第7話 年末大型スペシャルドラマ

「明けましておめでとうございマッチョ! からのフロントダブルバイセップス!」

「おめでとうございマッスル! からのフロントリラックス!」


「エツの兄貴もミツも、年始の挨拶遅くね?」


 悪の秘密結社筋肉ふんどし団。構成員の長男のエツ(10歳)、次男のロク(8歳)、三男のミツ(5歳)は今日も仲良し。


「ロぉークぅぅー? そういう事は分かってても言っちゃいけねえよ? 年始特番の再放送だと勘違いしてくれるときもあるしな」

「ロクの兄者、俺もそう思うぜ」

「く……、これは俺も言わないといけない流れか」


「その通りだ。末っ子のミツもわがまま言わずにやってるんだ。諦めろ、ロク」

「……明けマッチョ!」


「そうだ、それでいい。話は変わるが、お前、なんか最近変わったなあ? ロクよ?」

「何を言ってるんだ? 俺はずっとエツの兄貴の弟だぜ?」


「この俺を相手に、しらばっくれるとはいい度胸だな。だが、これを見てもまだ白を切れるかな?」

「こ、これは年末大型スペシャルドラマ『サンタと秘密のおもちゃ工場〔director’s cut〕』の特典付きBlu-ray!」


「見たぜ、お前の裏切りのすべてを。まさかこの俺も裏切るとは言わないよな、ロク?」

「ま、待て、待て待て。誤解だ。……俺はたまたま作者に呼ばれてゲスト出演しただけで、あくまでも役柄なんだよ。分かるだろ? な?」


「違うだろ!」

「は? 何がだ?」


「ま、待て、待て待て、じゃねーよ。そこは、ま、マッチョ、マッチョマッチョ、だろ? 何年筋肉盛り上げてるんだよ!」

「……え? そこ? この俺のモヤモヤはどうしたらいい?」


「歌え!」


 悪の秘密結社筋肉ふんどし団。構成員の長男のエツ(10歳)、次男のロク(8歳)、三男のミツ(5歳)は今年も仲良し。筋肉は裏切ら(以下略)

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