどいところだが。

 それでもアトリは微笑んで、ユイリィの意を汲んでくれたようだった。


「……………………」


 ――失敗ミスしたな、と。

 ユイリィは最前の一幕を振り返る。


 第三世代型 《機甲人形オートマタ》を定義する三要素――自律思考・自律制御・自律成長。より在り方で人に傅くための三要素だが、人間らしくなればなるほど、人間めいた不随意の失敗ミスを犯すようにもなる。それは端的に言えば自律制御の失敗だが、第三世代型 《機甲人形オートマタ》がその身に抱えた宿痾でもある。


 観測記録――膨大な記録の中から、想起される場面がある。

 その頃、ユイリィはこことは遠く離れた異国に、で、そこにいた。


「………………………………」


 ――おじーちゃんマエストロ


 制御を離れて零れかけた言葉を、ユイリィは奥歯を噛んですり潰す。



 食堂と居間が一体になった、家の中で一番広い部屋だった。

 両脚を投げ出すようにして応接のソファに体を埋めたランディの前には、藤編みのバスケットと、そしてひとつの瓶があった。

 脚の短い応接テーブルに鎮座するそれは、留め具でしっかり封のされた、透明の瓶である。

 ずんぐりと重々しく頑丈そうなその瓶は、目下、柔らかい白一色に染まっていた――具体的にはその中に詰まった、マシュマロの存在によって。


「………………………」


 ちら、と部屋の外へ続く戸口に目を向ける。

 そこから出ていったきり、ユイリィもアトリおばさんも戻ってこない。

 試着、と言っていたけれど、ただの着替えにしてはずいぶん時間がかかっている。いったい何をしてるんだろう。


「………………………」


 視線を戻す。見下ろす応接テーブルにはマシュマロの瓶がある。

 白くて甘くてふかふかのマシュマロが、瓶いっぱいにギュッと詰まっている。ランディはごくりと生唾を飲み下す。


 ――つまみ食いしても、一個くらいならばれないのでは?


 奥底から泡のように浮かび上がった悪の囁きを、ランディはぷるぷると首を振って払う。

 だが、もはやその視線はマシュマロに吸い寄せられて離れない。そもそもがお昼前なうえに、学校がおやすみの日だからと午前のうちはずっとユイリィのお手伝いをしていたので、ありていに言えばランディはおなかが空いていた。

 合挽肉の肉団子。厚切りのハムとチーズ。さすがにそうしたお弁当に手をつけたら、盛り付けの変わり度合いでばれてしまうかもしれない。

 でも、瓶詰になったふかふかのマシュマロ――そう、このマシュマロならば、


(一個くらいなら……!)


 ランディはおなかが空いていた。おまけにずっと目の前にマシュマロがあるせいで、口の中が完全にマシュマロ待ちの状態になっていた。

 ちら、と廊下に続く戸口を一瞥する。まだ二人は戻ってこない。


 ランディは重い唾を飲み下し、まるで蛇が這い寄るようにそろりそろりと音を殺して、白くフカフカのマシュマロが詰まった瓶へとその手を伸ばして


「お待たせぇ、ランディくーん♪」


「!!!!!!!!!!!!!」


 ――間一髪!

 呼び掛けと共に戻ってきたアトリの入室より一瞬早く、気配を察したランディはきわどいところで手を引いた。それは恐らく、かすかな足音、床を踏んだときの板の軋みといったささやかな何かを感じ取ったがための直感であっただろう。

 あやういところでつまみ食いの悪心を知られることなく終わったランディは、ばくばく早鐘を打つ心臓をなだめながら部屋の入口を振り返った。


「お、おおおかえりアトリおばさん! 遅かったねー……!」


「ごめんねぇ~、待たせちゃって! すぐにお昼の準備するけど、その前にこれだけランディくんにも見てほしくて」


「これ?」


 どれ?

 首をかしげるランディに「ふふっ♪」と笑って。アトリおばさんは長いスカートの裾を揺らしながらくるりと回り、部屋の入り口を振り返る。


「ユイリィちゃん、入って!」


 促す声に応じて、ユイリィが入室する。ランディは「ふわぁ」と声を上げる。

 いくぶんぎこちない足取りで現れたユイリィは、見たこともない新しい服を着ていた。


 胸元までかかる大きな角襟がついたノースリーブの上衣と、丈の短いキュロット乗馬スカート。足元はソックスと、ヒールの低い短めのブーツ。

 白地に明るい青のラインが入った大きな襟の胸元を、鮮やかな赤のスカーフが飾っている。


 「回って」とアトリに促されたユイリィは、ふわりと跳んでその場で一回転。

 背中にかかる大きな角襟が、長い三つ編みの髪と一緒にふわっと揺れて、ちいさなマントみたいだった。


「なにそれ! どういう服!?」


「『セイラーズ水兵の・ドレス』っていうのよ。王都で流行りの女性服。ユイリィちゃんは活発なイメージだし、普段使いするのならこういう服がいいかなぁって思ったんだけど……ね、ランディくん。どうかしら?」


 なんか動きやすそう!


