第6話 目が覚めたら知らない男が隣で寝てたでござる

 悪の秘密結社筋肉ふんどし団。構成員の長男のエツ(10歳)、次男のロク(8歳)、三男のミツ(5歳)はとても仲良し。


 いつも仲良く川の字で寝ている3人ですが、今朝はどうやらいつもと様子が違うようです。


「エツの兄貴! この男は誰ですかい!?」


 確かに川の字の間に更に1本縦線が加わって、いびきをかいて寝ている男がいるではありませんか。


「ロクよ、慌てるな。俺たちも酒に酔って朝目覚めたら、見知らぬ男が隣にいた。そういう年になったということだ」


「兄貴! 俺たちも大人ってことですね!」


「そういうことだな!」


「それは違うぞ、兄者ども」


「ミツ! それはどういうことだ!? 俺たちはまだ大人じゃないとでも言いたいのか? ああん?」


「俺たちが大人じゃないのはもちろんだ。作者の年齢設定がおかしいからな。だが、5歳の俺が言いたいのはそこじゃない」


「なら何だって言うんだ! 10歳の俺にも分かり易く説明してみろ!」


「落ち着け、10歳。いびきをかいているそこの男の顔と筋肉をよく見てみるんだ」


「こ、これは! 台所の吊戸棚のような胸板と、六甲山のような肩の盛り上がり、かにぱんのようなお腹に、シャボテン公園のサボテンのような太もも! そして何よりもこいつの顔は……」


「「「ととと、父ちゃん!?」」」


 3人の父親、ふんどしマッチョの父、筋肉の中の筋肉、筋肉オブザ筋肉、世界の筋肉、世界のふんどし、鶏ささみ肉の魔術師……。様々な異名を持つ3兄弟の父親。そいつが筋肉ワールドツアーを終え、ついに家族のもとに、家族のもとに帰ってきた。沢山のお土産話に乳酸を添えて。


「エツの兄貴、どどどどどうすればいいいい? 久しぶり過ぎてどうしていいか分かんねえええ!」


「落ち着け、ロク。こういうときは昔からやることが決まってるんだぜ」


「昔から? ごくり……」


「マジックペンでほっぺに渦巻を書くのさ! そして速やかに二度寝だぜえeeeee!」


「ヒャッハーaaaaa!!」


「ひゃっはー!!」


 悪の秘密結社筋肉ふんどし団。構成員の長男のエツ(10歳)、次男のロク(8歳)、三男のミツ(5歳)はとても仲良し。今日は仲良くお尻ぺんぺん地獄。

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