Chapter 8-3
『眼』を使って
すると、彼の居場所として割り出されたのは、彼と刃を交えた廃工場だった。
「あそこか……! 急ぐぜ」
道中、草薙が彼奴の情報をくれた。
「ブラスト。『
「そうか、お仲間がいやがるのか……!」
ならばなおさら急がねば。
「草薙の旦那、そいつら、なんの目的でここに?」
「ヤツが今、姿を現した理由はわからん。ヤツに与えられた任務が隠密なのは明らかだからだ。ああ、明らかだとも。ヤツはこの街に『ラグナロク』を流布している。ヤツ――いや、『黒翼機関』としては『ラグナロク』を用いてこの街を裏から支配しようとしていたはずだ。だからこそ、ヤツがわざわざ姿を現して『ラグナロク』の存在を明らかにした理由はまだわからん」
新型違法ドラッグ『ラグナロク』。草薙の説明によれば、彼奴らの王・ロキの血から作られたというこのクスリは、非常に高い中毒性と依存性を持つ。しかしこのクスリ最大の特徴は、ロキに連なる力の持ち主の傀儡と化してしまうという点だった。簡単に言うなれば、洗脳薬。
確かにそれがあれば、この街は京太たちの知らぬ間に、彼奴らの支配下に置かれていただろう。
しかし、ブラストはそれを成す前に姿を現した。必ずしも京太を誘い出したわけではない様子だったが、いずれにせよ、扇空寺の人間に『ラグナロク』の存在を晒すのが目的だったのは間違いない。
答えはこの先に待つ、彼奴らに聞かねばわかるまい。
京太たちは廃工場にたどり着く。
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