 真っ先に思ったのはそんなことだった。

 あと、ユイリィが《双頭蛇竜アンフィスバエナ》と戦った時にシオンのシャツじゃなくてこの服を着ていたら、毒の吐息で袖を溶かされたりしなくて済んだんだろうなぁ、なんてことも思った。

 ただ、


「んっと、似合ってると思う!」


「よかったぁー! そうよねぇ、ユイリィちゃんはやっぱりこういうイメージよね! うんうんっ♪」


 新しい服や靴を身につけた時、女の子に向かってどんな言葉をかければいいか。幸いにしてランディにはその心得があった。

 それは主に、フリス――兄・シオンの幼馴染みで、ご近所さんの薬屋でもあった『お姉さん』と接していた、その経験に基づくものだ。


 今はシオンや他の冒険者仲間達と一緒に冒険に出ているフリスだが、その彼女にどんな言葉をかけてあげたら、おどおどびくびくしている頼りない彼女を安心させられて、微笑んでもらえたか。

 そうした経験の積み重ねがランディの中に形作った、女の子に対する心得であった。


 そしてその心得は――今日のところは、『アトリおばさんを喜ばせる』という形で役に立ったようだったが。

 ただ、


「ねえねえ、アトリおばさん」


「? なあに?」


「これって水兵さんセイラーの服だってゆってたよね?」


「ええ。そうね」


「女の子の服……なんですか?」


 水兵の服。つまり、王国の軍隊の服――何となくだが、ランディの中では男のひとのイメージである。

 それを聞いたとアトリおばさんは「あらあら」と頬に手を当てながら、嬉しそうに笑みを深くした。「その質問を待ってました」、と言わんばかりである。


「何年か前に、クレシーの軍港で観艦式があったんだけど――そうねえ」


 アトリおばさんは一旦話を斬って、ランディに訊ねてきた。


「ランディくん、王家のやんごとなき方々のことは知ってる?」


「学校で習ったぶんくらいなら」


「そう、なら大丈夫ね。その式典のとき、御年十歳になられたばかり第一王女殿下が、王室の船に初めてご乗船されたのだけど……前から船が大好きだった王女殿下のためにと、特別に水兵風のドレスが仕立てられたの」


 ――女の子が男の子の格好なんてはしたないわ! つつしみが足りないわ!!


 と、頭のどこかの片隅、たぶんうなじに近いどこか辺りから、従姉妹のラフィの声が響いたような気がした。多分に錯覚の類ではあっただろうが。


「そのときのお姿をしたためた絵画がとってもかわいいって評判で、以来こうした意匠の衣服は『セイラーズ水兵の・ドレス』って呼ばれるようになったの。で、王都リジグレイ=ヒイロゥでは王女殿下の御召し物となったこのドレスが、街の女の子の流行りになったんですって」


「ふぅん……」


 ぼんやりと相槌を打つランディは――どころか、そのランディに語って聞かせるアトリでさえ、さすがに知らぬことだったが。

 セイラーズ・ドレスの流行は実際のところ、使う布地が比較的少なくて済むこと――それ故に安価で流通させやすかったことも、状況を後押ししていた。特に、傷みやすい袖を廃した袖なしの仕立ては、服を汚しやすいやんちゃな子供向けの服としても好まれた。

 さらに言えばその流行自体、王都リジグレイ=ヒイロゥやそこに隣接する王立軍港都市クレシーの、とりわけ上流から中流にかけての階級の間で広まったものである。


 王女殿下の御召し物とはいえ、分類の上ではあくまでも『子供服』。

 また、男性の衣服の特徴的デザインを盛り込んだドレスは、当時の王都市民階級の間で先進的ともてはやされた『職業婦人』のアイコンとして流行する一方、貴族階級の淑女達の目は奇異ではしたないものと映ったのである。


 ――閑話休題。 


「ね、ユイリィおねえちゃんはどう思う? それ」


「ん-。動きやすそうでいいね」


 あっさりと言うユイリィ。

 ランディとまったく同じ感想だった。


「あと、《双頭蛇竜アンフィスバエナ》と戦ったときにこれがあったらなぁって思った。そしたらシオンのシャツの袖、溶かされなくて済んだよね」


 完全に同じ感想だった。いっそ素直に本音をぶちまけてもよかったかもしれないと、今更になって思った。


「ただでさえ袖って痛みやすいし。ユイリィもったいないことしちゃったなって思うんだよね、あれは」


「シオンにいちゃんはそういうの気にしないと思うよ。おんなじシャツいっぱいもってるし」


「あ、ユイリィもそれ知ってる。シオンってそういうの、ほんとに頓着ないみたいだね」


「ユイリィおねえちゃん、ここんとこずーっとシオンにいちゃんの服だったもんね」


「あらあら♪」


 アトリおばさんは何が琴線に触れたのか、おっとり頬に手を当てながら楽しそうに頬を染める。


「セイラーズ・ドレス、長袖のもあるんだけど……これからの季節はだんだん暑くなるし、長袖のほうは秋ごろになってから着るのがいいと思うわ。袖って汚れやすいぶん痛みやすいから、お洗濯のときには気をつけてね」


「あ、それならだいじょうぶです。ランディちゃんの服をお洗濯するときにも気を付けてることだから」


「あら、頼もしい。それじゃあ次はもっとかわいらしいのを」


「ねえアトリおばさん、ぼくもうおなかすいた」


「あっ」


 しまった、とばかりに口元を手で覆う。


「そう! そうね! ごめんなさい、もうお昼だものね――やだ、私ったらすっかりはしゃいじゃって!」


 娘のように顔を真っ赤にして、あたふたするアトリ。


「す、すぐに支度するわね。ユイリィちゃん、このおうちのかまどは」


「朝に入れた火が残ってるからすぐに使えるよ」


「よかったぁ! じゃあ台所と竈をお借りしちゃうわね。すぐにできるから!」


 アトリおばさんはお昼ごはんが入った藤のバスケットを抱え、ぱたぱたと台所に駆け込んでいった。

 どうやら無事お昼ごはんにありつける運びとなって、ランディは内心ほっと安堵の息をついたのだった。

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